『OpenAI社、ChatGPT搭載ブラウザを開発と報道。ブラウザにAIが内蔵されると何が変わる?』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.11.22
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■オープンAI、ブラウザー開発検討 グーグルに対抗
OpenAI社が、ChatGPTを組み込んだウェブブラウザの開発を検討していることが報じられました。ロイター通信の報道によると、同社はすでに検索機能の提供に向けて、開発各社と協議を進めているとのことです。
ブラウザにChatGPTが搭載されたら何が変わるのか?
イメージしづらいなと感じたので、具体的な例をたくさん考えてみました。現在の操作方法や体験と比較していきます。
1. 検索・調べものの変化
まずは検索方法の変化が実感しやすいはずです。
キーワード検索から「知りたいことを直接尋ねる」という検索方法に代わり、日常的な調べものが楽になります。
旅行計画を立てる場合
現在:
複数の旅行サイトを開いて料金を比較
口コミサイトで評判を確認
観光スポットを別々に検索
地図で位置関係を確認
新ブラウザでの体験: 「12月に京都で2泊3日の旅行を計画したいんだけど、予算は5万円くらい」と入力するだけで:
宿泊施設の空室状況と料金を自動集計
季節に合った観光スポットを提案
移動時間を考慮した効率的な周遊プランを提示
人気店の予約状況まで含めた提案が可能
旅行計画の手間が相当楽になりますし、旅行先での楽しみ方をたくさん提案してくれるようになるのもよさそうです。
商品購入を検討する場合
現在:
複数のECサイトで価格を比較
レビューサイトで評価を確認
製品スペックを別々に確認
類似商品との比較表を自分で作成
新ブラウザでの体験: 「4K対応で5万円以下のゲーミングモニターを探している」と入力するだけで:
各サイトの価格を自動比較
重要なスペックを分かりやすく整理
実際の使用者レビューを要約
予算内で最適な選択肢を提案
2. ブラウザ内蔵ならではの使い方
検索や調べものだけなら、ChatGPTアプリでも、ブラウザでChatGPTを開いて使っても、だいたい同じことができます。
ブラウザにChatGPTが内蔵されることでしかできないことは何でしょうか?
リアルタイムのページ理解と変換
医療情報サイトを閲覧する場合:
現在:
「心房細動による血栓塞栓症のリスク因子」という専門用語が並ぶ記事を理解するのが困難
別タブで用語を検索
医学辞典で一つ一つ調べる必要がある
新ブラウザでの体験:
専門用語にマウスを重ねると、わかりやすい言葉で説明が表示される
「心房細動→心臓の上の部屋が不規則に震える状態」
「血栓塞栓症→血の塊が血管を詰まらせる病気」
サイドバーに図解や動画による補足説明が自動表示される
重要度に応じて情報が階層化され、基本から詳細まで理解を深められる
インタラクティブなページ操作
引越し先の物件探しの場合:
現在:
複数の不動産サイトで条件を一つずつ入力
エリアや家賃の条件を毎回設定
気になる物件をメモやスクリーンショットで保存
新ブラウザでの体験:
音声や文字で「駅徒歩10分以内、家賃8万円以下、2LDK以上の物件を探して」と指示するだけ
複数サイトの物件を自動で検索
通勤時間や治安情報も加味して候補を提示
「日当たりの良い物件に絞って」と言うだけで結果を更新
内見予約フォームも自動入力支援
やりたいことをブラウザが推測・理解
料理レシピ研究の場合:
現在:
「和風パスタ」のレシピを複数タブで開いて比較
材料リストを手動でメモ
タブが多すぎて目的のページを見失う
新ブラウザでの体験:
「さっきの明太子パスタのレシピに戻って」で該当ページにジャンプ
「これらのレシピの材料リストを比較して」で違いを自動抽出
「人気のアレンジレシピを探して」で関連レシピを提案
タブが自動でグループ化(基本レシピ、アレンジ版、口コミ評価)
セキュリティとプライバシーの強化
オンラインショッピングの場合:
現在:
怪しいサイトかどうか自分で判断
レビューの信頼性を個別に確認
個人情報入力時のリスクが不明確
新ブラウザでの体験:
「このサイトは過去6ヶ月以内に情報漏洩の報告があります」と警告
「この商品の口コミは、AIによる自動生成の可能性が高いです」と通知
クレジットカード情報入力時に「このフォームは暗号化されていません」と警告
「同じ商品が公式サイトでより安全に購入できます」といった代替案の提示
自分の理解度に合わせてくれる
技術ドキュメントを読む場合:
現在:
初心者には難しすぎる、上級者には冗長な説明
関連情報を自分で探す
前提知識の確認に時間がかかる
新ブラウザでの体験:
ユーザーの理解度に応じて表示を最適化
初心者向け:基本概念の説明を強調、図解を多用
中級者向け:実践的なユースケースを優先表示
上級者向け:最新のアップデート情報や高度な使用例を強調
閲覧パターンを学習し、必要な基礎知識を適切なタイミングで提案
3. ブラウザ内蔵のメリットまとめ
ここまではイメージしやすいように例を挙げて見てきましたが、改めてメリットをまとめてみます。
1.シームレスさの向上
別アプリを立ち上げる必要がなく、通常のWeb閲覧中にそのままAI機能を使用可能
ブラウザ上の情報を直接参照できるため、コピー&ペーストの手間が不要
閲覧中のページの内容を即座に分析・要約できる
2.機能拡張
ブラウザの機能(ブックマーク、履歴、タブ管理など)とAIを統合
プラグインやエクステンション機能との連携
Webサイトの構造を理解した上での情報抽出
3.プライバシーとセキュリティ
SNSでも詐欺やフェイクコンテンツなどを検出して警告
疑わしいリンク先をクリックしても、開く前に自動ブロック
ローカルでAIが情報処理
4.慣れた使い方をキープ
普段使用しているブラウザの操作感を維持したまま高度な機能を利用可能
デバイス間での同期や設定の引き継ぎが容易
学習曲線を低く抑えられる
ネット体験がガラポンで変わるぞ
ChatGPT搭載ブラウザは、インターネット体験を想像以上に大きく変える可能性を秘めていると考えています。ChatGPTをアプリやWebサイトで使うだけではできなかったことが相当あることも改めてわかりました。
ChatGPTなどテキスト系AIをまだ使ったことがない人も相当多くいると思いますが、ブラウザに内蔵されれば、AIに興味がない人、プロンプトを難しいと感じている人にも自然と受け入れられそうなのも良い点だと感じます。
報道に漏れ伝わるくらいですから開発はある程度進んでいるんじゃないかと思います。今年中に登場するようなスピード感ではないかもしれませんが、来年どこかには必ず登場するでしょう。これまでのネットの使い方がガラポンで変わるChatGPT搭載ブラウザ、これは超楽しみです。