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『ふくろう並みの視野240度。AIが接近警告するバイク用ヘルメット』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2025.1.22

先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。

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マニュアル操作のシフトが残り、電動化どころかハイブリッド化もなかなか進まない、比較的アナログなのが「バイク」。そのアナログでメカメカしいところが良かったり、ギア操作すること自体が楽しい乗り物ではあります。

しかし、少しずつ先進テクノロジーがバイク界にも進出してきました。

バイクの車両本体ではキャブからインジェクション化されたことに始まり、ドライブワイヤイヤーや電動クラッチなどの電子制御も進んできました。

電動バイクも登場してはいますが、満タンで50kmしか走れないのに100万円は贅沢品すぎますし、時代の過渡期すぎると感じます。

用品では、スマホのナビアプリを使うのは当たり前(昔はリング式ツーリングまっぷる+タンクバッグでしたよね)。ETCもインカムでの通話も珍しくなくなり、バイク用ドラレコも増えてきました。

そんな中で、個人的に早くバイク界に普及を望んでいるのが、電子ミラー技術です。

■ふくろう並みの視野240度。AIが接近警告するバイク用ヘルメット

ふたつのカメラで後ろをチェック
iC-R Garageのヘルメット「iC-Rs+」は、後頭部にデュアル・リア・カメラがあり後方240度の視野を撮影します。その様子は右目部分にあるヘッド・アップ・ディスプレイ(HUD)に投影。前を向いたまま後方確認ができます。

2021年2月にクラウドファンディングサイト「Kikstarter」が発表され、上記の前身のモデルが発売され、その時は残念ながらクラウドファンディングの目標額に届かず失敗しました。もう4年も前のことです。

それでも製品化はされ、この時から天頂部に4K 60fpsで撮影できるカメラ、後頭部に視認性を高めるLEDランプ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)+240度カメラを搭載したヘルメットが「iC-Rs+」」です。

そういうわけで、日付的には最新ガジェットではないのですが、先日開かれたCES 2025で展示されたことから、今年もニュースで取り上げられています。

HUDに映す情報を最小限化して安全性を確保

ヘッドアップディスプレイHW - ヘルメット内側に固定された解像度1920x1080、視野角40度の導波管プロジェクションモジュールにより、バックカメラの映像をHUDに投影し、前方の道路にオーバーレイ表示します。 HUDは、必要に応じて簡単に取り外して収納することができます。

https://www.kickstarter.com/projects/ichelmets/ic-r-a-true-smart-motorcycle-helmet

上記のように、HUDにバックカメラの「映像」を投影するとありますが、視野の狭いヘルメットの中で後ろの映像を映す部分は僅かに留めてあります。

https://www.youtube.com/watch?v=hnvXMJ4owTw

こちらがデモ動画で表現されているHUDの見え方の例です。右目の部分にHUD表示があり、「32mph」という速度表示や、「1.5mile先を右折」の情報がシンプルに表示されています。

画像だと分かりづらいですが、その下の部分が、バックカメラの映像です。

HUDに表示されるものに対する私たちの新しいアプローチは、本当に重要な情報のみを表示するというものです。 リアカメラのFOV、GPSナビゲーション、控えめな近接アラート、ライディングを記録している/していないの視覚的確認などです。

情報量が多いとライダーは混乱しますし、映像のスペースが広いと死角が生まれます。また、バックミラーの代替だとはいえ、「走行中に映像を注視」していたとして、ながらスマホ扱いされ罰せられる恐れもあるかもしれません。

できるだけシンプルに、ライディングの邪魔にならないように安全に配慮された設計とされています。

問題は高すぎる価格・・・

走行中にバックミラーに目をやることでも、前を見ていない時間が生まれます。ましてや車線変更の時に大きく首を振って目視で後方確認すると、なおさら長時間の隙が生まれます。

その点、前を見たままHUDで後方確認できるのは非常に安全性が高く、バイクの車種やミラーの形状に依らず後ろが見やすいことも魅力。何よりガジェットとして面白いと感じます。

問題は、高すぎるその価格です。

搭載されている技術によっていくつかのモデルがあるのですが、最上位モデル「iC-Rs +(Sports Plus Edition)」になるとお値段はなんと29万2,400円(税込、送料別)です…

カーボンケプラーの帽体ですし、1080p / 30FPSフロントアクションカメラ、視野角240度のデュアルリアカメラ、インカム機能、AIで検知する物体接近センサー、クラッシュ検出センサー、ハンドルバー用コントローラーなど、通常のヘルメットには付いていない電子機器が山盛りではありますが、それでも送料込みで30万円近い金額をヘルメットひとつに払える人は稀でしょう。

フロントカメラを省き、マイクロUSBメモリの上限容量を512GBから128GBに落としつつ、目玉であるデュアルバックカメラとHUDは搭載している廉価版「iC-R (ライダーエディション)」でも18万4,200円(税込、送料別)もします。

他にも課題は多し

細かいことを言えば、搭載されているインカムが他のインカムとつながるのか不安であるとか、電子機器を乗せすぎてヘルメットが重いだろう(重量は未公表)だとか、バッテリーはどのくらい持つんだろうか(未公表)など、金額以外にもネガティブな部分はあります。

カメラをバイクの車両側に付けてHUDに映像を無線で飛ばせれば、ヘルメットは軽くなりますし、搭載すべきバッテリーも小さく軽くできるかもしれません。

しかし、バックカメラは一瞬の遅延も許されません。もっと高速に高画質・高フレームレートの映像を伝送できる無線規格が制定されないと安全に実現できませんし、車種ごとに搭載されるカメラや無線規格を合わせるなどの個別対応も用品メーカーとしては困難ですから、今できる限界はココなのだろうと思います。

先進テック好きとしては非常に興味はあるのですが、愛車のハンターカブで使うには価格バランスが悪すぎます(笑)

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