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『離れると自動で自転車ロック…小島プレスが開発、「スマートロック」の先にある超ガジェットな自転車を予想』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.10.17
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■離れると自動で自転車ロック…小島プレスが開発、「スマートロック」が解決する社会課題
小島プレス工業(愛知県豊田市、小島栄二社長)は、新規事業として自転車用スマートロック「GaCharioT(ガチャリオット)」の開発に着手した。鍵のかけ忘れによる盗難被害を防ぐほか、IoT(モノのインターネット)によってさまざまな用途を想定する。2025年にも試作モデルを完成し、モニター調査を実施する計画だ。
自転車の普及は加速する
自転車はこれから日本や世界中でさらに普及すると予想されています。
環境問題への関心が高まる中、CO2を排出しない移動手段として自転車が注目されていますし、成熟した国々での健康志向の高まりから、日常の運動手段として自転車が見直されています。さらに、若者の収入減少や自動車の維持費の高さから、若者を中心に自動車離れが進み、自転車を選ぶ傾向が強まっています。
やっと自転車の電子化が進み出す
自転車は、そのシンプルさゆえに長い間あまり電子化されてきませんでした。しかし、IoT技術や電動アシスト自転車の低価格化、バッテリー技術の進展などとともに、ようやく自転車の電子化が進み出すだろうと思います。
愛知県豊田市の小島プレス工業が開発した自転車用スマートロック「GaCharioT(ガチャリオット)」は、スマートフォンとBluetoothで連携し、自動で鍵がかかる機能を持ち、さらにGPSを搭載して盗難時の追跡や、放置自転車の効率的な回収を可能にするとしています。
「GaCharioT」は、単なるセキュリティ強化にとどまらず、交通事故防止や都市管理の効率化など、さまざまな用途に活用できる可能性を秘めています。たとえば、位置情報や加速度データを用いて、交通事故のリスクを予測し、事前に警告を発する機能が考えられています。
内閣府の統計によると、交通事故での死亡重傷事故の全体数が10年で4割も減少している中、自転車が関連する死亡重傷事故の減少率は3割に留まっており、相対的に自転車での事故割合が多いことがわかっています。
自動でロックがかかる便利機能は序の口。これからもっと台数が増えるだろう自転車が、電子化によって死亡重傷事故が減らせるかが一番の注目ポイントだろうと思います。
近い将来に実現される自転車の電子化
自転車の電子化によって事故が減ることが一番の効果だとしつつも、便利機能も含めてどんな機能が搭載されていくのでしょうか。
1. セキュリティ機能の充実 「GaCharioT」のように、持ち主が離れると自動で鍵がかかり、近づくと解錠するスマートロックは、すでに製品化されています。
自転車が盗難される理由の7割は鍵のかけ忘れだと言われていますので、スマートロックで鍵のかけ忘れがなくなるだけで大幅に自転車盗難が減るはずです。
2. 衝突回避と交通安全機能 見通しの悪い交差点や歩行者の多いエリアでは、道路に設置されたセンサーと連携し、自転車にアラートを発する機能が導入されるでしょう。
例えば、交差点での出会い頭の事故を防ぐために、センサーが接近する車両を検知し、サイクリストに音声や視覚で警告を与えることができます。これにより、事故のリスクを大幅に減少させることが可能です。
3. ヒーター搭載 ハンドルやサドルに内蔵されたヒーターが搭載され、寒冷時でも快適に乗れるようになるかもしれません。
4. スマート電源管理 後付けのサイクルコンピューターやスマートロックは電池管理が面倒です。電動アシスト自転車なら、ライトやスマートロックなどの電子機器の電力を一元化できます。
このあたりまでは、低価格帯の電動アシスト自転車にも標準搭載されるでしょうし、既に製品化されていたり検討が進んでいるものも多く、実現性は高いはずです。
さらに自転車の夢を広げる
さらに先の未来には、どのような「夢のような自転車」が登場するのでしょうか?AIの進化やスマートシティ化の進展により、自転車は単なる移動手段を超えた、より高度で便利なデバイスへと変貌を遂げるでしょう。
1. AIベースの自律走行機能 未来の自転車は、AI技術を駆使して自律走行が可能になるかもしれません。例えば、自転車が自動的に駐輪場に帰っていく「自律移動機能」が実現されると便利です。特に自転車シェアリングでは、道端で乗り捨てても勝手に自転車ポートに帰っていくようになります。
2. XRナビゲーションシステム XR(拡張現実)を利用したナビゲーションシステムも、未来の高級自転車には搭載されるでしょう。目的地までのルートを正面を見たままでXRグラスに映し出すことで、安全に走れます。引いたルートの総走行距離や勾配を加味して電動アシスト量を最適化、同じバッテリー容量でより遠くまで行けるようになります。
3. 一瞬で充電できる次世代電池の採用 現在主流のリチウムイオン電池に代わり、全固体ナトリウム電池など同じサイズでより容量が大きく、充電スピードが圧倒的に早い次世代電池を採用した自転車が登場。
休憩に立ち寄ったコンビニでコーヒーを買って飲む間に満充電にできるくらい、充電の待ち時間が無くなるでしょう。
4. 快適性と安全性のさらなる向上 電子制御サスペンションにより、路面の状態に応じてサスペンションの減衰率が自動調整され、振動を最小限に抑えて快適な走行を実現します。さらに、転倒や衝突時に膨らむ自転車用エアバッグも考えられ、ライダーの安全を一層確保します。
5. スマートシティとの連携 スマートシティ化が進む中、自転車は都市のインフラと連携し、交通情報や道路状況、天候情報をリアルタイムで受け取ることができるでしょう。例えば、信号の変わるタイミングを自転車に通知し、スムーズに交差点を通過できるよう支援するシステムや、危険な道路状況を事前に知らせる機能が考えられます。これにより、自転車は都市交通の一部として重要な役割を担い、安全かつ効率的な移動が可能になります。
まとめ
「GaCharioT」のようなスマートロックは、自転車の電子化の第一歩に過ぎませんが、近い将来には、より多くの自転車がスマート化され、セキュリティや安全性が強化されることが期待されます。
そしてさらに先には、自律走行やXRナビゲーション、スマートシティとの連携など、夢のような技術が自転車に搭載され、プリミティブでアナログな自転車というものが超先進化する未来が来るとすれば、ガジェット好きにとってはワクワクが止まらないでしょう。