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『iPhoneにUSB-Cを採用させたEU、つぎはApple Payの開放をもくろむ。鍵・身分証・チケットなど「スマホタッチの民主化」』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2023.12.19


■iPhoneにUSB-Cを採用させたEU、つぎはApple Payの開放をもくろむ

次のターゲットはモバイル決済。

アップルペイで使われるNFC(近距離無線通信技術)技術のアクセス解禁をApple(アップル)がEU(欧州連合)に申し出たことがわかりました。

iPhoneでは、Suicaやクレジットカードのタッチレス決済といった「おサイフ」な機能はすべてApple Payにまとめられています。もしアクセスが解禁された場合、Apple Pay以外でもタッチレスなあれこれを管理できるようになるかもしれません。

EUが「充電ポートをUSB-CにしないとEU域内ではiPhoneは売らせないもんね」と規制をかけたおかげ(?)で、確かにiPhoneから独自異端なLightningがなくなりました。

EUが次のターゲットにしたのは「おサイフ」。スマホのタッチで決済するNFCの解放をアップルに求めたことがわかりました。

おサイフ機能が一般開放されれば、モバイルタッチ決済に使える決済方法の採用可否をアップルだけが握る状態がなくなり、「タッチで暗号資産決済」も実現するかもしれません。

加えて、「タッチで〇〇する」は決済だけではなく、映画館やライブのチケットを格納する、ドアの鍵を開ける、名刺交換する、来場した履歴を記録する、など、アイディア次第で幅広い用途に使えるようになります。

これら「タッチで〇〇する」をアップルが「これはいい、これはダメ」と仕訳ける権限を独占することなく一般開放することで、デジタルウォレットの普及が加速するだろうと見ています。


ドアはスマホで開ける時代に

一般にスマホのタッチ機能が解放されれば、「ドアの鍵を開ける」はスマホの役割となるでしょう。

自宅用の鍵と会社用のカードキーを別々に持つ時代は終わり、自分のスマホひとつで、開ける権限を持っている場所のドアはすべて開けられるようになります。

ちょこザップのように会員だけがドアを開けられるような仕組みも、スマホでタッチに統一されるでしょう。


名刺交換もスマホタッチに

名刺交換もスマホ同士をタッチに変わっていくでしょう。

フィジカルな名刺は、もらっただけで死蔵しているケースも多いものです。スキャンしたり名刺管理SaaSに入力するなどして後からデジタル化するくらいなら、初めからデジタルなほうが便利です。

他人にわたる可能性があるフィジカルな名刺よりスマホ同士のタッチでしか交換できない方が「実際に会った」を証明するのに向いています。


Googleはあらゆるチケット類をスマホに

Googleは先行してGoogle PAYウォレットに免許証や社員証などの身分証明書から、駐車場の入場券まで、あらゆるチケット類をウォレットで管理することを目指し始めています。

Googleが想定しているユースケースの種類はこの記事にまとめていますが、決済以外の用途でウォレットを活用できるシーンはこれほど多いことに驚かされます。


ウォレットのオープン化と標準化でイノベーションが加速

こうしてみてきた通り、今回のEUの動きは単にアップルにNFC機能を解放させるだけに留まらず、ウォレットのオープン化と標準化を促し、さまざまなものをスマホにまとめられる未来を作り出すことにつながります。

EUが考えているように、スマホOSメーカー2社が独占せずオープン化と標準化をすることで多くの人のアイディアが盛り込まれやすくすることがとても重要です。

セキュリティ要件などは技術的に標準化して担保しつつ、どの決済方法やチケット等をウォレットに入れるかをユーザーが決められる「スマホNFCの民主化」の実現は、USB-Cに続いてEUの成果となりそうです。


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