『ナイアンティックの新ARゲーム「Peridot」で現実世界の商品が買える「Amazon Anywhere」がローンチ』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.5.12
■ショッピングプラットフォーム「Amazon Anywhere」がローンチ——Nianticの新ARゲーム「Peridot」内で買い物が可能に
これは面白い!
一度説明を読んだだけではピンと来ないかもしれませんが、現実世界と電脳世界がショッピングでつながる不思議体験ができるようになりました。
ARゲームでリアル店舗に足を運び、ゲーム内で買い物できる
先日ご紹介したナイアンティックの最新ARゲーム「Peridot」のゲーム内で、現実世界にあるお店に行った時に、その店の商品が「ゲーム内で」買えるようになります。
「Peridot」はARゲームなので現実世界の街中を歩き回ることになります。「現実世界に設定された目的地に行くとゲーム内アイテムが手に入る」というかたちで現実世界と電脳世界がつながっていました。
そこに「現実世界の商品をゲーム内で買う」という新しい結節点ができました。
ゲームアプリ内で現実世界の商品が買える新しさ
これまでもARゲームで来店誘致のためのゲーム内イベントや広告商品化などが試されたことがあります。
ドラクエウォークでも「お土産」が観光名所で手に入りますし、動物園や水族館を巡ると限定アイテムが手に入るイベントも最近始まりました。先月終了しましたがコカ・コーラの自販機の場所を巡らせたりCoke onアプリと連携するキャンペーンもやっていました。
観光名所に行くとゲーム内アイテムがもらえる、というものはよくありました。ゲーム内アイテムはゲーム内で配れますので実現が容易です。
ドラクエウォーク内で「1本無料券」を手に入れたら、Coke onアプリに切り替えてクーポンを入力、Coke on対応自販機でジュースがもらえる、という連携の仕方は体験したことがあります。
しかし今回の「Peridot×Amazon Anywhere」では、Peridotアプリから外に出ることなく現実世界の商品が買える、という点が新しいポイントです。
Amazon AnywhereというAmazonの提供するサービスなので決済や配送などはAmazon品質で安心感があります。
タイアップする店舗としても、ゲーム内アイテムを配ることで認知度やブランドに対する好感度が上がる効果よりも、モノが売れる方がありがたいはずです。
ARショッピングのメリット
現実世界のお店に来店しているのだから、商品は店頭で買えばいいじゃないか、というのはゴモットモ。
実店舗ではできないことができることが最大のメリットであり、アイディアを膨らませられるポイントです。
在庫していない商品を販売する
上記のデモ動画で例に出されているTシャツは最たるものです。
色・サイズ・デザインの組み合わせによっては店頭には在庫がないケースもあり得ます。Amazon Anywhereならすべての在庫が店頭になくても大丈夫です。
実際の店舗の場所以外で販売する
上記のデモ動画でも公園のような場所でTシャツを買っています。
ARで足を運んでもらう場所が実際の店舗である必要はなく、アクセスしやすい・大勢が集まっても問題ないなど、実店舗では叶えられない条件で販売することができます。
公園に行ってARカメラで見ると立派な店が建っている、ようなUXも面白そうです。
ゲーム内アイテム「も」もらえる
店頭で現実世界の商品を買ってしまうと、ゲーム側で購入を知ることができません。QRコードを読み込むなど別の作業をすれば連携はできますが手間です。ゲーム内で現実世界の商品を買えば同時にゲーム内アイテムももらえる、とすればシンプルです。
ゲーム内アイテムほしさに現実世界の商品を買うことを誘致しやすくなるうえ、ゲームが商品購入に与えた効果を計測しやすくなります。
将来、ゲーム内通貨で現実世界の商品を買えれば最高
最後に妄想のアイディアをひとつ。
ARゲーム内で稼いだ通貨で現実世界の商品をゲーム内で買えるようになれば、ゲームをやる意味や価値が大きく変わります。
Web3ゲーム、ブロックチェーンゲームの「Play to Earn」に近いモデルですが、物販に限定する方が身近でリアリティも感じられるかもしれません。
現金的にゲーム内通貨を使うのが法律の制約を受けて難しいなら、スマートニュースのアプリで配られている割引クーポンをゲームプレイの報酬として頒布するやり方や、課金額に応じたバウチャーチケットを配るような方法も考えられます。
現実世界の場所、ゲーム内アイテム、現実世界の商品のAR連携は実現されました。他にも朝や夜という現実世界の時間との連携もされています。
ここに「お金」も現実世界と電脳世界でつながるようになると新しいAR体験が生まれるはずです。
ブロックチェーンゲームの「Play to Earn」はあまりうまく行かなくなってきていますが、ゲーム内課金による収益に加えAR来店誘致の広告商品化という運営の収益源を元手に、実際に行ける場所・手に取れる商品によるEarnとすることで、多くの人にとって理解しやすい「to Earn」が実現できます。
「Peridot」のブームの成否にも依りますが、Amazon Anywhereは他のARゲームにも広まっていくでしょうし、こんなところから「to Earn」が一般的になって理解が広まればブロックチェーンゲームにも追い風になりそうです。
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