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■PDCE避雷針は雷を落とさない避雷針
関東地方は今日の午後は雷雨になるようです。
今は温かいのですが、雨が降り始めた直後から急激に気温も下がるそうですので、体調管理には十分気を付けましょう。
従来の「避雷針」は落雷を積極的に誘導して地面に電気を逃がすことで落雷の被害を回避しようとするものですが、これが時代に合わなくなってきているそうなのです。
文字通り、雷を避けるための避雷針「PDCE避雷針」というものを広告で見かけました。販売元の株式会社エイトエージェンシーのサイトに書かれている考え方や原理になるほど!と思わされつつ、FAQが人間味あふれて最高だったのでご紹介します。
PDCE避雷針は雷を避ける
従来の避雷針は、ウィキペディアによると
とのことで、字面とは異なり雷を安全に落とすための装置です。
対してPDCE避雷針は
100m範囲内に雷が落ちづらくなることが期待されるそうです。こちらのほうが文字通りの「避雷針」のイメージになります。こんなものがあるのですね。
より詳しい仕組みはこの動画で学べます。
・想定内の威力の雷であれば被害を避けられますが、想定以上にパワフルな雷だと被害は避けられない。
・従来の避雷針は建物を守る機能はあるが、建物の中にある電子機器を守るようにはできていない。
・したがって、雷が落ちないようにすることが最高の防御。
避雷針への落雷で電子機器が故障する
雷を「避雷針」に落とすことで被害を避けられればよかったのですが、現代では狙い通り避雷針に雷を落としても被害が出てしまうそうです。
FAQページによると、避雷針への落雷でさまざまな被害が出ているとのこと。
現代では各家庭レベルにまで電子機器が普及していますから、避雷針に落ちた雷のせいで電子機器が壊れるということもあり得ます。そこでPDCE避雷針のように雷を近づけない装置が求められるようになったわけです。
このFAQ、書いた人の誠実な人となりが滲み出ていて最高だったのでいくつかご紹介します。
人間味あふれるFAQが最高すぎる
もう、「何が悪いのですか?」という問いの立て方が最高です。
仮に実際に「何が悪いのですか?」と聞いてくる人がいたとしても、製品紹介のWebサイトにそのままの言葉遣いで載せることはないでしょう(笑)
それに対してのアンサーも最高です。
なんだか電話口で論争している光景が思い浮かびます。
しかし説明されればなるほど納得です。
科学者っぽい誠実な回答で好感が持てます。雷雲にすっぽり覆われたら「確実にPDCE避雷針に放電する」、つまりPDCE避雷針に落雷するそうです。
これに追い質問を重ねます。
社内でこういう言い争いを経営陣や営業さんと技術者の間で交わしたのでしょうか(笑)「PDCE避雷針に落雷したら意味ないじゃん!」「お客さんに何て説明すんだよ!」と言い寄られている様子が思い浮かびます。
技術的な解説の場面で、自然は気まぐれ。なんかいいです。
これが個人的には一番気になっていました。雷雲はエネルギーをどこかで放出するものですから、PDCE避雷針を設置している場所に落ちなかった雷は、別のどこかに落ちるのではないかと。
それに対するアンサーはこうです。
おっと、意外に共感されました。続けます。
雷について調べると「お迎え放電」という言葉がちょいちょい出てきます。雷の仕組みについての勉強になります。
そして先ほどの「自然は気まぐれ」と同じように、「隣の家かどうかは分かりません。」と、どこかで放電はするが、質問の「隣の家に落雷しない?」にある意味まっすぐに答えています。「隣」であるかどうかは直接の質問の主旨ではないと思うのですが。
因果関係としてはそうでしょう。でも質問の意図はそうじゃない・・・
なんか技術的な話を膨らませて話がはぐらかされていく、よくある科学者と話が噛み合わない感じがちょっと心地よいです。
おっと、質問に回答が返ってきました。科学的な仕組みの説明も面白く読みましたが、営業サイドからすると「近隣トラブルは起きません」が一番大事な回答でしょう。
雷雲としてはエネルギーをどこかで放出はするが、必ずしも落雷というカタチだけでなくいろんな放電でエネルギーを失い、20~40分で雷雲は消滅するものだから、PDCE避雷針で「うち」に雷が落ちなくなったとしても、「ほか」に落ちるわけでは必ずしもない、という説明で納得しました。
「はい、適合しています。」ではなく、「もちろんです。」の回答も素敵です。嬉しくなったのか、解説が続きます。
根拠の説明ではありますが、質問者もそこまでは聞いていないと思います。
もう製品の説明ではなくなり、共通の話題で盛り上がることを楽しんでいるようです。
まとめると、PDCE避雷針は
基本的には直上の雷を「避ける」効果があり、しかし稀に従来の避雷針のようにPDCE避雷針に落雷することもあり得る。直接PDCE避雷針に落雷した場合には電子機器が壊れるなどのリスクはあるかもしれないが、それは従来の避雷針と同じ。だったら現代においてはPDCE避雷針で落雷自体を避けるほうが合理的。
だと理解しました。
先進技術は雷に弱いものです。AIを動かすデータセンターの数はもっと増えるでしょうし、家庭にロボットが配備される時代がくるかもしれません。PDCE避雷針のように落雷自体を避けるソリューションは今後さらに需要拡大しそうです。