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『あたらしい経済たっけさん×web3会計士水地さんのvoicy対談。2023年の展望予想』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.1.3

■あたらしい経済たっけさん×web3会計士水地さんのvoicy対談

ウェビナーでもお世話になった、あたらしい経済のたっけさんのvoicyに、同じくウェビナーでお世話になったweb3会計士の水地さんとの対談音源が元日にアップされたのを昨日拝聴しました。

2022年振り返り
・FTX崩壊、負の側面
・大企業のNFT活用、攻めの側面
2023年の展望、トレンド予想
・ステーブルコインなど
・監査や保証業務
DAOについて

たっけさんvoicyweb3時代「2022年の振り返り23年の展望」より

おふたりのweb3の見立て方にはいつも共感する部分が多いです。今回のvoicyでの話題に対して私モリプトの見立てを重ねつつ、おふたりのvoicy音源を聴く際の補助線になれば幸いです。


・FTX崩壊の余波はまだ続く

→必要な法律やガバナンスが整えられ、真っ当なプロジェクトが成長できる良いきっかけになると思っています。


・大企業のNFT活用

→2023年以降は大企業×web3、特に今すぐ着手できるNFT活用事例が増える。独自トークン活用はもう少しかかりそうだと予想しています。

→大企業にとってNFT自体の売上期待値は低いためトークングラフやロイヤルカスタマーのあぶり出しに活用されそうです。

→GameFiがモデル提示した「NFT購入者が参加権を得る、事前NFT型」だけでなく、スターバックスオデッセイのように「ロイヤリティが高い人がその活動履歴を証明するNFTを発行する権利を得られる、後からNFT型」も増える論には非常に共感します。

個人的には事前NFT型・後からNFT型の両方をやるアプローチが増えると予想します。


・ステーブルコインが2023年から流行る?

→既存の大手銀行がステーブルコインの発行や流通の主体になり、ルール・ガイドライン・法整備が進む予想はとても同意します。

でもその結果の方が楽しみです。

ステーブルコインのガイドラインが既存銀行主体で整備された暁に起きそうなこと↓

・日本国内の暗号資産取引所でUSDCやUSDT、日本円ペッグステーブルコインが扱われるようになる=クリプトネイティブ向けで影響力はそれほど大きくなさそう。

・個人向けでは、クレジットカードやApple Pay/Google Payなど既存の課金決済手段にステーブルコインとの交換機能が付くなら強烈。海外から報酬受け取りや海外へ送金がApple Payなどスマホデフォルトの課金手段となり、そこからSlash Web3 Paymentのように非ステーブルな独自トークン決済につながる。

・法人、国家向けでは、貿易の決済手段に使われる。民間ではステーブルコインが、国家間ではCBDCが使われる違いはあれど、国によっては外貨ペッグステーブルコインが主な決済手段になり法定通貨が国内に限定的に流通するだけのマイナーコイン化してしまうところも出てきそうだと予想。

個人・法人・国家間でステーブルコインきっかけの各種暗号資産の決済実用化が進み、一部の法定通貨が駆逐される可能性すらあると予想しています。


・監査や保証業務

上場企業や上場を目指す企業が独自トークンを扱えない、NFTも含めたweb3事業の売り上げ規模を一定以下に抑えようとする主な原因がコレ。

税制改正されてもweb3に大企業が参入できない「監査拒否の壁」を2023年中に突破する目途が立つかどうかがweb3がハネるかどうかの最大の鍵といっても過言ではないと考えています。

独自トークン発行・保有に関して監査できない状態は誰にとってもよくないはずです。

・不健全。抜け穴や裏技を考えざるを得ない状況はよくない。
 抜け穴アプローチを採った結果、不正や消費者被害などが起きるとFTX事件のようにweb3全体に悪影響が及ぶ。

・上場型大企業とweb3的調達&ガバナンスで非上場のまま巨大化する企業の2派にわかれてしまう可能性。(半分ジョークで妄想すると、並行世界的でディストピア感。メタバースが本当に別世界になる恐れも。)

監査ルールや会計手続き手順が決まり、自社単独で独自トークンが発行・保有・流通などビジネス活用できる目途が2023年中に立つことを本当に切に願っています。


・DAOについて

定義がマチマチなのは、個人的にはグラデーションがあっていいと思っています。株式会社に完全に置き換わるレベルで組織化されたDAOも登場するでしょうけれど、株式会社内のDAOがもっと増えると予想しています。

つまり経営主体は株式会社の体裁で、株主と経営陣がいる状態は中央集権的ではあるものの、その経営に参画する方法がDAOによって拡張されるのは好ましいんじゃないかと思っています。

・株主として参画する
・経営者として参画する
・従業員として参画する
・消費者として参画する

この4つが現状存在しますが、どのレイヤーにもDAOが組み込めると思っています。

特に消費者が、株主としての事業利益獲得機能を得たり、経営者として意思決定に参画したり、従業員として労働参加したりすることがしやすくする仕組みとしてのDAOに最も期待しています。

報酬が得られるルールや行動をあらかじめ規定しておくこと、気分や印象の影響を受けがちな現行の評価制度に代わるスマートコントラクトでの支払い実行が導入されれば、消費者が企業や商品のファンとなって経済活動に参加するチャンスが増えます。

逆に企業まるごとをDAOに置き換えるような動きはあまり進まないんじゃないかと予想します。

全体をDAO化した場合、ガバナンス投票の影響が大きすぎて結局ヒトがマネジメントしているのと変わらないリーダーシップが必要になること、利益を得ることを目的とした場合の経済合理性は株式会社の仕組みの方が多くの場合まだ効果的な事例が多いこと、従業員側もDAO就業は生活が安定しづらく、水地さんがおっしゃる通りDAOは完全な実力主義偏重で「超格差組織」となる可能性があることなど、株式会社の代わりとしてのDAOはあまり流行らないと予想しています。

それでもDAOが契約主体になれる仕組みはほしいです。代表者がいないDAOをどうやって契約者にするのか、責任は、など課題はありますが、大企業が個人と契約しづらいようにDAOとも契約できない現状では、これも分断の一因になりそう。このへんの溝を埋める作業がweb3には必要です。


■2023年はweb3が大企業によって事例化されていく1年に

今回のvoicy対談で語られた内容が実際に進んでいくとしたら、導き出される2023年の展望は「大企業によるweb3の事例化が進む」だろうと思います。

思想的アナーキストや技術マニアに留まっていた感もあるweb3が、大企業の参画によって実際の経済活動になっていくことが、2023年~2025年にかけて起きると予想しています。

そのためにもまずは監査問題が解決されてほしい。ここが突破できれば大企業の参画は加速度的に進むはずです。

そんな2023年のweb3展望話に興味を持っていただけましたらぜひたっけさん×水地さんのvoicy対談をお聴きください。


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