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『ビールのハイネケンがクールなガラケーを作る。dumb phoneと自治体消滅を考える』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.25
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■ビールのハイネケンがクールなガラケーを作る。限定5000台
自撮りカメラ。ありません。
SNSアプリ。使えません。
Googleマップ。入っていません。
往年のガラケーを模した折りたたみスマホとは違います。ハイネケンとHMD Global、Bodegaが共同開発した「The Boring Phone」は、当時のケータイをHi-Fiで再現したデバイス。電話とメール、アウトカメラとQVGAという低画素ディスプレイを備えた携帯電話です。まさに平成レトロの文脈だ。
SNS中毒、スマホ中毒から脱しようというムーブメント、dumb phoneをマーケティングに使う動きが出てきました。
ビールメーカーのハイネケンが、往年の折りたたみ携帯電話を模した、何もできないケータイ「The Boring Phone」を5000台限定で作りました。
boring=退屈な、の名の通り、電話とメールと低解像度のモノクロ液晶、そして自撮りできないアウトカメラしかありません。
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スケルトンなのも平成レトロ。5000台限定と謳いつつ、まだ入手方法は公開されていません。
「もっと人と語ろうよ。そしてハイネケンを飲もうよ」
酒場に来てもスマホを見てばかり、「The Boring Phone」を使っている人は会話を楽しんでいる、という揶揄。
ライブに行ってもスマホでステージ上のアーティストを撮影するのに夢中で、客席に投げた衣装をゲットできたのは肉眼でアーティストを見ていた「The Boring Phone」ユーザーの少年。
スマホ依存はよくない、リアルに人と話をしたい、というインサイトが多くの人に広がっていることが現れた2本のPVは、これがマーケティングで共感を得られる今の時代をよく表していると思います。
スマホなしで飲みに行ける関係は作れるか?
民間の有識者グループ「人口戦略会議」は全体の4割にあたる744の自治体で、2050年までに20代から30代の女性が半減し、「最終的には消滅する可能性がある」とした分析を公表しました。
2050年までに744自体が消滅する可能性があるという分析が公表されました。
世の中には「確実に当たる未来予測」があります。
それは人口動態統計です。
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今でも高齢化が深刻ですが、2050年では明らかに下の方=若者が減り、頭でっかちな人口ピラミッドになることが予測されています。この予測は、残念ながらほぼ当たります。
佐々木 人口が少なすぎるんです。年の近い人が数人しかいないので、そこから結婚相手を選ぶのはなかなか無理がある。だから現状、島内に出会いがないんです。特に女性の場合は、島外の人と結婚したら島には戻ってこないし、島に転勤で来ている男性と結婚しても、任期が終わったら一緒に本土に行く人が多くて。
極端な例ですが、日本一人口が少ない村、青ヶ島では同級生がいないのが当たり前になっており、島民同士での結婚が現実的ではなくなっていると言います。出会いを求めると島の外に出ることになりますし、外から来た人と知り合っても結婚後は島外に引っ越して一層人口が減ってしまいます。
これに近い状態が、日本全国の多くの自治体で起きると予測されているわけです。
dumb phoneを突き詰めていくと、SNSなどを使わずにつながれる「地元」の関係が必要になるはずですが、同じ場所にいるというだけで仲良くなれるものでもありません。
リアルに会えていつでもハイネケンを飲みに行ける関係はとても大事だと思いますが、dumb phoneムーブメントはむしろ出会いの範囲を「地元」に限定してしまう側面があります。
つまり、dumb phoneで済むのは、実は人口が多い都会だけではないかと思うのです。同時に、SNS中毒、スマホ中毒になりやすいのも都会ではないかと思うのです。そういう意味ではdumb phoneは都会モンに響くアイテムだろうと思います。
人口減の切り札とされていたコンパクトシティ構想も、あまりうまく行っていません。効率だけを考えれば居住していい地域を限定するのはアリなのでしょうが、やはり住民の軋轢を生みます。
現実を考えれば、軋轢を乗り越えてコンパクトシティ化しないと電気ガス水道や道路・鉄道などインフラや地域の行政機能を維持することは不可能です。しかし人間はそんなに合理的になれるものではないので、やはり自治体消滅は避けられないでしょう。
結構な割合の自治体が消滅して、計画的か自然発生的かに依らずコンパクトシティ化が進むだろうとは思います。そんな時代でも住んでいる場所に依らず遠く離れた人とも知り合える仕組みをテクノロジーで解決できないか、とも考えます。dumb phoneではこの課題は解決できないはずです。