『ネコ型配膳ロボのPUDU、次は半分ヒト型ロボット実用化へ ロボット普及にはネコ耳が必要だ!』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.10.2
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■ネコ型配膳ロボのPUDU、次は半分ヒト型ロボット実用化へ
ネコ型配膳ロボット”ベラボット”で有名なPudu社が、腕付きのヒト型ロボットを発表しました。
配膳業務以外にもロボットが浸透
このヒト型ロボットはネコ型と比べて腕が使えることが一番のメリットで、これまでの飲食店の配膳業務だけでなく、倉庫や工場などで複雑なタスクに対応できるようになるとしています。
実用性が高くなるのはもちろんよいことですが、ロボットがもっと社会で普及するには、人間に生理的に拒否されないこと、見慣れること、愛されることがとても重要だと感じています。
今回は「ロボットの愛され力」と、この腕付きヒト型ロボット「PUDU D7」がいかに拒否されにくい工夫をしているのかに注目してみていきたいと思います。
「見慣れる」ことがロボットを普及させる
飲食店でロボットを見かけるのが当たり前になり、多くの人がもうロボットが配膳することに驚かなくなるほどになりました。それでも、まだ飲食店のネコ型配膳ロボット以外を見かけることはまだありません。
この「見慣れる」という効果が、Pudu社のロボットが社会に与えた一番の効果だと思います。ロボットがいることに違和感を全く感じなくなれば、街中や家庭でロボット導入が進みやすくなります。
威圧感のない165cmの身長設定が絶妙
身長165cmという設定は、多くの国の平均身長未満です。女性の平均身長よりは高いことが多いですが、高いところのものに手が届く実用的な高さの中で威圧感を感じにくいサイズ設定も意識されたのかもしれません。
日本の成人男性の平均身長は172.06cmです。また平均身長が「PUDU D7」の165cm未満の国は、この調査対象195カ国の中で188位以下の8カ国のみです。
これも、ロボットが広く社会に浸透するために大事なことだろうと思います。より大型で強そうなロボットだと威圧感や嫌悪感を感じるかもしれず、そうするとロボットが普及するのが遅くなります。
今後このヒト型ロボットがオフィスビルや娯楽施設でたくさん見かけるようになる時に、このサイズ感は案外重要です。
下半身が車輪の「ケンタウロス型」が不気味の谷を避ける
上半身がヒト、下半身が車輪付きの車体はケンタウロスっぽい構成です。
2足歩行ロボットも開発されつつあり、段差が登れるなどのメリットはありますが、転倒しないようにするには車輪移動の方が簡単です。
これも、実用性や技術の要因以外に、パッと見た時に明らかにロボットだと視認できる効果が案外重要だろうと思います。
特に上半身にヒトらしい頭と腕が付いた今回の「PUDU D7」では、上半身を作り込むほど「不気味の谷」に落ち込みます。
「PUDU D7」にリアルな顔をつけないことはもちろん、下半身が車輪であることも、ヒトとは違うということが伝わりやすくなります。
3つの点を顔として認識する現象は、心理学の分野で「シミュラクラ現象」と呼ばれます。
シミュラクラ現象は、人間が外敵を察知するための防衛本能として備わっているもので、瞬時に顔を認識する能力に長けています。
防衛本能から、ヒト型らしいものに対して防衛反応・拒否反応・違和感を感じてしまうのが人間の性ですから、上半身がヒトに近づいたことに対して下半身がヒトではないかたちをしていることは、ロボットが社会に拒否されないようにするために必要なデザインだとも言えます。
ネコ耳をつけて愛されロボになれ
ネコ型配膳ロボットは、かわいい顔、声、しぐさで愛され、ファンブックが発刊されるほどの人気を博しました。
ロボットが実用性で普及するのも必要なことですが、愛されて普及する、拒否されない、というのは実用性と並ぶくらい重要なことだと感じています。これは人間社会でも同じで、「愛され力」は「高性能」を凌駕することが多くあることを実感している方も多いのではないでしょうか。
「PUDU D7」は黒くて賢そうでクールなデザインですが、テーマパークで働くならネコ耳をつけた方がいいかもしれませんね。