『クジラ1頭でソラナ崩壊のリスクも。ソラナフォンで巻き返しなるか?』~【新しいWeb3ビジネスのアイディアのタネ】・Web3ニュース2022.6.24
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■クジラ1頭でソラナを崩壊させるリスク
暗号資産は今、市場全体で大きく下落している局面です。
日によって値を戻すこともありますが再度下落するなどして反転上昇する兆しはまだ見えません。
そんな中、ソラナチェーンに大打撃を与えかねない問題が報じられました。大口投資家、いわゆるクジラが多額のSOLを預けてUSDT/USDCを借りていた問題です。
昨今の暗号資産相場の全体的な下落でSOLの価格も大幅に下げており、預け入れているSOLの担保価値が大幅に不足している状態です。
数日前にはSOLの価格が3600円台まで下がった時間帯もあり、3037.67円というのもそこから20%の範囲で現実的にあり得ます。
今回のニュースは借り入れの一部を他のDeFiプロトコル「MangoMarkets」に借り換えで移したことでソラナへの影響を少し薄められた、というものですが、依然として多額の借り入れが残っています。
STEPNも今の経済ベースはSOLですから、債務不履行に陥ると外部要因でSTEPNが崩壊する恐れがあります。
■暗号資産の市場規模の小ささとリスク
ソラナチェーンは数あるチェーンの中でも十分に有名で比較的大きな規模ではあると思います。
それでもクジラ一頭にやられてしまう程度の規模感でしかありません。
231億円がSolendのTVLの25%ということは総TVL1000億円弱の規模、小さくはないですが、それでも暗号資産市場に数百億円規模で投資されることはままあるため、メジャーなソラナチェーンでも少数のクジラにTVLシェアを大きく取られるようなことが起きてしまいます。
■STEPNのようなdAppsへの影響
STEPNのようなdAppsの多くは、まずは特定のチェーン上でサービスを作り、独自のトークンを発行してdApps内経済圏を作ります。STEPNの場合は無限に発行できるゲームポイント的なGSTと、発行上限をあらかじめ定めたGMTです。
現在STEPNはソラナ版とバイナンス版と2つのバージョンがあり、GSTはソラナ版用のsGSTとバイナンス版用のbGSTと別々に相場を形成しています。
これは仮にソラナというチェーン・市場に今回のような崩壊リスクが発生したとしても別のチェーン版でSTEPNというサービスは継続できるように、ということを目的としているのだろうと思いますが、実際にソラナがチェーンごと崩壊したらSTEPNがバイナンスで継続できるかは微妙かもしれません。
ゲームソフトの場合、任天堂機・プレステ・XBOXに移植されていれば、仮にひとつのプラットフォームが(かつてのセガ機のように)撤退していまってもゲームタイトル自体は存続できる、という成熟度合いには暗号資産・ブロックチェーン業界は到達していないと思われます。
■ソラナラボ、Web3スマホを発表
このクジラのリスクはあるものの、もっと経済規模を大きくしてしまえば影響は薄まります。
そのための一手としてソラナラボはソラナモバイルを設立し、「Saga」という初のWeb3特化型スマートフォンをリリースする予定を発表しました。
現在のiPhone、Androidという二強のスマホはWeb2的な仕組みとしてAppStore、Google Play Storeというアプリマーケットプレイスを通じてしか基本的にアプリをリリースすることができません。
また原則としてアプリ内課金もApple/Googleの手数料=Apple税・Google税を納めなければ利用できません。
そのため、暗号資産市場で金銭をやり取りすることが前提のWeb3なdAppsと非常に相性が悪いのが実情です。
STEPNがアプリ内にNFTシューズやGEMなどのストア機能を内蔵してApple税・Google税を払わない仕組みなのにBANされていないのかが不思議ですが、基本的にはApple税・Google税を迂回しようとするとアプリがリリースできません。
そこでソラナは自らWeb3に最適化したスマホをリリースすることとしました。
と、手数料がかからないアプリストアというのもWeb3らしい部分です。ソラナ全体の経済圏が大きくなればSOLの価値が向上し、クジラなどのリスクも薄められます。そちら側のメリットを採ったということかもしれません。
ソラナフォンが普及することでこれまでApple/Googleが出させてくれなかった種類のdAppsが登場したり、STEPNがソラナフォンに移植されることでApple/Googleの制約から解き放たれて「S国」側でもっと面白い展開が起きるといいなと願っています。