『自動運転時代、信号機に「白」追加を 米研究チーム、「4つ目の色」を提言「前のクルマ・歩行者への追随」を意味』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.3.21
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■自動運転時代、信号機に「白」追加を 米研究チーム、「4つ目の色」を提言「前のクルマ・歩行者への追随」を意味
もし信号機に「4つ目の色」が追加されれば、およそ100年ぶりの大きな変更になるそう。
「白」の追加は自動運転車が混在するようになった際の対策として検討されているとのことです。
交通信号機の豆知識「赤・緑・黄・白・青」5色が世界共通規定
現在交通信号機で使用されるのは「赤・黄・緑」の3色ですが、信号機の世界共通ルールを定めるCIE(国際照明委員会)が定義している信号機に使用可能な色としては「白」と「青」を加えた5色としています。
「青信号」「グリーンシグナル」は呼び方だけの違いの場合もあれば、はっきりと青色なものも国際ルール的には問題ないようです。
そして今回追加が検討されている「白」は仮の色とされてはいますが、もともとCIEが定めている使用可能色のひとつです。
「白」は自動運転車の増加を想定した追加
現在検討されている「白」信号は、自動運転車のために使われることが想定されています。
道路を走っているクルマの多くが自動運転車になった際に「白」が点灯します。ただし、この「白」は自動運転車ではない従来型のクルマのドライバーが見る、人間用の信号とのことです。
そして「白」が点灯していれば、自分は信号機ではなく先行車に従って運転する、というルールが想定されています。電車のように前のクルマにくっついて走るイメージです。
自動運転車だけが読み取れる信号があってもよいように思いますが、自動運転車にとっては信号は電波でもよいわけで、視認できる信号機はやはり人間用ということになります。
信号機が自立分散型で動作するように
現在の信号機は中央集権的に制御されています。そして何秒ごとに信号が変わるなどでルール化されています。
そのため、ガラガラの道路でも赤信号で停まることも多く、ストップ&ゴーの繰り返しで燃料と時間を無駄にしています。
そこで「白」の導入と同時に現場ごとの判断で信号が制御される分散型の制御も導入が検討されているとのことです。
信号機と自動運転車がP2Pで通信して現場判断で「白」を点灯させることが想定されています。信号機の色をカメラで判断するのが現在の仕様ですが、信号機と直接データ通信できるようになれば、よりスムーズで安全に交差点を通過できるようになります。
信号機の周辺で歩行者や自転車、障害物がないかなどをセンシングして、その結果を信号機を通じてクルマに渡すことができるようになるのは事故防止にとても役立つはずです。
4つ目の新しい信号を判断できるか?
自動運転車が「白」信号に従って前のクルマとコンボイ走行をするのに混じって、人間が運転する車が上手についていけるのかは少し心配です。
うちの近所の交差点で、右折信号が短く最大4台しか通過できない場所があります。この4台通過も、まさしく電車のように前のクルマに完全にシンクロして同時発信しないと難しく、慣れていない人が1台でも混じると3台か2台しか通過できません。
また、現在のアダプティブクルーズコントロール(ACC)は高速道路で使用することが前提のものが多いのが現状です。高速道路には信号も交差点もほぼなく、つまり今のACCは自動車メーカー的には下道で使えない性能と見なしています。
加えて、現在のACC搭載車が「白」信号にソフトウェアアップデートで対応できるようになるとはちょっと考えられません。テスラならともかく、その他のメーカーは発売時までにテストしたことまでしか動作保証したくないはずです。
人間も戸惑うでしょう。4つ目の「白」信号について周知するのも大変でしょうし、慣れるのも大変です。4個のライトが付いた信号機を見た時に、瞬時に判断することができない人も多いはず。「白」信号について教習所で習っていない世代が当初は大多数なわけですし。
白信号が点灯している時に起きた交通事故の責任や過失割合なども決めなければならないですし、登場して直後はクルマも人間も不慣れで多少混乱も起きるはずです。
それでも自動運転車が増えてくる時代に合わせて必要なルール変更なのだろうと思いますので、「白」信号が登場する日に向けて頭を柔らかくしておきましょう。