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『エレベーターで自在にフロア移動できるugoの〝賢い〟点検ロボに見る汎用人型ロボットのいま』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.11.21


■ugoの〝賢い〟点検ロボ エレベーターで自在にフロア移動

ロボットを活用して業務を効率化する動きが広まる中、エレベーターでの移動ができる〝賢い〟点検ロボットが注目を集めている。開発したのはugo(ユーゴー、東京都千代田区)で、人間の腕のようなアームで自らエレベーターのボタンを押してフロアを移動する。

ビルのフロアを異動巡回して、メーターなどのデータ記録や点検を行うロボットが「エレベータのボタンを押せるようになったので、1台で複数の階をカバーできるようになった」というニュースです。

NTTデータに導入されている点検ロボット「ugo」

NTTデータは、DCへの試験導入で設備管理担当者の毎日の点検時間を半減できたことから、全国15のDCに順次導入することを決めた。

技術的にはスゴイはず。なのに、なんだかモヤっとします・・・
どこにモヤっと感じるのかを考えてみました。


人型ロボットである必要はあるのか?→今はある

画像認識して階のボタンを正確に押す「高度な技術」

アームにエレベーター移動を可能にした「UEOSU(ウエオス)」機能が備わる。同機能は、ボタンを識別する画像認識技術と技術陣が改良を重ねて実現した独自のアーム制御技術で構成される。

「UEOSU(ウエオス)」=上押すとダジャレで名付けられた、画像認識でエレベータのボタンを認識し、空間認識でボタンとの距離を認識し、ロボットアームで正確に目的の階のボタンを押すことで、エレベータを使って複数階を1台のロボットでカバーできるようになったのが、ニュース記事のタイトルにもなっているスゴイポイントです。

移動も衛星利用測位システム(GPS)の位置情報を頼らない。建物内では精度が落ちるためで、「SLAM(スラム)」と呼ばれるカメラやセンサーを用いて自分がいる場所の推定と周辺の空間把握を同時に行う技術を活用する。この技術を組み込み、煩雑なレイアウトの場所でもロボット自身が自分の位置を認識して移動できる。

エレベータで移動するだけでなく、ビル全体のマップを把握して点検ポイントに自律的に移動できること自体がスゴイことです。

「UEOSU(ウエオス)」と名前を付けるほどスゴイことなんでしょうが、ダジャレであることも相まって、必殺技に自分で名前を付けるような気恥ずかしさを感じます(笑)

1台で複数階をカバーできるのは有り難いことですし、ロボット技術としてはスゴイことなんでしょうけれど、子どもでもできることに必殺技名をつけなければならないことがモヤっとします。まだここか、と。

「エレベータと通信して階ボタンを押すのと同じ指示ができないのか?」と真っ先に思いました。

・・・既存のエレベータは通信装置もなければ、メーカーごとに規格が不統一ですし、これから業界標準の通信規格を作っても建物の寿命を考えると普及しきるのは50年後。

・・・だとしたら、古いビルが残っている今のうちは汎用人型ロボットに物理的に階ボタンを押させる方が合理的か。

・・・通信で制御できるようにするとハッキングが怖い。遠隔操作でエレベータに閉じ込めるられたらタマラナイ。でも災害時は遠隔操作で異常がないか点検してリモート操作で安全な階に移動させることもできて便利か。

なんてことを考えていました。
人型ロボットである必要性は、当面はあるようです。


自動運転車における汎用人型ロボット型運転手の可能性は?

自動車の自動運転化は、自動運転専用の車両を作るものとして開発が進んできました。

しかしこれだと車両まるごと取り替えなければならず、すでに世の中にあるたくさんのクルマは対応できません。

汎用人型ロボット運転手なら、既存のクルマをそのまま活かせます。

バスもタクシーもドライバー不足に悩んでいます。対策の切り札は自動運転かライドシェアか、なんて言われていますが、第3の手として汎用人型ロボット運転手という手はないのでしょうか。

運転手不足ならロボット運転手を補充すればいいじゃない。
クルマと通信して視覚や聴覚以上のデータを使えば、人間より安全に運転できるはず。

と絵空事を考えましたが、まずシンプルに「動作が遅い」というところで厳しそうです。

エレベータのボタンを押せることが自慢な段階なのが現実なのですから、汎用人型ロボット運転手より自動運転車のほうが実現性があるのですね。

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