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『AIエージェントとはなにか?これまでのAIやAIっぽいものとの違いを分かりやすく解説』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2025.1.12

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■Googleが買収したAI企業、衝撃レポートを公開:「AIエージェントの全貌」マーケティング研究所【雨と東京と株式会社】

マーケティング研究所【雨と東京と株式会社】の稲葉 雄大CEOが解説するこの動画では、Googleが買収したKaggle社から発表されたAIエージェントに関するホワイトペーパーの内容が詳しく解説されています。

このホワイトペーパーではAIの進化を5段階に分け、その中で「エージェント」が次のステップとして重要な役割を果たすと述べられています。

特にAIエージェントの特性として、自律性、リアルタイム性、学習・適応性が挙げられ、それが現在のチャットボットや自動化ツールとどう異なるのかが明確にされています。


「AIエージェント」が注目される理由

2025年は「AIエージェントの年」と言われ、これまでのAI技術とは一線を画する進化が期待されています。しかし、「AIエージェント」という言葉が広く使われる中で、従来の自動化プログラムや少し賢くなったチャットボットも「AI」と称され、混乱を招いているのも事実です。

AIエージェントは単なる音声アシスタントや自動化ツールとは何が違うのでしょうか?この記事では、AIエージェントの本質を掘り下げ、何ができればAIエージェントと呼べるのか、分かりやすく解説します。


AI発展の5段階

Kaggle社のホワイトペーパーでは、AIの進化は5つの段階に分けられるとされています。

  1. レベル1: チャットボット

    • 会話形式で応答するAI(例: ChatGPTなど)。

    • 現在最も一般的な形態。

  2. レベル2: 推論者

    • 人間レベルの問題解決能力を持つAI。

    • 現在、2025年時点ではこの段階に達していると評価されています。

  3. レベル3: エージェント

    • 自律的にタスクを実行できるAI。

    • 外部のツールを活用し、複数日にわたるタスクも遂行。

    • 2025年中にはこの段階に確実に到達すると予想。

  4. レベル4: イノベーター

    • 新しいアイデアを生成し、発明を支援するAI。

    • 研究開発やクリエイティブ分野での応用が期待。

  5. レベル5: 組織

    • 組織全体の業務を管理・効率化するAI。

    • 企業運営をAIが支援。

今多くの人が使っているのはレベル1のChatGPTやClaude、GeminiのようなチャットボットAIか、レベル2と定義されているChatGPT o1のような推論力を備えたAIです。

そして、現在注目されているのが、レベル3に位置付けられている「エージェント」です。


従来型のプログラムとAIエージェントの違い

~AIエージェントは「自律性」「適応性」「リアルタイム性」を備えている~

従来型の自動化プログラムは、事前に設定されたルールやアルゴリズムに基づいて動作します。たとえば、エクセルのマクロ機能やシンプルな自動返信プログラムは、同じ条件下で常に同じ結果を返します。一方で、AIエージェントは「自律的に目標達成のための行動を計画・実行する」能力を持つ点で、従来の自動化プログラムと大きく異なります。

さらに、AIエージェントはリアルタイムで環境を観察し、必要に応じて行動を修正します。例えば、天気や交通情報を取得し、最適な旅行プランを提案するなど、外部ツールやAPIを利用して知識を広げる能力を持っています。この適応力が、静的な従来型プログラムとの決定的な違いです。


現在のSiriやAlexaはAIエージェントではない?

~指示待ち型と自律型の違い~

一般的な音声アシスタントであるSiriやAlexaは、ユーザーの指示に基づいて動作します。「明日の天気は?」「アラームをセットして」といった具体的なリクエストに応答する機能は便利ですが、これは「指示待ち型」のAIに過ぎません。AIエージェントになるには、指示がなくてもユーザーの目標達成のために自発的に動けることが求められます

たとえば、AIエージェントであれば「週末の旅行を計画して」と一言伝えるだけで、フライトやホテルの予約、移動手段の選定までを自律的に行います。さらに、天気や混雑情報をリアルタイムで考慮し、最適なプランを提案することが可能です。このような高度な自律性が、AIエージェントの真骨頂といえるでしょう。


AIエージェントを見分ける3つのポイント

~自律性、リアルタイム性、学習・適応性がカギ~

AIエージェントと呼べるかどうかを判断するための3つのポイントをご紹介します。

  1. 自律性
    AIエージェントは、明確な指示がなくてもユーザーの意図を理解し、目標達成のために自発的に動きます。例として、「冷蔵庫にある食材を使って今夜の夕食を考えて」と指示すれば、AIは冷蔵庫の内容をスキャンし、適切なレシピを提案。必要なら足りない食材をネットで注文することも可能です。

  2. リアルタイム性
    外部データやツールと連携し、最新の情報を活用する能力も重要です。旅行プランを提案する際、現地の天気や交通状況、混雑具合を考慮するAIは、リアルタイム性の優れた例です。

  3. 学習・適応性
    過去の行動履歴を学び、ユーザーの好みやパターンを反映することで、より適切な提案が可能になります。例えば、「最近行ったレストランの傾向から、この新しいお店がおすすめ」といった提案が自然にできるAIは、学習能力が高いといえるでしょう。


AIエージェント3要素の例

AIエージェントの3要素「自律性、リアルタイム性、学習・適応性」を備えているかどうかの例を、現状のSiriやAlexaとの違いとしてご紹介します。

1. 自律性

AIエージェントは、人間の指示を待たなくても自発的に目標を達成しようとします。

  • 現状のSiriやAlexa: 人間が「何をするか」を明示的に指示しないと動作しません。

  • AIエージェントなら: 例えば、「家族旅行を計画して」と頼むと、AIが自律的に次のようなタスクを遂行します:

    1. フライト、ホテル、レンタカーを検索。

    2. 天候や予算を考慮して最適なプランを作成。

    3. 必要ならスケジュールを調整し、予約まで完了。

2. リアルタイムに外部データを活用できるか?

AIエージェントは外部ツールやAPIと連携して、リアルタイム情報を取得・利用します。

  • 現状のSiriやAlexa: 訓練データに基づいて返答をするか、あらかじめ組み込まれたデータにアクセスするのみ。

  • AIエージェントなら: 例えば、「今日の午後に最も早く行けるレストランを教えて」と頼むと、

    • リアルタイムの交通情報と混雑状況を分析。

    • 適切なレストランを予約まで行う。

3. 学習・適応ができるか?

AIエージェントは、過去の経験や行動履歴から学び、次回以降のタスクに活用します。

  • 現状のSiriやAlexa: 過去のやり取りを保存していることはあっても、それを元に次回の行動を進化させることは難しい。

  • AIエージェントなら: 例えば、「日常のスケジュールを最適化して」と頼むと、

    • あなたの過去のスケジュールを学習し、よく訪れる場所やパターンに基づいて提案を改良。

    • 提案の精度が使うほどに向上。


■AIエンジニア安野氏が語る「AIエージェント像」と「デジタルヒューマン」

自律的で協調的な「未来のAIエージェント」

もう1つのYouTube動画、ビジネス+ITチャンネル「【AIエンジニア安野氏】AIエージェントとは何か? / 「自律的に行動する」AIの可能性 / 注目のAIプロダクト」では、AIエンジニア安野氏がAIエージェントの将来像を具体的に語っています。

安野氏によれば、AIエージェントは単独でタスクを遂行するだけでなく、複数のAIエージェントが連携してタスクを達成する時代が到来するといいます。例えば、以下のような場面が考えられます:

  • 家庭内のAIエージェントが、掃除ロボットやセキュリティシステムと連携して家全体を管理。

  • 企業内で、複数のAIエージェントがプロジェクト管理やリソース配分を協力して行い、効率を最大化。

また、AIエージェントは、状況を先回りして提案する能力も備える必要があります。たとえば、「そろそろ明日の予定を確認した方が良いのでは?」とユーザーにタイミングよく通知するようなケースです。


デジタルヒューマンとの融合

この動画では、AIエージェントと「デジタルヒューマン」という概念の違いも示されています。デジタルヒューマンは、人格を持ち、見た目や行動が人間らしいAIアバターを指します。感情的なコミュニケーションや、特定の人物の振る舞いを模倣するユースケースで活躍が期待されています。

一方、安野氏は「無色透明なAIエージェント」が適切な場面もあると述べています。例えば、単純なタスク遂行に特化したAIでは、あえて人格を持たせず、機能に徹する方が効率的だとしています。


■AIエージェントが普及したら

~チャットボットが「頼れるパートナー」になる~

2025年以降、AIエージェントが私たちの生活に大きな変化をもたらすことが期待されています。現在のSiriやAlexaが、旅行の予約や買い物の提案を超えて「自律的に目標を達成する存在」へと進化すれば、AIエージェントの時代が本格的に到来します。

また、AIエージェントはビジネスの現場でも力を発揮します。マーケティングでは、リアルタイムのデータをもとに最適な戦略を提案し、実行することが可能になるでしょう。こうした進化が進むことで、私たちの暮らしや働き方が一層効率化される未来が見えてきます。


結論: AIエージェントとは「自律して動き、学び続けるAI」

AIエージェントは、単なる音声アシスタントや自動化ツールとは異なり、自律性、リアルタイム性、学習・適応性を兼ね備えた次世代のAIです。SiriやAlexaがこの基準を満たすようになれば、まさに「頼れるパートナー」として活躍する日が訪れるでしょう。

AIエージェントがもたらす新しい時代に備え、その違いや本質を知っておくことが、未来の技術を理解する第一歩です。

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