『博報堂DYmapのNFTマーケットプレイス「animap」がIPさんのニーズをうまく拾えている件』~【新しいWeb3ビジネスのアイディアのタネ】・Web3ニュース2022.6.20
今日は『博報堂DYmapのNFTマーケットプレイス「animap」がIPさんのニーズをうまく拾えている件』に注目!
おつかれさまです。モリプトタツヤです。
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■博報堂DYmapがNFTマーケット「animap」公開、タツノコプロ作品など販売
博報堂DYミュージック&ピクチャーズが、NFTマーケットプレイス「animap(アニマップ)」を6月17日ローンチしました。
先行して3月7日に博報堂DYメディアパートナーズ名で発表されていたNFT参入計画のうち、今回は博報堂DYミュージック&ピクチャーズが運営するアニメIPをメインとしたNFTマーケットプレイスのローンチ発表です。
■IPのNFT参入でよくある課題
アニメIPのNFT参入の意気込みはかなりホットな印象があります。
NFT参入の動機はIPさんそれぞれで、
・NFTの新しさに惹かれた。
・新たな収益源となりそう。
・ファンとの関係性を強めたい。
あたりを耳にすることが多いです。
いざ具体的にNFTをカタチにしてみましょう、となった時に方針決めでよく出てくる課題・壁はだいたい類型化されています。
・購買対象の人数
いまNFTを積極的に買っている層とIPファンのターゲットがどれくらい重なるのか。
・日本円かイーサ建てか?
イーサ建ての方が正しい気がするが日本円の方が多くの人に届けられる。
・パブリックチェーンかプライベートチェーン系か?
要はOpenSeaかそれ以外か。
・NFTのユーティリティ(使い道)
単なるデジタルノベルティの域を超えたい願望、NFTである必然性の希求。
・コミュニティを作るかどうか
「ファンとの関係構築のためのNFT」にはコミュニティがあったほうがいいが、公式としてコミュニティを作ったことがない。
よく話題に挙がるのはこのあたりです。
■IPの課題のだいたいの着地点
NFTやブロックチェーン、Web3の思想性の深いところから企画するのは実情としてあまりないのが現状です。それが良い悪いではなく、社内で予算承認を取りプロジェクト化するのに必要な要素は思想性より具体性だからです。
NFTプロジェクトの目的によりますが、だいたいは
・日本人のIPファンをターゲットとする。
・日本円決済できることが望ましい。
・従ってOpenSeaは選択できないが、あとからOpenSeaで二次流通できるイーサリアムNFTがいい。ちょっと詳しい担当者だとPolygonでガス代を抑えたいという意見が出る。
・NFTのユーティリティは何か持たせたい。リアルイベントの特別招待券(見せればいい)、フィジカルグッズとのセット販売、オリジナル動画へのクレジット掲載など。
・コミュニティはあった方がいいが公式運営はやっぱり難しい。クレーム対応、ユーザーの発言に対する運営としての責任、コミュニティの永続性など課題。そこで期間を区切って「プロジェクトのためのコミュニティ」とする案。
こんな落としどころが多くなります。
■animapはIPの現実のニーズをうまく捉えている
この帰結から今回の「animap」を見ると
・日本向けのNFTマーケットプレイス、日本語表記、運営が日本法人など。
・日本円決済ができる。
・二次流通にOpenSeaが使える仕様。
・「見せればいい」NFTのユーティリティなら機能連携が不要。「フィジカルとセット」の場合もウォレット接続だけでなく必ずメアドを取得する仕様なので、所有者と後から連絡を取るなどして対応可能。
・コミュニティはanimapの範疇外。IPさん独自で検討。
と、現実にIPさんが社内検討で必要な要素を網羅していることがわかります。
他の国内系NFTマーケットプレイス、特にプライベートチェーン系は微妙に要件を満たしていないところが多いため、いいポジションが取れる予感がします。
■animapへのリクエスト
願わくばのリクエストとして、animapを通じて所有しているNFTを一覧でき、人に見せられる固定URLなマイページが発行できるといいなと思います。
ウォレット接続にも対応していますし、フルオンチェーンNFTでなければNFTのアート画像などはURLとして記録されているのみなので「見た目の一覧」は作れるはず。
NFTのユーティリティは「人に見せる」じゃないかと思うんです。
趣味やコミュニティへの参加度合いなどがパッと見でわかりますし、TwitterやInstagramのプロフィール欄に「animap My NFT」(勝手に仮称)のURLを貼っておくとNFTを人に見せられて、そこからSNS内でのコミュニティの輪がつながり始める。
もちろんSNSがanimapへの入り口導線になる効果もあります。
持っているNFTを一覧にして人に見せられるサービスがあれば、範疇外としたNFT軸のコミュニティも機能的に支援できます。
これが揃ったらIPのNFTに対するニーズを相当充足できるはず。いかがでしょう?