
『共感資本主義と界隈消費、そして2025年のAIとマーケティング』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.12.31
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■界隈消費とは?Z世代が牽引する消費トレンドを徹底解説
現代社会は急速に変化しています。その象徴とも言えるのが「界隈消費」のトレンドです。特定の趣味や価値観を共有するコミュニティ内での消費行動が広がり、従来のマーケティング手法では捉えきれない新しい消費文化が生まれています。
例えば、界隈消費の一例として、先日行われた文学フリマでは、自作の文筆作品を販売する出店者が4000人、それを買いに来る文学ファンは1万人という比率にまで近接していると、先週末にTBSラジオで放送された「文化系トークラジオLife 文化系大忘年会2024~今年の3大重要トピックは?」の中で触れられています。
また、先日ご紹介した「CheerSPOT」という新しい広告手法の事例では、売り手も買い手も同じコミュニティに属し、互いに価値を共有し合うことで消費行動が成立しています。
この界隈消費という現象は単なる消費行動の一形態ではなく、社会全体におけるフラット化や共感資本主義の台頭と深く結びついています。
2024年の最大のトレンドは界隈消費だと捉えると、今年起きた消費トレンド、多くの人にとって意外に感じられた選挙結果、AIブームなどが説明できます。
界隈消費と従来のマーケティング手法との違い、界隈消費が生まれた背景、そしてこの流れを支えるAIの役割について考察します。
界隈消費と従来のマーケティング手法
セグメントやクラスターとの違い

従来のマーケティングは、消費者を属性や行動パターンに基づいて「セグメント」や「クラスター」に分類し、それに基づいたターゲット施策を展開するものでした。この手法では、マーケターは外部から消費者を観察し、効率よくリーチするための施策を計画します。
一方で、界隈消費は、消費者自身がコミュニティや趣味を基盤として主体的に行動する点が大きく異なります。売り手と買い手が同じ価値観を共有し、コミュニティ内での共感や連帯感が消費行動の中心となります。このため、外部からの一方的なアプローチは効果を持ちにくく、マーケター自身が界隈に溶け込み、その価値観を共有する姿勢が求められます。

界隈消費が生まれた背景
界隈消費が生まれる背景として、まず第一にSNSとインターネットの普及が挙げられます。個人が情報発信の主体となり、趣味や価値観を共有するコミュニティが形成されやすい環境が整いました。インターネットは物理的な距離を超え、同じ価値観を持つ人々をつなげる役割を果たしています。
次に、「推し文化」の拡大が大きな要因です。特定のアーティストやキャラクターを応援することが、消費行動に新たな意味をもたらしました。このような消費は単なる経済活動にとどまらず、「応援」や「自己表現」の手段としての側面を持つようになっています。
さらに、社会全体のフラット化が界隈消費を後押ししています。トップダウン型の情報伝達が弱まり、個人や小規模なコミュニティが新たな価値を生み出す時代が到来しました。このような背景の中で、界隈消費は自然発生的に生まれた新しい消費行動の一形態と言えるでしょう。
界隈消費の意義
界隈消費の本質は、「共感を基盤とした経済活動」にあります。これは、消費が自己表現やコミュニティへの貢献としての意味を持つという点で、従来の「効率性重視」のマーケティングとは一線を画します。文学フリマの例では、作り手が同時に消費者でもあるという循環が成立しており、CheerSPOTではファンが主体的に広告を出すという新しい消費モデルが見られます。
フラット化する社会と共感資本主義
トップダウン型からフラット型への移行
フラット化の流れは、界隈消費だけでなく社会全体の構造に影響を与えています。かつては大手メディアや企業が情報やトレンドを一方的に発信し、多くの人々がそれを受け取るという構図が一般的でした。しかし、インターネットの普及により、個人が情報発信の主体となり、双方向型の情報共有が主流となりました。
現代における「本物」であることの意味
「良い」と信じて売る人だけが勝てるのが界隈消費の特徴です。つまり、売り手も界隈の住民であることを消費者が求めている状況です。
裏付けのある商品やサービスを提供し、自信を持って勧められる人が信頼を得ます。界隈の住民もまた、応援したい「本物」を求めています。これが、界隈の中で推し文化が強い理由でもあります。
売り手も界隈の住人であることが、共感と信頼が価値を生みます。界隈消費では、消費者が「この人(企業)は私たちの界隈を理解している」と感じることが購入や支持につながります。信頼のない仕掛けや、利益追求が見え透いたアプローチは、界隈の住民から簡単に距離を置かれてしまいます。
コミュニティが新たな価値を創出
だからこそ、コミュニティが非常に重要視されるようになってきたと言えます。特にオンライン上にコミュニティを構築する手段としてのSNSの台頭により、趣味や価値観を共有するコミュニティが次々と生まれています。
これらのコミュニティは、従来のセグメントやクラスターでは捉えきれない個別の価値観や熱量を持ち、それが新しいトレンドや文化を形成する源泉となっています。
企業も、マーケティングの手段としてコミュニティを作ろうとする動きが、界隈消費のトレンドとともに進んできましたが、その成否は企業自身が界隈の住人であるかどうか、界隈の消費者に見透かされないかどうかにかかっています。
AIが共感資本主義を支える
AIによる知識とスキルの民主化
AIが現代に登場したことは、界隈消費ののトレンドと無縁ではありません。上意下達のマーケティングが通用しなくなった今、AIはさらに界隈消費を加速します。
AIは、専門的なスキルや知識が必要だった領域を一般の人々にも開放する役割を果たしています。文章生成ツールや画像生成ツールは、誰でも高品質なコンテンツを作れるようにし、多くの人が自己表現の幅を広げています。
マーケティングにおけるAIの活用
AIは、マーケティングの分野でもフラット化と共感資本主義を後押ししています。特に、個々の消費者やコミュニティの嗜好を分析し、最適化された広告やサービスを提供する能力は、これまでにないレベルのパーソナライズを実現しています。
例えば、AIはSNS上の膨大なデータを解析し、特定の界隈で共感を呼ぶコンテンツを作り出すことができます。これにより、従来のターゲットマーケティングを超えた、より深いエンゲージメントが可能になります。
新しい界隈の創出と育成
さらに、AIは既存の界隈を支えるだけでなく、新しい界隈を創出する可能性を持っています。例えば、AIが特定の趣味やトレンドに基づいて人々をつなげ、新たなコミュニティを形成する手助けをすることができます。こうして、共感を軸とした価値の連鎖が生まれます。
2025年の展望
フラット化とAIの未来
2025年に向けて、フラット化した社会はさらに深化し、AIの進化がその動きを加速させるでしょう。誰もが情報発信者となり、共感を軸にした価値観が中心となる社会では、トップダウン型の権威はますます弱まり、多様な価値観が共存する時代が訪れます。
新たなマーケティングの形
AIが主導する新しいマーケティングは、個々の嗜好やニーズに応じたパーソナライズドな体験を提供し、消費者との深い共感を築くことを目指します。その一方で、企業は共感を得るための透明性や倫理性がより厳しく求められるでしょう。
社会全体への影響
このフラット化とAIの進化は、消費行動にとどまらず、文化、政治、教育、医療といったさまざまな分野に影響を与えるでしょう。AIは人々のつながりを深め、新しいコミュニティの創出を支援するだけでなく、既存のシステムを変革し、より公平で包摂的な社会を形成する力を持っています。
結論
界隈消費を象徴とする共感資本主義とフラット化した社会は、AIの力を借りて大きな進化を遂げています。この新しい時代では、単なる効率や利益追求ではなく、共感やつながりが中心的な価値となります。2025年に向けて、AIと共感資本主義がもたらす変化は、私たちの消費行動だけでなく、文化や政治、社会全般にわたる大きな影響を与えることでしょう。
2024年もお世話になりました!
・・・と、ここまでの文章を、ChatGPTさんが7割くらい書き、3割くらい手直しで書けるようになったのが、2024年に私が一番感銘を受けたトピックスです。
AIの進化スピードが相当に速いというのは、このように実感するわけですが、一方で、AIに仕事をあまり奪ってもらえなかった2024年でもありました。今のLLM系AIの凄さは実感しつつも、限界もはっきりしてきました。プロンプトでは改善できないレベルで、できないことが多々あることがよくわかりました。
来たる2025年は、LLMの限界を突破する基礎技術の進化は水面下で進みつつ、今のあまり限界が高くないAIを最大限使いやすくするためのエージェント化やUIの進化は見られるでしょう。先進技術界隈ではAIが非常に楽しかった1年でした。
noteを毎日更新し続けてまる3年を超えました。多くの読者に支えられたおかげです。今年も大変お世話になりました。皆さま、よいお年をお迎えください!