『ドコモなど/生成AIで店舗内サイネージ、AIの真骨頂はこんなもんじゃない!』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.7.4
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■ドコモなど/生成AIで店舗内サイネージ、画像・動画1時間で配信
クリエイティブをAIに置き換えたにとどまる
NTTドコモとそのパートナー企業が生成AIを活用し、店内サイネージ広告の制作時間を劇的に短縮する実験を行いました。通常1週間かかる制作時間を最短1時間に短縮したとしています。
これまで人間のクリエイターに発注して作ってもらっていたクリエイティブ業務を生成AIに置き換えることで時間短縮を実現したとしていますが、クリエイティブ制作部分をAIに置き換えただけにとどまっています。
・広告を打つ注力商品の選定
・注力商品のニーズ把握と分析
・広告の方向性の企画立案
★広告クリエイティブ制作
- 広告主から企画方針の伝達、素材受け渡し
- クリエイティブ制作(1案~数案)
- 広告主への提示、フィードバック
- クリエイティブ修正
- 広告主への再提示、採用案の決定
・媒体社側による広告クリエイティブの考査
(広告として法規制や自主規制などを鑑み、出していいかを判定)
・広告の効果測定
・改善案の立案
(冒頭に戻る)
こんな広告全体の流れのうち★印のところだけをAIに置き換えたにすぎず「画像やコピーをAIで生成できるようになったからAIで生成した」だけです。
「生成AIによるクリエイティブであっても広告効果は発揮した(人間によるクリエイティブでなくても大丈夫)」ということは上記データで言えますが、広告を出したことそのものによる効果でもあるし、人間とAIを比較した結果ではないことにも注意が必要です。
クリエイターと打ち合わせや受発注手続きをしないだけでも大幅な時間短縮ができるのはその通りですが、今回の実証実験はAIの無限の可能性を探るための最初のステップに過ぎません。
今は広告の素材を生成するだけの段階ですが、未来にはAIが広告全体を担う時代がやってきます。それは単なる効率化ではなく、広告の世界を根本から変えるものになるでしょう。
人間を徹底的にAIに置き換える効果
上記のフローはすべて人間が関与するのが従来のやり方です。しかし人間が対応することには弊害もあり、AIに置き換えることで改善できることが多くあります。
人間が関与することの弊害の例
主観的な判断:人間による広告の方針決定や考査は主観に左右されるため、必ずしも最適な結果をもたらすとは限りません。
時間とコストの増大:人間が広告の企画や考査を行うと、時間とコストがかかり、迅速な対応が難しくなります。
データの活用不足:人間は膨大なデータを効率的に分析するのが難しいため、効果測定や改善案の精度が低下する可能性があります。
これらの弊害を解消するために、広告の企画、考査、効果測定と改善の部分をAIに任せることで、次のような効果が期待できます。
企画の効率化: AIが市場データやトレンドを分析し、データに基づいた最適な広告戦略を自動で提案。これにより、企画段階の手間が大幅に減り、もっと迅速な対応が可能に。
考査の自動化と精度向上: AIが広告の品質を客観的に評価。人間の主観に頼らず、公平な判断ができるようになります。
効果測定と改善の迅速化: AIがリアルタイムで広告のパフォーマンスをチェックし、効果的な広告パターンを学習して最適化。常に最新の改善が反映されるため、広告運用のサイクルが加速します。
つまり、ほぼ人間が関与せずAIが広告全体を担うことが予想されます。
未来のデジタルサイネージ広告の姿
広告へのAIの浸透は、今の広告を置き換えるだけでなく、新しい広告の形態を生み出すことにもつながります。
リアルタイム対応: 店内のカメラやセンサーでお客さんの行動や表情をリアルタイムでチェックし、瞬時にピッタリな広告を表示。たとえば、店が混んできたら特定の商品を宣伝するなど、タイミング良く適切な広告を出すことができます。
パーソナライゼーション: お客さん一人ひとりの好みに合わせた広告を表示。常連さんが来たら、その人が好きそうな商品を自動で紹介するなど、まるでお客さん専用の広告のような体験を提供します。
高度な分析と最適化: AIが広告の効果を常にチェックし、どの広告が一番効果的かを学習。いつも最高の広告が表示されるので、売上がどんどんアップします。
インタラクティブ機能: お客さんが広告と直接やり取りできる機能。タッチパネルや音声認識で商品情報を調べたり、クーポンをゲットしたりできるので、ショッピングがもっと楽しくなります。
統合プラットフォーム: AIが他のデジタルシステムと連携して、お店全体の運営を最適化。在庫が少ない商品は広告から外し、在庫が豊富な商品を宣伝するなど、効率的な在庫管理が可能になります。
クリエイティブの期間とコストを抑えられたという程度に留まらないAIの広告への活用の真骨頂は、完全な無人化と自動化、超高速化、そしてデータに基づく効果の最大化です。
結論
今回の実証実験は、生成AIをシンプルにクリエイティブ部分に活用することで広告制作時間を大幅に短縮しました。
しかし、これはAIの広告への活用の可能性を引き出すための最初のステップに過ぎません。将来的には、AIが広告の企画から運用、改善までを一貫して担当することで、より効果的で効率的な広告運用が実現されるでしょう。
これはただの未来予想図ではなく、すでに現実のものとなりつつある革命です。広告の世界は、AIによって劇的に変わろうとしています。