『「Web3×金融ビジネス」は日本で成立する?改めてWeb3の魅力と本質を考える』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.6.20
■「Web3×金融ビジネス」は日本で成立する?教訓にすべき統制国家中国の金融サービスの事情
DeFiや独自トークンなど金融面と相性がいい「価値のインターネット」とも呼ばれるWeb3についての、特にFinTech目線で現状を整理した記事かと思いきや、金融にとどまらないWeb3の過去・現在・未来をかなり現実的な視点から整理された非常に読み応えのある記事でした。
1度通し読みするだけで30分かかる長文ですし、Web3に関する事前知識が必要な内容ではあるものの、改めてWeb3とは何なのか?を考え直すのによいきっかけを与えてくれます。
Web3の基本要素を改めて整理
ああ、そうだったなぁ。
と不思議な感慨を抱きながら上記の箇条書きを読みました。
けれど筆者もこの後に指摘しているように
短期的に儲かる部分だけを上手に取り出し、Web3であることの夢と大儀でラッピングした詐欺まがいのサービス、またはWeb3であること自体が目的化してしまった原理主義的なサービスが横行しました。
実際にそれらサービスには巨額な投資が集まったこともあり、少人数の界隈に対して過分なお金が動き、結果的に「頭を冷やせ」と冬の冷気を浴びせられたのが今です。
何の課題を解決するのか?
きちんと市場が自浄作用を働かせているとも言えますが、結局「何の課題を解決するのか?」に立ち戻ることになります。
中央集権は悪で分散化が正義、なのではなく、特定の強権的意思決定に振り回されることがなくなる安心感を確立するために分散化が必要なわけです。昨今のTwitterに非常にわかりやすい中央集権化の居心地の悪さを感じます。
上記はコア部分の処理ロジックとしては「Web3かくあるべき」なのだろうと思いますが、いずれも「何の課題を解決するのか?」と合致していればこそだろうと思います。無為にスマコン化して「これぞWeb3」と称することは、新しさはあるかもしれませんが、実需がありません。
当人が望むかどうかで仕様が決まる
この記事では日本・中国など国家レベルの話、国際金融の話、地方自治体の話など大きな主語・大きな課題とWeb3の組み合わせの可能性や進め方について整理されています。
市民目線だと上記は「そうだよね」と思うのですが、当事者たちは実のところお金の出入りを検証可能な形で透明性を増したくないんだろうと思います。
中国×Web3も、非中央集権化を望んでいないからこそ超管理的な仕様を採用しています。
民間の株式会社も非中央集権化して仕様をユーザーのガバナンスで決定することは困難です。ユーザーが望むように利潤をユーザーと分かち合う仕様を採用すれば株主から訴訟を起こされます。
けれど、そんな「中央」が残った形式の中でも、冒頭のWeb3に抱いていた可能性や夢にはやはり魅力を感じるもので、私自身は部分的にでもWeb3的発想や技術を課題解決に使いたいと考えるのです。
今回の記事のメインは「金融」ですが、業界的にはいろんな事件事故があってCrypto Winterを経験した今、改めてWeb3はどうあるべきかを考え直す良いきっかけになる良記事でした。これだけのボリュームを全文読めたことにも感謝です。
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