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『AIが論文や書籍を要約してポッドキャスト風の会話音声に自動変換してくれる「Google Illuminate」が公開中』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.9.12

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■AIが論文や書籍を要約してポッドキャスト風の会話音声に自動変換してくれる「Google Illuminate」が公開中

Googleが、論文や書籍をAIが要約し、その内容を元に会話形式の音声コンテンツを生成する「Google Illuminate」において生成される音声のプレビューを公開しました。記事作成時点で、Google Illuminateはあくまでも実験的なデモとして公開されていますが、実際に論文を音声に変換した結果をウェブサイト上で聞くことが可能です。

Illuminate
https://illuminate.google.com/home

「Google Illuminate」はつまり、自動インタビュー番組生成器ですね。このAIの使い方はとてもよいと感じます。

論文や書籍をAIが自動で要約し、それを会話形式の音声コンテンツにしてくれるわけですが、この手法はテレビ番組のニュース解説やインタビューでフォーマット化されてきたもので、難しい内容をインタビュワーが上手に聞き出し解説をつけることで、わかりやすく、時に興味深く伝えることができるのが特徴です。

忙しい著者とインタビュワーの負担を軽減

現実世界では、新刊本の発売や映画の公開、ノーベル賞の受賞に合わせて、著者や監督、受賞者へのインタビューが頻繁に行われます。しかし、インタビューを受ける側は忙しく、また、インタビュワーにも高い専門知識とスキルが求められます。その結果、インタビューの質にばらつきが生じることもあります。

Google Illuminateは、この問題を解決する手段にもなり得ます。AIがインタビューの内容を自動生成することで、インタビューされる側の負担を軽減しつつ、質の高いコンテンツを提供できるのです。これにより、視聴者や読者は一貫性のある情報を手軽に楽しむことができ、インタビューする側、される側、そして受け取る側のまさに「三方由し」なAIの使い方ができます。

歴史的な人物との仮想対話

さらに応用編として、過去の偉人に仮想インタビューを行い、その人物の思想や視点を現代に蘇らせるような使い方もできそうです。なにしろインタビュー相手が実在しなくてもインタビューコンテンツが作れるAiソリューションですからね。

たとえば、ナポレオンや徳川家康が当時どのように考えていたのかをAIが再現することで、歴史を新たな視点で学ぶことができます。教育の現場やエンターテインメントにおいて、新しい学びと体験を提供できるでしょう。

多言語の声にも

Google Illuminateのもう一つの大きな可能性は、多言語での自動コンテンツ生成です。AIは、書籍や論文を多言語に翻訳し、音声コンテンツとして配信することができます。これにより、国境や言語の壁を越えて情報が広がり、誰もがアクセスしやすいグローバルな知識共有が実現します。

インタビュー形式のポッドキャストは、翻訳された文章が添付されるよりは「声」で聴きたいもの。Google Illuminateが多言語の音声でポッドキャストを生成すれば、「声」のまま、さまざまな言語でインタビューを楽しむことができます。

AIインタビューの課題

とても可能性を感じるGoogle Illuminateですが、課題もあるなと感じますし、元記事の末尾にもいくつかの課題が指摘されています。

ソーシャルニュースサイトのHackerNewsでは、「学術論文へのアクセス性が高まり、興味深いと思われる論文をチェックしたい人にも役立ちます」「なんと素晴らしいアイデアでしょう。ダウンロードしても読む機会がない論文を学ぶにはぴったりの方法です」という肯定的な意見もあれば、

・「数分以上は聞いていられませんでした。いつもと同じで、大規模言語モデルによる冗長な生成結果らしいつまらない内容です
・「生成AIのいい加減さによってすぐダメになって、3年以内にGoogleがサービス終了するのではないでしょうか
・「リアルな人間の会話にすることで、大規模言語モデルが幻覚を起こしている可能性や、論文の間違った部分を重要なものとして強調してしまっている可能性がわかりにくくなるのは問題だと思います
という否定的な意見も見られました。

箇条書き化、改行、強調を加えています。

確かに、AIが書く文章のAIっぽさが気持ち悪いというのはよくわかります。それがインタビューというかたちになると、「この人はこんなしゃべり方や言葉遣いはしない」ということが強い違和感になるでしょう。

上記以外にも、AIが生成する内容の正確性にはまだ不安があります。特に専門的な論文や複雑な書籍の場合、AIが正確に要約できるかどうかは重要です。

また、会話形式でのコンテンツが単純化されすぎてしまうと、内容が正確に伝わらないリスクもあります。これはAIに限らずインタビュー全般の課題で、難しいことを簡単に言い換えることは本質的にリスクがあります。

さらに、AIが生成するコンテンツにはバイアスが含まれる可能性があります。トレーニングデータに基づくため、特定の視点や価値観が過剰に反映されることもあります。

そして、著作権に関する問題も解決すべき重要な課題です。第三者が無許諾で勝手にインタビューコンテンツを量産することも技術的には可能になってしまいます。さらに、内容を改変して著者の主張と違うフェイクインタビューを捏造する悪意のある使い方にも注意が必要です。

Google Illuminateは名インタビュワーになれるか

これらの課題はありつつ、Google Illuminateがこれらの課題を克服できれば、インタビューコンテンツのあり方を根本的に変える可能性があります。

歴史的な人物との仮想対話や、グローバルな知識共有の促進などの応用さまざまに考えられますし、インタビューコンテンツにしたい話題には今後も事欠きません。Google Illuminateが名インタビュワーとなれるか楽しみです。

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