『MS OfficeにChatGPTを内蔵「Copilot 365」、Googleも対抗発表』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.3.18
■MicrosoftがジェネレーティブAIを搭載「Copilot 365」を発表 ーーこれまでの仕事の概念が変わる
地上波向け情報番組ですら取り上げられるほど大流行中のChatGPTですが、まだまだ触ったことがない人も大勢います。
本家Open AIのWebサイトから始まりBingブラウザの検索機能にも内蔵されましたが、その段階で触れた人はイノベーター層なのだろうと思います。普段使っているブラウザを変更する人は多くありません。
LINEチャットに組み込んだもの、電話をかけるとChatGPTが応答してくれる電話GPTなど、触れやすそうな出口インターフェースにChatGPTを組み込む試みも多数あります。
しかしそんなサービスがあること自体を認知させるマーケティングが必要で、みんなが普段使いするUIにChatGPTを組み込んだからといって触れる人が増えるわけでもなさそうです。
そんな中、マイクロソフトが発表したのが「Copilot 365」です。
MS Office、メール、カレンダー、TeamsなどにChatGPTを組み込み
カレンダー、メール、チャット、ドキュメント、ミーティングアプリのTeams、Microsoft 365アプリと今は呼ばれるWord、Excel、PowerPointなどオフィスワーカーにはおなじみのアプリでChatGPTを内蔵したものが「Copilot 365」です。
平たく言うと、オフィス業務で「文字」を入力するすべてのシーンでChatGPTが支援します。「Copilot」の名前の通り副操縦士としてかなりの業務を任せられますし、オートパイロット的に自動操縦に近い状態も作ることができるようになります。
ブラウザや検索エンジンをBingにしなくても、わざわざOpen AIのサイトに訪れなくても、PowerPointやExcelで資料作成している時に自然とChatGPTに触れるUXがこれから実現されそうです。
Google陣営も同様の動き
OpenAIに多額投資をしたマイクロソフトが「Copilot 365」として先行発表しましたが、Googleも同様にOffice Suit系サービスにAIを組み込むことが予想されますしGoogle自体もそのように発表しています。
Chromeブラウザ、Gmail、Googleカレンダー、Google Meetあたりはオフィス業務に留まらず広くコンシューマにも使われていますのでより幅広い影響を及ぼしそうです。
GmailにAIが組み込まれる時が本格普及期か
特にGmailにAIが組み込まれた時の影響は大きそうです。
iPhoneにデフォルトで入っているメールソフトがシェアNo.1ではあるものの、GmailはPC/スマホを含めた全体で28%のシェアを持ちNo.2です。
GmailがNo.1でないことは意外かもしれません。
Androidはスマホの72%を占め、多くの端末でGmailがデフォルトですが、メーカーによって別のメールアプリに交換しているケースもあるため少しシェアを下げているようです。
Office SuitにAIが組み込まれることの影響はPCユーザーには及びますが、やはり大多数のコンシューマのメイン端末はスマホです。
そしてPCとスマホで共通して使われるメールはテキスト塊でAIの恩恵を受けやすいものです。
LINEやTwitter DMなどに置き換わって「メールを打つ」ことは激減していると思いますが「届いたメールを眺める」ことは今でも多く、また大して読みもしないのに大量に届くメールが面倒だと感じている人も多いと思います。
そんな時、AIに1日分のメールを要約させたり重要そうなものを抽出させてタイパを上げるような使い方もできます。カレンダーやMapと連動させることもGmailは可能ですし、いわゆるメールらしい使い方以外にも発展する可能性もあると思います。
GmailにAIが組み込まれた時、つまりスマホでテキスト系AIが使われ始めた時が本格普及のキャズム越えのタイミングだろうと思います。そしてそれはもう間もなく。急速に時代が変わります。