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『アタリ創業者とアニモカ共同創業者 Web3ゲームによる所有権と金融化を議論。メタバース哲学を考える』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.8.26


■アタリ創業者とアニモカ共同創業者 Web3ゲームによる所有権と金融化を議論

シュウ氏が「ゲームの祖父」と称えるブッシュネル氏は、Web3ゲームが所有権の概念をデジタル領域に拡大する能力を称賛した。「ゲームはますます生活の全ての要素を模倣するようになる。ブロックチェーンを伴ったWeb3は、所有権を突如として仮想世界に与える」と彼は語った。

ブッシュネル氏は自動運転車の内部がモバイルゲームスタジオになる未来を予測し、一方シュウ氏はWeb3ゲームがゲームプレイを経済的に収益化する可能性を指摘した。「Web3ゲームがすでにもたらした影響は、これらのゲームで過ごす時間のエンゲージメントでお金を稼ぎ始めることができる」とシュウ氏は語った。

今日は哲学っぽい話を。

生活のすべてがゲームっぽく、ゲームの中で生活するのと表裏一体。

「メタバース」という言葉を使わずに語られていますが、Web3ゲームとしてイメージされているのは広義のメタバース概念の世界観です。

今のビデオゲームはゲームスタジオが設計・制作したルールの中でプレイヤーがそのルールに則って遊ぶように作られています。これは「創造主たる神が世界を作りたもうた」とイメージすればよいのでしょうか。

ゲーム機の性能や通信性能、ソフトウェアの設計などで限界もあるし至らない点もあるのが今のゲームの世界ですが、この限界の上限が上がり、ゲームルールも「神」だけでなく「民」も社会を構築する側として分散的に参加するようになれば、より現実世界に近づくのだろうと思います。


現実世界での「お金」とは?

現実世界では、人の困りごとを解消したり、必要なものを提供したり、感謝されるような価値創出に対して対価が支払われるのだから正当。ゲームは社会に価値貢献していないから稼げなくて当然。

この前提は正しいのでしょうか?

現実世界で感謝されることをすると対価が得られるのはなぜでしょうか?
仮想世界でプレイヤー同士助け合い感謝されることとの違いは何でしょうか?

現実世界で働いて得た「お金」が、生きていくのに必要な食べ物に交換できるのはなぜでしょうか?
仮想世界で働いて得た「お金」が、現実世界でパンを買うのに使えないのはなぜでしょうか?

そもそも現実世界で流通している「お金」とは何なのでしょうか?
仮想世界で流通する「お金」となにが違うのでしょうか?


Earn原資は「外」から来るもの?

Play to Earn、稼げるゲームはよく「ポンジスキーム」と言われます。新規プレイヤーが投じるNFTの購入資金を後続のプレイヤーに薄く分配する経済循環構造なので、新規プレイヤーが入らなくなると分配原資がなくなり崩壊すると。

ポンジスキームにならないようにするためには、プレイヤーの課金以外の報酬の原資をゲーム内に組み込む必要があると言われます。たとえば企業の広告費などです。増えて戻ってくることを期待しない広告主企業が宣伝予算をゲーム内に注入することで、ゲーム内経済が循環し続けると。

しかしプレイヤーの課金も企業の広告費も、現実世界から仮想世界に対して原資を入れるような発想です。

では現実世界では「外」からお金が入れられているでしょうか?

個人であれば、他の個人や勤めている会社という「外」からお金をもらいます。
企業であれば、他の企業や個人という「外」からお金をもらいます。
国であれば、外国という「外」からお金をもらいます。

でも地球全体で見ると、おおもとのお金は「外」から注入されたものではありません。各国が発行した法定通貨が循環しているだけです。現物資産や労働力などは法定通貨に置き換えられ流通や価値交換をしやすいかたちで流通しますので、総じてお金が巡っているだけだと言えます。

立ち戻って仮想世界では、必ず「外」からお金が来るべきなのでしょうか。


大きな原資プールと経済循環があればいい

単一ゲームであればユーザーや企業がお金を「外」=現実世界から投じます。
PSN(PlayStation Network)やSTEAMなどゲームプラットフォームであれば、複数のゲーム世界をつないでお金とヒトが循環します。
広義の「メタバース」であれば、仮想世界全体でプールされたお金が仮想世界の中に閉じて循環します。

メタバースが想定していたのは、世界規模の経済循環構造なはずです。
単一のゲームタイトルだけでは「外」からのお金への依存率が高すぎます。
単一の仮想通貨銘柄の経済圏だけでは現実世界という「外」の相対的な大きさに負けてしまいます。
仮想通貨全体が交換可能な状態でつながり全体で経済圏を持つようになれば、現実世界という「外」に頼らなくても内部循環だけで経済が成立するはずです。

少人数であれば、小さい経済圏の中でも十分暮らしていけます。それがいt理部の仮想通貨銘柄の経済圏で起きていることです。

これの大規模版がメタバースだと捉えると、仮想世界だけで稼ぎ、パンを買える世界はあり得るはず。


メタバースは来るか来ないか論争

世間的にはブームが過ぎ去ったと見なされているメタバースですが、来るべきメタバースは3D CGをゴーグルでプレイする世界だけではないはず。

より広義な、法定通貨という外貨に依存しない仮想通貨の循環する世界、法定通貨と仮想通貨がステーブルコインやCBDCで接続され、全体がつながった世界。実物資産や労働力と仮想通貨が交換可能な世界。

こんな世界線がが来るか来ないかを論じるのが真のメタバース来るか来ないか論争なのだろうと思います。

国家を上げてCBDCを導入実験したり仮想通貨を経済循環に安全に組み入れようとしているルール作りをしているのが今ですから、来るか?来ないか?というよりも、「来るべき仮想世界との接続の日に向かって国ぐるみで準備している」と捉えるのが正しいように思います。全力で拒否している国もありますが、そういう国は将来、仮想経済循環世界という「外」からお金をもらう立場になるのでしょう。

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