『ほしい…? 2023年ですが、最新ガラケーがNokiaからリリース。電話の未来の進化を予想する』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.8.9
■ほしい…? 2023年ですが、最新ガラケーがNokiaからリリースされました
今から9年ほど前、2014年4月頃にいた会社では、会社が支給してくれる携帯を選ぶ際にガラケーを指定させてもらいました。
当時は電話での連絡がまだ多く、また電話連絡の内容も緊急性が高いシステム障害のケースが多かったため、バッテリーが長く持つガラケーは有用でした。
プライベートではiPhoneとAndroidを2台持ちしていたのもあり、3台目の会社支給携帯までスマホにする必要がなかったということもあります。
その職場を離れ業務内容も変わり、音声通話のニーズはゼロになりました。今ではむしろマイナスニーズで、電話がかかってくるとすれば無用な営業電話ばかりです。
また音声で会話するにしても、パケット通信で通話無料なLINE電話がほとんどです。最近ではテレビドラマでも電話の着信音がLINE電話だったりして、いわゆる電話での通話よりも一般的になったのでしょう。
今回のNokiaの純ガラケーは今の自分には必要ないものの、「これでいい」「これが必要」という人がいるだろうことは想像できます。
しかしもうちょっとイマドキらしくしたものがあってもいいなと思います。そこで今回は「未来の音声通話に関するデバイスやサービス」を妄想してみたいと思います。
LINE電話専用機
パケット通信で事実上タダで話し放題なLINE電話に特化した音声通話デバイスは、日本では老若男女にニーズがありそうです。
中身はスマホなのに見た目は折りたたみガラケーといういわゆる「ガラスマ」でもLINEアプリが使えるものがありますが、ガラスマLINEは肝心の無料音声通話ができません。
ガラスマLINEでできること↓
ガラスマLINEでできないこと↓
声で、無料で、長電話を楽しむための専用デバイスは、恋人同士、おしゃべり好きの高齢者、遠く離れた家族、海外の友人などと「話したい」というニーズを手軽に満たせるのではないかと思います。また目が見えない人にも物理キーでコールできることは便利そうです。
スマホでいいじゃん。
その通りなのですが、アプリごとに使い方が違うスマホは複雑です。よりシンプルに「無料で話したい」に特化したデバイスはアリじゃないかと思います。
音声コールを一次受けする執事AI
前述の通り、かかってくる電話の大半は無用なな営業です。
昔はかかってきた営業電話の番号を電話番号帳に「迷惑電話」として登録して、2度目以降はかかってきたらわかるようにしていましたが、今は電話番号帳をまったく更新していませんし、やるにしても手間です。また、2度目にかかってきた時に画面に表示される「迷惑電話」の文字を見ること自体がストレスです。
かかってくる電話は営業電話だけではありません。稀に必要な電話もかかってきます。なので全く出ないわけにはいきません。
そこで、GoogleがPixelシリーズに搭載された「代わりに電話に出るAI」が役立ちます。
AI執事がまず電話に出て用件を伺います。文字起こしされた内容をざっと見て、出るべき相手なら出る、無用な営業電話なら出ない。という判断ができるようになります。
文字起こし、つまり記録されているため、防犯にも役立ちます。オレオレ詐欺の犯人はAI執事が記録を取っているなら犯行をためらうはずです。
かかってきた電話の内容を思い出す備忘録としても使えます。電話番号帳に登録していない相手からの電話は電話番号しか表示されないため、どれが誰からの電話なのかがわからなくなりがちです。AI執事が受けた冒頭の会話内容が文字起こしされていれば、確実に相手を特定できます。
もう一歩進化させて、文字起こしした内容から「出ない」と判断した場合、執事はその電話番号からの電話を「迷惑電話」に自動的に分類して、2度目以降にかかってきた場合は自動的に断る、という機能があると最高です。
そして、AI執事同士が情報交換して、「出ない」と大半の人が判断している電話番号を共有。迷惑電話や詐欺電話の可能性が高いと判断し、文字起こしに加えて「警告」を表示したうえで出るか出ないかの判断を仰ぐ、となると、無用な営業電話と詐欺電話をかなり減らせるはずです。
店の電話番をしてくれるAI
お店も電話を受ける役割をAI執事に置き換えていくでしょう。お店の予約状況をカレンダーでAI執事に共有しておき、空いているところを受け付ける・本人確認したうえでキャンセル対応するなどを自動化します。
「電話で予約したい」というお客さん側のニーズが存在することに対応するために、お店から電話がなくせないのが実情。電話がかかってくると店員が仕事の手を止めて出るしかなく、ワンオペの個人店などでは困ることもしばしばです。
レストランの電話対応を自動化する「Slang.ai」というサービスがすでに始まっています。2000万ドル(約28億円)という巨額の調達に成功しており、これから「お店に電話をかけるとAIが出る」という時代が来そうです。
電話をかけてくれるAI
上記に関連して、
お店の予約がネット対応しておらず電話のみのケース
細かい内容を伝えなければならないケース
緊急ですぐに確実に会話しなければならないケース
など、電話をこちらからかけるシーンもあります。
電話をかけるシーンでは、自分の時間が確実に奪われます。電話をかけても保留音を延々聞かされることもしばしば。
予約を取るなどの場合は、こちらからは伝えるべき内容が決まっています。ただ、相手が電話でしか受け付けてくれないだけです。であれば、AI執事に用件を伝えて、電話をかけてもらえば時間を無駄にせずに済みます。
希望していた日程が合わない場合は「ちょっと相談します」とAI執事から確認されたり、Googleカレンダーで挙げたいくつかの別候補で調整したりしてくれれば最高です。
AI執事同士の会話でデータ交換へ切り替え
電話を受ける側がAI執事になり、こちらからかける時もAI執事に依頼するようになれば、必然と「AI執事同士の電話での会話」も発生します。
音声通話ではあるものの、音声透かしやパケット情報をもとにお互いがAIだと認識した場合、時間のかかる音声でのコミュニケーションをやめ、データで情報交換をして瞬時に話を終える、という機能が開発されると予想します。
AI執事同士が声で会話している様子を傍から見るのは滑稽で面白そうですが(笑)タイパよく用件を済ますデータ交換の方向に進化するでしょう。
電話も進化の余地がある
すでに実現されているもの、もっと改善しそうなもの、新しく開発されるものなど妄想も含めて「電話」に関するものをまとめて挙げてみました。
電話による音声通話は、業務面では効率化ニーズで減りそうですが、人とのコミュニケーションでは「声が聴ける」ことに価値があり続けますし、将来はむしろ音声コミュニケーションの価値が再発見されるフェーズが来るかもしれません。
技術的にはAI執事の進化がカギになりそうですし、エンタメ的にはAI執事の見た目を好みで選べるアバター化や、キャラクター人格を持って普段から話し相手・相談相手になるような進化もあるかもしれません。
電話は古いものになりつつありますが、まだまだ進化の余地やビジネスチャンスはありそうです。