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『ブラウザ宝探しゲーム「ヨーグルッペトレジャーII」はローカルメタバースのお手本だった!』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.9.3

■ブラウザ宝探しゲーム「ヨーグルッペトレジャーII」配信開始。宝石を見つけて総額102万円の賞金と豪華景品を手に入れよう

本作は,2020年に第1弾(関連記事)が配信されたオンラインゲーム「ヨーグルッペトレジャー」の続編だ。東京ドーム約247個分という宮崎県をモチーフにしたフィールド「ミザヤキ」を歩きながら宝石を探すという“宝探しゲーム”となる。

「愛のスコール」「ヨーグルッペ」「デーリィ牛乳」などでおなじみの南日本酪農協同株式会社のキャンペーンとして始まった宝探しブラウザゲームです。

2Dでファミコン時代RPG風の広大なマップを舞台に宝探しをするゲームです。シンプルなゲーム性ながら、今のメタバースに足りないものをたくさん備えているなぁと感じます。

地元系メタバース=ローカルメタバースがこれからどんどん乱立しそうな昨今、この「ヨーグルッペトレジャーII」から学ぶべきことを洗い出してみたいと思います。


■目的設定や動機付けが明確

一言でいうと「やるべきことがある」。単純ですが、多くのメタバースに欠けていることです。

宝探しをする、ランドマークを訪れてミッションをクリアするなど、ゲームという体裁を採っていることもあってやるべきことが明確です。

賞金総額102万円「お金が欲しい」という動機付けもわかりやすく設定されています。

地元のお城をメタバースで再現しました~。いろんな地元企業がブース出してます。来てねー。

なローカルメタバースが多すぎます。

ブロックチェーンメタバースの代表、The Sandbox/Decentralandもそうです。出展社がそれぞれの企画と集客力で「やるべきこと」を提供してくれる分散型運営の構想なのでしょうが、やることがなく退屈ですし、ユーザーの目的がバラバラでまとまりがありません。


■リアル・フィジカルと接点がある

Dairy商品のバーコードに記載されている指定ナンバーを入力すると、フィールド上の特定の場面で思わずクスッと笑える変化が起こります。入力がなくともストーリーは変わりませんが、「ミザヤキ」の地がより豊かになっていく様子を体験することができます。

だとか

実際に宮崎県にある各ランドマークを模した場所で「鬼」とジャンケンバトルをし、勝つことができたら宝石をゲットすることができます。宮崎県に本拠地を構える、「シーガイア様」「生駒高原様」「ソラシドエア様」「ミヤチク様」「サンA様」にご協力をいただいています。

だとか

景品として総額102万円の現金や地元宮崎県企業の「株式会社ソラシドエア宮崎-東京(羽田)線往復航空券2名様分」、「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾートデラックスツイン1泊朝食付き1組(1室2名)」などの豪華賞品、ヨーグルッペオリジナルグッズ、ヨーグルッペ関連商品などが用意されています。

など、リアルの宮崎県やフィジカルアイテムとの接点が多数あります。

メタバースが必ずリアル・フィジカルと接点を持たなければならない、と考えているわけではありません。

メタバースに興味がない人に広く参加してもらうためにリアル・フィジカルを活用するのは、市場拡大・ユーザー拡大のためにとても効果的だろうということです。

電脳世界は今のところまだ一部のギークのものです。
メタバースがマスアダプションするにはギーク以外が興味を持つことで接点を作り出すことが重要です。


■ストーリーとゴールがある

宝石を10個集めるたびに、「謎のドラゴン」が父と母の恋愛エピソードを話しにやってきます。2人の過去に詳しい「謎のドラゴン」は何者なのか、100個集めた時に、真相が解き明かされます。

このゲーム、マップが広大すぎる&ジャンケン相手が強すぎる&宝石が見つからなさすぎるという超高難度なバランスになっています(笑)

しかし「謎のドラゴン」が地味にいい活躍をしています。
少しずつ宝石が見つかるたびに、無駄におもしろいストーリーが展開されて続きがうっすらと楽しみになります。(褒めてます。)

賞金や賞品を目当てにして始めた人も、妙に引き込まれてストーリーを知るために穴を掘り始めるでしょう。続ける理由があるのはとても重要です。


■商品や地域の広告として素晴らしい

フィールド名が「ミザヤキ」(ミヤザキではない)というところから秀逸です。このネーミングにした人は天才。

そしてあちこちに出てくる宮崎の地元企業やランドマーク、デーリィの商品たち。これが全然宣伝っぽくなく嫌味がない。広告っぽくなく、宮崎を応援したくなる世界観で見事に統一されています。

ワールド全体をミザヤキテイストにすることで成し得た効果で、メタバースの一部のブースに出展しているのとは伝わり方が全然違います。

以前ご紹介したNeosFesta4のようにワールドまるごとが展示ブースになるようなキャンペーンであれば世界観を統一でき、同じような広告効果が発揮できると思いますが、メタバースの土地の一部だと難しそうな気がします。


■永続的なGameFiメタバース化希望!

「ヨーグルッペトレジャー2」はブロックチェーンもNFTもメタバースも何も関係ないキャンペーンですが、GameFiでto Earnにもできるんじゃないか、メタバースで永続的なキャンペーンにもできるんじゃないか、と勝手に夢広げてしまうほど素敵な仕上がりになっていると感じました。

3DじゃなくてもVRじゃなくてもメタバースだし、抽選ですがto Earn。と見なすとすごくよくできています。

to Earnの原資が企業広告=外貨中心の設計でも作れそうですし、and Earnくらいのバランスでファンが楽しむ・ファンが応援するコミュニティにもなるんじゃないかと思います。


■ローカルメタバースのお手本

お城を作っただけのやることがない3Dメタバースは5分で飽きられ淘汰されます。

ローカルメタバースを企画される方々、まずはミザヤキでお宝探しを体験してみてはいかがでしょう?学びが深いですよきっと。

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