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『Google、3Dビデオ通話「Project Starline」の製品化へ - 「魔法の鏡」実現』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.6.25

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■Google、3Dビデオ通話「Project Starline」の製品化へ - 「魔法の鏡」実現

Googleが2021年に発表した「Project Starline」は、遠隔地にいる人と、まるで目の前にいるかのような臨場感で会話できるようにする3Dビデオ通話プラットフォームである。同社はこのたび、「Project Starline: Google and HP partner on 2025 commercialization」において、HP社と協力して長らく実験段階にあったこの技術を製品化する計画を明らかにした。2025年にも商品化を開始し、既存のビデオ会議サービスで使用できるようにするという。

リモート会議でモニター越しに見る相手は、やっぱりリモートだなというリアリティのなさを感じます。

このリモートっぽさをなくし、徹底的にリアルに見えるようにしたら、リモート会議の違和感はなくなるでしょうか?

そんな技術とデバイスをGoogleがHP社と共同で開発していました。

「Project Starline」と呼ばれるプロジェクトで、50インチほどの薄い液晶モニターに見えるこの製品は、ミーティング相手が高精細に立体表示され、本当に目の前にいると錯覚するほどのリアリティなのだそうです。

2021年に発表されていましたが、このたび来年2025年に実際に製品化し発売することが発表されました。

ここ数年の生成AI技術の目覚ましい進化によって実現された技術部分にも興味深々ですし、リモート会議以外の使い道のアイディアも広がります。


AIで3D化して伝送表示する技術

要は「人の姿を3Dデータとしてリアルタイムキャプチャし、伝送先で再び3Dデータにして表示する」のだ。

ZoomやGoogle Meetは映像をそのまま伝送しています。そのため立体感がなくリアリティを感じられません。できるだけ通信を軽くするために圧縮していることもリアリティを損なっています。

「Project Starline」では考え方を変え、カメラでとらえた人物をリアルタイムに3Dデータに変換して伝送します。映像を送るより3Dデータを送った方が通信容量を食わず、表示する側で3D表示することでクリアで立体的な映像に見えるというわけです。

これはゲームやメタバースなどでキャラクターデータとスキンデータをやり取りしているのに似ています。

リアルタイムに3Dスキャンし続けるマシンパワーとAIの技術が必要ですが、このへんが最近のAIの急速な進化で製品化のメドが立ったということでしょう。


Apple Vision Proのような新型デバイスだと捉える

Appleがゴーグル型のVision Proで空間コンピューティングという概念を打ち出しました。決してメタバースやVRゴーグルという言葉を使わない戦略を採りましたが、高性能なVRゴーグルであることは紛れもない事実。

「Project Starline」のこのモニターも、VRゴーグルのように被る必要がないメタバースガジェットだと捉えると見方が変わってくるように思います。

ゴーグルなしで3D空間にダイブできることは魅力的ですし、「Project Starline」は複数の人が裸眼で見ることができます。もちろん複数の人全員に立体的に映ります。

ゴーグルを被ることに抵抗があることからメタバースの普及を懐疑的に考える人は非常に多いですが、もしPCのモニターがすべて「Project Starline」のようになったらどうでしょうか。


背景もアバターも置換可能?

刑務所の面会のような殺風景な背景ではなく、このように部屋にいる様子として表現すれば、本当に同じ部屋で話しているかのような臨場感を感じられるはずです。

3Dデータを伝送しているわけですから、背景を変えることも可能なはずです。カフェの風景でもいいし、異世界転生してもいい。

背景だけでなく自分の顔や姿の変更も、3Dデータとスキンなら可能になるはずです。

3Dデータをコントロール可能にすれば、ワールドの中を歩かせることもできるんじゃないでしょうか。まさしく裸眼メタバースです。


会いに行けるアイドル、リモートフィットネスにも

★会いに行けるアイドル、AKB48
21世紀のアイドルとして、1番のコンセプトは「会いに行けるアイドル」。今までのアイドルは、コンサートは別として、どこにいるかわからないし、"おっかけ"でもしない限り会いに行けませんでした。今回は、そこに行けば絶対いるアイドルを作ろうというコンセプトが元になっています。

握手会でふれあい話せる体験を提供し、かつてのアイドルの在り方を大きく変えたAKB48。

しかし直接会った際にAKBメンバーとスタッフがのこぎりで切りつけられる事件も起きています。

「Project Starline」の超絶リアリティを駆使すれば、より安全に「会う」感覚を共有することができそうです。

もちろん実際に「会う」のとは違いますが、30分話せるなど別の価値を提供するアイディアも生まれそうです。

自分自身の分身、アバターをエンターテインメントに落とし込む韓国の代表と言えば、aespa(エスパ)。実在する“物体”とは別に3Dのアバターが自由自在に本体と絡み合い、また、アバター単独でもパフォーマンスを行う。しかし、去る1月25日にメジャーデビューを果たしたMAVE:(メイヴ)は生身の人間の実態がそもそもない。アバターどころか完全なるメタアイドルとして、K-POP界に参入してきたのである。

MAVE:(メイヴ)というフルアバターのアイドルもいますし、にじさんじやホロライブなどVTuberもインフルエンサーとして活躍しています。

こういうファンを抱えているアイドルたちと「Project Starline」で超リアルに会える・話せる体験を提供するのも面白そうです。

黄 皓さんが展開するMIRROR FIT.に代表される、ミラー型リモートフィットネス機器にも応用できます。

リアリティラインをグッと上げたり、相手に自分の素顔を見せないようにしたり、背景を世界中の観光地に切り替えられたりも可能です。

またMIRROR FIT.は自宅で使うことが想定されていますが、教室に「Project Starline」を設置してトレーナーを映し、大勢でそれを見ながらみんなでフィットネスを行う「トレーナーだけリモートなフィットネスジム」も作れそうです。これなら有名なトレーナーを全国各地に送るような体験を提供できます。

生成AIのリアルタイム3Dスキャン&伝送置き換え技術が進化したおかげで、こんな激しいダンスにも対応できるようになりました。

これを立体に見せリアリティを感じさせることができるようになるのが「Project Starline」のモニターシステムだと捉えれば、実はApple Vision Proよりもずっと普及するんじゃないかとさえ思います。

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