『ChatGPTがLINEで使える「AIチャットくん」を半日で実装→3日で20万人登録達成した手順を詳細に紹介するテレ東Biz』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.3.23
■話題のChatGPTがLINEで使える「AIチャットくん」を半日で実装→3日で20万人登録達成した秘話
テレ東Bizの30分番組で、ChatGPTがLINEで使える「AIチャットくん」をChatGPTのAPIが公開されたその日のうちに、半日で実装してアプリを爆速公開した秘話インタビューが特集されています。
このインタビューを番組化するテレ東Bizのスピードも爆速で驚きました。
その「AIチャットくん」はこちら。
「ChatGPTを使ってChatGPTのサービスを爆速で作った」の手順を公開
というAI時代の今っぽいキャッチーなテーマになっていますが、この番組がユニークなのはChatGPTを使った開発手順を概要レベルに留まらず事細かに紹介しているところです。
この動画を見て真似すればほぼ同じことが誰でもできてしまいます。
ChatGPTに開発環境を構築する手順を教えてもらい、AIチャットくんが動作する要のコードをChatGPTが生成するところまでを、詳細なChatGPTの命令文の実例を見せながら紹介しています。
この命令文の書き方はものすごく参考になります。
ChatGPTには文章でシンプルに指示を書きがちですが、「設定」「内容」「手順」「命令」にわけてChatGPTが理解しやすい指示にすること、一連の作業については過去の設定や手順を繰り返し書くことでChatGPTが手順を忘れないようにリマインドすることなど、プログラミング以外でも応用できる効果的な命令の仕方が学べます。
ChatGPTにより生成されたソースコードはたったの60行少々。
それも公開していますし、動作フローをソースコードを紐解きながら解説しています。
ChatGPTでエンジニア不要にはならない。あくまでも優秀なアシスタント
番組中でも触れられていますが生成したソースコードにはバグがあり、そのままではエラーで動作しなかったそうです。またセキュリティリスクの回避や集中アクセス対策など、サービスとして本番公開するにあたって考慮しなければならないところも多くあります。
そのためChatGPTにすべてのソースを書かせて非エンジニアが誰でもアプリ開発できる!と豪語できるレベルには今は至っていません。あくまでもエンジニアをサポートする優秀なアシスタントとして使うのが吉とおっしゃっています。
しかし工数は半分に抑えらるとおっしゃっています。
ChatGPTなどジェネラティブAIによってプログラマーの仕事がなくなるような極端なことはすぐには起きなさそうですが、工数ベースで受託開発しているエンジニアや会社は受発注相場が大きく下がり、結果的にプログラミングで食っていくという仕事が成立しづらくなることはあり得そうです。
人間がChatGPTに伍してプログラミングで食っていくためには、プログラミングそのものではなく思想設計やサービス設計などより上流のことをやる必要がありそうです。しかしそこもChatGPTに尋ねながらアイディアブレストで広げ深めていくようになるのでしょう。
Google「Bard」米英で正式公開
マイクロソフト陣営のChatGPTに押されるかたちでGoogleも「Bard」を米英でローンチさせました。
ChatGPTの登場によっていきなり答えを得られるとあって「検索」がなくなるのではないかと危惧されましたが、
と、現状のAIの回答が必ずしも正しいとは限らない(というより結構間違っている)ということを踏まえて検索を併用しやすいUIで提供されるようです。
「1つの例だけを見せられると、それが絶対だという印象を受けてしまいます」と指摘し、3つの答えからユーザーに選ばせることでAIの回答が完全でないことを伝える工夫もしています。人間には判断力が求められます。
AIを使いこなす=AIに爆速で鍛えてもらう
いっぽう、3択を同時に得られることで発想を広げることもでき、AIをアシスタントとして使いこなし続けた人は発想力が鍛えられます。
ちょうど将棋の藤井聡太さんがAIを使って人間が思いつかなかった指し手のバリエーションを爆速で学んできたのと同じことが、先にご紹介したプログラマー、エンジニアの業界だけでなくあらゆる分野で起きることが予想されます。
AIを使いこなす、というのはテクニック的なことだけではなく、アシスタントとして常に傍らに置いておくことで発想と判断をAIに鍛えてもらう、ということかもしれません。