見出し画像

『OpenAIがアメリカ当局者に対し「Strawberry」と呼ばれる画期的な成果をデモ。推論AIは「段取り」から生成する』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.8.29

先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。

新規ビジネスのアイディアのタネがほしい方、未来を想像してワクワクしたい方、読んでちょっといいなと思った方、ぜひフォロー・高評価よろしくお願いします!


■OpenAIがアメリカ当局者に対し「Strawberry」と呼ばれる画期的な成果をデモ、コード名「Orion」という主力LLMのトレーニングデータを作成することでGPT-4越えの性能を目指す

OpenAIの「Strawberry」は、従来のAIが苦手とする複雑なタスクを解決する新しい技術です。「推論AI」とも呼ばれます。

国家安全保障当局にもデモンストレーションされており、今後のAI技術に大きな影響を与えると期待されています。

この記事の結論

  • 「Strawberry」は従来のAIができなかった複雑なタスクを処理できる。

  • 推論AIは単機能から汎用的な能力に進化。

  • 旅行プラン作成や提案書作成が劇的に簡素化される。

  • AIの進化が日常生活の質を向上させる可能性が大きい。

これまでのAIの限界

従来のAIは、特定のタスクに特化していて、複数の異なるタスクを組み合わせて処理するのが苦手でした。

たとえば、旅行プランを作る際、交通手段の予約や宿泊先の選定はできても、それを統合して効率的なスケジュールを組むことは困難でした。

また、人間が手順を理解し、手順どおりに指示する必要がありました。AIに何をさせるか、どうやってさせるかを人間が詳細に考えなければならず、手順がわかっている人にしかAIが使えなかったことが問題でした。

推論AIの転移学習と多段階推論にょる革新

推論AIは、これらの制約を大幅に改善します。単にデータを処理するだけでなく、目的に合わせて適切な手順を自ら考え、複雑な問題も自動で解決します。

特に「転移学習」と「多段階推論」の技術が重要です。転移学習は、一つのタスクで得た知識を他のタスクに応用することで、新しい状況にも柔軟に対応できる技術です。多段階推論は、問題を複数のステップに分けて解決するアプローチで、複雑なプロセスを段階的に進めながら最適な解決策を導きます。

「転移学習」と「多段階推論」をAIが身に着けることで、ユーザーは最終的に欲しい結果を伝えるだけで、AIが最適な手順を洗い出し、実行してくれるようになるのです。

旅行プラン作成

推論AIへの進化でできるようになることの例を挙げてみます。

たとえば、旅行プランの作成を劇的に簡単にします。
「いつ、どこに行きたいか、予算はいくらか」といった情報をAIに伝えるだけで、最適な旅行プランが自動的に生成されます。

推論AI以前は、次のような手順でした。

  1. 目的地の決定:まず旅行先を選び、目的地に関する基本的な情報を収集。

  2. 宿泊施設の予約:ホテルや民宿など、宿泊先をオンラインで比較して予約。

  3. 交通手段の手配:飛行機、電車、レンタカーなど、移動手段を選び予約。

  4. 観光スポットやアクティビティのリサーチ:観光ガイドや口コミサイトを調べ、訪問する場所や参加するアクティビティを決定。

  5. 日程のスケジュール作成:訪れる場所の距離や時間を考慮し、日ごとのスケジュールを手動で組み立てる。

  6. レストランの予約:評判の良いレストランをリサーチし、必要に応じて予約。

これらの手順を全て自分でリサーチし、手動で必要なツールを組み合わせる必要がありました。

AIは過去の旅行データや最新の観光情報を組み合わせて、ユーザーに最適な宿泊施設、交通手段、観光スポットを提案します。また、天気予報や混雑状況も考慮します。従来のように多くの情報をリサーチして手動でスケジュールを組む手間が省け、あとは良いか悪いかを判断するだけになります。

加えて、AIエージェントが進化すれば、予約や申し込みなども人間に代わってやってくれるようになるでしょう。予約サイト側とAPI連携をするまでもなく、人間がWebサイトを操作するように予約してくれるようになることが期待されます。

仕事での提案書作成

もうひとつ事例を挙げてみます。ビジネスの現場でも、推論AIは提案書作成を大きく変えます。

仕事上の提案書を作成する一般的な手順は以下の通りでした。

  1. 目的とターゲットの明確化:提案書の目的やターゲット読者を明確にします。

  2. リサーチとデータ収集:提案内容に関連する市場調査、データ、事例などを収集します。

  3. ロジックと構成の作成:提案書のストーリーラインや論理構成を設計し、章立てを決定します。

  4. 内容の執筆:序論、問題提起、解決策、メリット、コスト、結論などを具体的に記述します。

  5. ビジュアルの作成:図表やグラフ、イラストなど、視覚的に訴える要素を作成し、文章を補強します。

  6. レビューと修正:内容の確認、誤字脱字のチェック、必要に応じた修正を行います。

  7. 提出とプレゼンテーション準備:提出後、提案書を基にしたプレゼンテーションの準備を行います。

推論AIでは、提案したい内容や目標を伝えるだけで、AIがロジックを考え、データを分析し、適切な図説やイラストを自動生成できるようになることが期待されます。従来のようにデータを収集し、手動で画像や表組みなどを配置していた時間を大幅に短縮でき、より短時間で質の高い提案書が完成します。

まとめ

推論AIは、従来の単機能・特化型のAIが苦手としていた組み合わせタスクや、手順を人間が知っている必要があるタスクを自動的に分解し、段取りを自ら考える、応用が可能な汎用的なツールへと進化させることが期待されます。

旅行プラン作成や仕事での提案書作成といった身近なシーンでも、AIが自動的に最適な手順を洗い出し、効率的に処理することで、私たちの日常がより便利で効率的になることが期待されます。

「Strawberry」は推論AI化する最初の一手ですから、初期はまだできることが少ないかもしれませんし、まだ人間が考えた方がマシなものに留まる可能性もあります。しかし、最終的にAIで実現されることの一端を見せてくれるはずです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?