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『AIDMA・AISASからDREAMへ!AIエージェントで購買行動とマーケティングはどう変わる?』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2025.1.23

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■博報堂、新しい購買行動モデル「DREAM」発表 AI共存時代の買い物体験を体系化

博報堂のシンクタンクである博報堂買物研究所は、2025年1月21日に新しい購買行動モデル「DREAM」を発表しました。このモデルは、AIエージェントが消費者の購買体験をリアルタイムで支援することが当たり前になる時代の、消費者行動を予測したものです。また、「DREAM」は、消費者が商品を選ぶ過程の予測に留まらず、企業やマーケティングの在り方の変化も示唆しています。

今回はは、「DREAM」の全容と、「DREAM」時代になった時、マーケティングやメディア、インフルエンサーの役割がどのように変化するかを考察します。


「DREAM」とは?AIが支える新しい購買行動モデル

https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/114478/

「DREAM」とは、「Dialogue(対話)」「Recommended(提案)」「Experience(体験)」「Assurance(確信)」「Management(管理)」の5つのプロセスを指します。このモデルでは、AIエージェントが消費者の購買体験をリアルタイムで支援し、個々のニーズに合わせた提案を行います。

「DREAM」が目指すのは、消費者とAIが協働し、購買プロセス全体を効率的かつ満足度の高いものに進化させることです。消費者の価値観やライフスタイルを深く理解したAIが最適な提案を行うことで、購買行動が単なる「商品選び」から「満足を得る体験」へと変わります。たとえば、家具を購入する際に、AIが部屋のインテリアや寸法に基づいて最適な商品を提案し、さらにVRを活用して配置後のイメージを体験させることで、消費者は安心して購入を決定できるのです。


AIに求められる進化

現在のAI技術は、すでに購買行動に大きな影響を与えています。たとえば、ECサイトで見られるリコメンド機能や、音声認識によるアシスタント型AIは、消費者の利便性を高めています。しかし、「DREAM」の実現には、これらの技術をさらに進化させる必要があります。

パーソナルデータとの連動
現状のAIは、過去のデータをもとにしたリコメンド機能を提供することで、消費者の嗜好に応じた提案を行います。しかし、このリコメンドは必ずしも消費者の潜在的なニーズを掘り下げるものではありません。「DREAM」では、消費者との対話を通じて、その人がまだ気づいていない潜在的なニーズを引き出す能力が求められます。たとえば、引越しを予定している消費者に対して、新居のレイアウトやライフスタイルに基づいた家具や家電を提案する仕組みです。

リアルタイム情報更新
また、現在のAIは静的なデータをもとに動作することが多いですが、「DREAM」ではリアルタイムでの情報更新が不可欠です。たとえば、店舗ごとの在庫状況や価格の変動、消費者のレビューを即時に収集し、それを基にした提案を行うことで、消費者は最適な選択を瞬時に行えます。このように、情報の鮮度を保ちながら、消費者の意思決定を支援する能力が重要になります。

購買後もAIが関与
さらに、現在のAIが提供する購買後のフォローアップも、「DREAM」では進化が求められます。購入した商品のメンテナンス時期を通知したり、消費者の使用状況を学習して次の提案に活用するなど、長期的な関係性を築く仕組みが必要です。このようなサポートは、単なる「商品を売る」から「顧客との信頼関係を構築する」へと進化する重要な要素です。


消費者行動の変化

「DREAM」の導入により、消費者の購買行動も大きく変わります。

検索から「AIの提案を受ける」へ変化
現在、消費者は自分で情報を検索し、複数の選択肢を比較して商品を選ぶのが一般的です。このプロセスは、情報量が多いほど時間がかかり、迷いが生じることも少なくありません。しかし、「DREAM」では、AIエージェントとの対話を通じて自分に最適な提案を受けることが可能になります。消費者が「検索する」のではなく、「提案を受ける」という流れへの変化が、購買行動の効率化をもたらします。

VR/ARで体験型に
また、従来は購入を決定する前に実物を見て確認することが重要視されていましたが、「DREAM」では、VRやARを活用した仮想体験がそれを補完します。たとえば、衣料品を購入する際に試着が難しい場合でも、ARで着用イメージを確認できる技術があれば、消費者の安心感が高まります。このような体験の提供により、購買行動全体がスムーズかつ直感的なものに変わるのです。


売る側に求められる変化

「DREAM」時代では、企業や販売者の役割も大きく変わります。

AIエージェントが理解しやすいかたちに
現在、売り手は商品の魅力を消費者に伝えるために、広告やキャンペーンを駆使しています。しかし、「DREAM」では、消費者がAIエージェントを介して購買行動を行うため、商品のデータをAIが理解しやすい形式で提供することが必要になります。たとえば、商品のスペックや使用方法、レビューなどを詳細かつ標準化されたフォーマットで公開することで、AIがそれを解析し、消費者に適切な提案を行えるようになります。

実店舗の役割も変化
さらに、実店舗の役割も変わります。これまでのように「商品を販売する場」だけでなく、消費者に体験を提供する場としての価値が求められます。たとえば、家具店で実際に商品を手に取るだけでなく、VRを使って自宅の部屋に配置したイメージを確認することで、購入意欲を高める仕組みが考えられます。また、購入後のアフターサービスの充実も重要で、AIを通じて消費者がいつでも問い合わせやサポートを受けられる環境を整えることが必要です。


マーケティングの進化

マーケティングも、「DREAM」の導入によって大きな進化を遂げます。

データドリブンの更なるパーソナライズ化
現在のマーケティングは、データを活用したターゲティング広告が主流となっていますが、「DREAM」では、これがさらに高度化します。AIエージェントが消費者一人ひとりの嗜好やライフスタイルを深く理解することで、個別最適化された広告が配信されるようになります。これにより、消費者は広告を「煩わしいもの」と感じるのではなく、自分のニーズに合った有益な情報源として受け取ることができます。

インタラクティブ広告とAIエージェントの連携
また、広告自体もインタラクティブな体験型に進化します。たとえば、動画広告を視聴中に気になる商品をクリックすると、そのままAIエージェントが商品の詳細情報を表示し、購入プロセスを進めることができる仕組みが考えられます。このように、広告が購買行動に直結する形に変わることで、マーケティングのROI(投資対効果)も向上します。


メディアやインフルエンサーの役割の変化

「DREAM」時代には、メディアやインフルエンサーも新たな役割を果たすことが求められます。

メディアがAIエージェント向けに
現在、メディアは幅広い層に情報を届ける役割を担っていますが、「DREAM」ではAIエージェントが消費者ごとに情報を最適化して提供するため、メディアはその情報源としての正確性や信頼性をさらに高める必要があります。たとえば、ニュースサイトやレビューサイトは、AIが収集しやすい形式で情報を提供し、消費者がAIを通じて信頼できる情報を得られるようにすることが重要です。

インフルエンサーもAIエージェント向けに
インフルエンサーについては、AIエージェントとの連携が鍵となります。これまでのようにフォロワー全体に向けて情報を発信するだけでなく、AIがその情報を解析し、適切なターゲットに届ける仕組みを構築する必要があります。また、消費者がインフルエンサーの意見をAIを通じて確認することで、透明性と信頼性の向上が期待されます。


まとめ

「DREAM」モデルは、AIエージェントを中心に据えた購買行動の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。消費者はより簡単で満足度の高い購買体験を得られ、企業は個々のニーズに応じた精度の高いマーケティングが求められるようになります。一言で言うと「AIエージェントに最適化=AIO」がすべての面で必要になるということです。

AIエージェントが2025年に来るバズワードとして多く取り上げられていますが、消費者の購買行動、マーケティング、メディア、インフルエンサーなど、消費にまつわるすべてに大きな影響を与えるという点でも注目です。

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