見出し画像

『マイクロソフト、Bing ChatでGPT-4に無料対応。リアルタイム検索と組み合わせて超快適に』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.5.6

■マイクロソフトが新しいAI機能発表、BingユーザーにGPT-4への無料アクセスを提供

マイクロソフトは最近、BingチャットボットとEdgeウェブブラウザ用の新しい人工知能(AI)機能を発表した。大きな変更点の1つは、BingのユーザーはGPT-4モデルに完全アクセスできるようになったことだ。これはChatGPTのサブスクリプションサービスと基本的に同じものだ。

この記事にもありますが、マイクロソフトはOpenAIに多額の出資をしている協力関係にあるはずにも関わらず、まるで顧客獲得競争を繰り広げているようです。

OpenAIのサイトからGPT-4を利用するには月額20ドルの課金が必要でしたが、マイクロソフトのBingブラウザを使えばGPT-4を無料で利用できるようになってしまいました(OpenAIの無料版ChatGPTはGPT3.5ベース)。


Bing ChatにChatGPT3.5との違いを訊いてみた

さっそく新しいBing Chatを使ってOpenAIのChatGPT3.5(無料版)との違いを訊いてみました。

モ)ChatGPT3.5ではできずBing Chatでできることを教えてください。

まず、Bing ChatはMicrosoft Bing searchのチャットモードです。つまり、Bingの強力な検索エンジンを利用して、ユーザーの質問や要望に応えることができます。ChatGPT3.5はOpenAIの言語モデルに基づいていますが、検索エンジンと連携していません。123

次に、Bing Chatは複数の言語に対応しています。英語、中文、日本語、Español、FrançaisやDeutschなど、ユーザーの選択した言語で流暢にコミュニケーションできます。ChatGPT3.5は英語にしか対応していません。45

最後に、Bing Chatはコンテンツ生成の能力が高いです。詩や物語、コードやエッセイ、歌やパロディなど、さまざまなコンテンツを生成することができます。また、必要に応じて、ユーザーのコンテンツを改善したり最適化したりすることもできます。ChatGPT3.5はコンテンツ生成の能力が低く、オンラインソースや実行可能なコードに頼ってしまうことがあります。45

以上がBing Chatの特徴です。ご質問はありますか?
詳細情報:
1. bilibili.com2. gizmodo.jp3. zhuanlan.zhihu.com4. openai.com5. platform.openai.com6. and-engineer.com+2 その他

3点を挙げてきました。
それぞれに根拠となるURLを「詳細情報」として提示してきたのには驚きました。

1点目の「検索連動」は大きな違いです。過去に学習したデータのみで回答してくるChatGPT3.5と違い、新しいBing Chatはリアルタイムに検索して回答を生成することもできます。

2点目の「ChatGPT3.5は英語のみ」は明らかな誤りです。Bing Chatに誤りであることを指摘したら謝罪と訂正をしてきました。

すみません、私の情報が古かったようです。ChatGPT3.5は他の言語にも対応しているのですね。それは素晴らしいですね。ただ、Bing Chatは検索結果を参照しながら、複数の言語で応答することができます。ChatGPT3.5は検索エンジンと連携していないので、その点ではBing Chatの方が優れていると思います。

謝罪しつつもBing Chatの方が検索連動型で優秀であるとアピールしてきました。

3点目のコンテンツ生成能力の差については程度の差や捉え方の違いでもあり、現時点でテキストしか返却できないので大差ないとも言えますし、表現力が上がったとも言える、微妙な部分です。

モ)BingChatはGPT4のLLMを使用しているのですか?

Bing ChatはGPT4のLLMを使用しているかどうかは公開できません。Bing Chatの内部構造や仕組みに関する情報は機密事項です。Bing Chatはユーザーのニーズに応えるために、常に進化し続けています。Bing Chatの能力や特徴については、お気軽にお尋ねください。

違うとは言いませんが機密事項なのだそうです。


Bing Chatの「検索連動」について更問いしてみた

気になる部分「検索連動」について更問いしてみます。

モ)BingChatが検索結果を参照しながら応答できるとのことですが、リアルタイムに検索しているのですか?もしそうなら最新の時事ニュースにも対応できますね。

はい、Bing Chatはリアルタイムに検索しています。最新の時事ニュースにも対応できます。例えば、ユーザーが「最近の政治情勢について教えて」と質問したら、Bing Chatは最新の検索結果を参照して、政治情勢に関する事実や見解を提示します。もちろん、検索結果の出典も明記します。

これは素晴らしい。ChatGPT3.5で不満だった部分の多くが「情報が古い」ことに起因していましたので、これは大きな変化です。

会話を続けます。

モ)なるほど。では昨晩起きた石川県での地震について、震源地や被害状況について教えてください。

昨晩ではなく、19日午後3時8分ごろに石川県の能登地方で地震がありました1。震源地は能登地方の深さ13キロで、マグニチュードは5.4でした1。珠洲市では震度6弱の激しい揺れを観測しました1。被害状況については、珠洲市の羽黒神社では鳥居が倒壊したり、住宅や店舗の壁や窓が割れたりするなどの被害が報告されています2。この地震による津波の心配はありませんでした1
詳細情報:
1. www3.nhk.or.jp2. msn.com3. nikkei.com4. oricon.co.jp5. jishin.go.jp

タイプミスで「昨晩」と打った部分を「午後3時8分なので昨晩ではない」と訂正されました(笑)ただし「19日」と全然違う日付を返してきました。惜しい。

こちらの2022年6月19日の古いニュースを参照したことが原因でした。ChatGPT3.5のまったく根拠のない情報とは間違いにしても質が違います。

モ)石川県の地震について、2022年6月19日のニュースと昨日のニュースが混ざっています。昨日起きた地震に限定して教えてください。

という誤りを指摘する形式で修正を促せるのもチャット型ならではです。

失礼しました。昨日起きた地震に限定して、以下の情報をお伝えします。
震源地は石川県能登地方で、深さは10キロ12。地震の規模はマグニチュード6.112
石川県の珠洲市で震度6強の激しい揺れを観測したほか、輪島市や能登町で震度5強、金沢市や七尾市で震度4の揺れを観測した12
津波の心配はない12
被害状況については、珠洲市では道路が陥没したり、建物にひびが入ったりする被害が相次いだ1。また、輪島市では瓦が落ちたり、窓ガラスが割れたりする被害が出た1
石川県では今夜大雨に警戒する必要があり、少しの雨でも土砂災害の危険が高くなる可能性がある3
以上が昨日起きた石川県での地震に関する情報です。ご参考になれば幸いです。
詳細情報:
1. www3.nhk.or.jp2. news.livedoor.com3. www3.nhk.or.jp4. bing.com5. theheadline.jp+2 その他

今回の訂正は概ね正しいようです。

リアルタイム検索対応で便利さが圧倒的に増しますしニュースソースを提示してくれることで事後確認が楽になりストレスがかなり軽減されます。

応答スピードも速く、今のところ詰まって応答しなくなることも起きていません。ChatGPT3.5を無料で使っていた人はBing Chatに乗り換えると快適さが5万倍増しになりそうです。


「近日中に」「将来的に」追加予定の機能たち

Bing、Edge、およびWindowsユーザーにGPT-4モデルへの無料で制限のないアクセスを提供するだけでなく、マイクロソフトは、マルチモーダル出力、チャット履歴、プラグインのサポートが近日中に開始されることも発表した。

現時点ではGPT4の無料開放だけですが、「近日中に」「将来的に」とついている追加予定の機能たちも非常に魅力的です。

マルチモーダルサポートにより、Bingチャットボットは、テキスト、画像、動画を含むレスポンスを生成できるようになる。また、チャートやグラフを生成する機能も持つため、これがChatGPTよりも優位に立つ要素となる可能性がある。

画像生成系AI、動画生成系AIなど専門AIが各種ありますが、Bing Chatだけでテキスト・画像・動画、そしてチャートやグラフも生成可能になるようです。

日々新しい生成AIが発表され、既存の生成AIもバージョンアップを発表し続けている現状、どのAIを使えばいいのか、AIの最新情報を追いかけるだけでも大変です。

Bing Chatが生成する画像や動画が最も優れているとは限りませんが、Bing Chatだけである程度なんでも対応できるのは多くの人にとって便利です。

また、過去にBing Chatと会話した内容を記憶する機能も近日搭載としています。過去を記憶する機能もChatGPTではできなかった部分です。

そして究極は「プラグインのサポート」です。

最も野心的な追加機能として発表されたのが、「Edgeアクション」、別名「Bingアクション」で、これはBingチャットに対する今後のサードパーティプラグイン統合を指すマイクロソフトの用語だ。

発表で具体的に言及されたプラグインは、OpenTableで、ユーザーがチャットインターフェース内で直接レストランの席を予約できるようにするものと、数学や科学の問い合わせに対して複雑な視覚化を作成できるようにするWolfram/Alphaである。マイクロソフトは、実装されるにつれてさらなる統合が明らかにされると述べている。

プラグインでできることは幅広いのですが、個人的には上記の例でいう「直接レストランの席を予約できる」という部分です。

レストランの予約サイト側もAPI公開や登録作業などが必要かもしれませんが、AIチャットで教えてもらったレストランを会話の流れの中で予約することができれば、AIが優秀な秘書エージェントになれます。

さらに未来では、AIと会話が自然にできることを利用してAIにTTS(Text to Speech)を組み合わせて「声」で予約手続きができれば完璧です。レストランなど相手側の改修が一切不要で、人間が行う予約や問い合わせをすべてAIに肩代わりさせることができるようになります。

上記記事でもご紹介しましたが、「レクサスオーナーズデスク」で今はコールセンターのオペレーターが人力でやっている予約代行などの作業をAIに置き換えることが現実味を増してきました。

これまでのチャットAIはユーザーとAIだけで閉じていましたが、ユーザーがAIを通じて社会にコネクトできるようになるのがエージェントとしては究極系だと考えています。


Bing Chatで普段使いできるAIに

ChatGPT3.5の登場は衝撃的でしたが、Bing ChatのUXによって普段使いできるUXにようやく到達したなという印象です。

一言で言うと「快適」。特にリアルタイム検索と参照元URLの明示はとても便利です。

ChatGPT3.5をメインで使っている人は一度Bing Chatを試してみてください。ChatGPT3.5の怪しい部分がかなり払拭され、これなら普段使いできるなという印象を持つのではないかと思います。

いいなと思ったら応援しよう!