『2億円分のBTCを賭けた宇宙鬼ごっこ』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.4.8
■月面に2億円分のビットコインを放置、到達した旅行者にプレゼントへ
この月探査機を地球から追いかけ捕まえる、宇宙規模の壮大な鬼ごっこです。
「MAPP」鬼に懸けられた賞金は2億円分のビットコイン。今現在のBTC価格が2万8000ドル弱くらいですから、およそ53.7BTCになります。
ビットコインは半減期ごとに大きく値を上げています。次のビットコイン半減期は2024年2月から2024年6月の間に発生する可能性が高いと言われていますが、この時には2億円が何倍にもなっているかもしれません。
まずは打ち上げの無事を祈ります
ビットコインを賭けた宇宙規模の鬼ごっこが実現するためには、まず「MAPP」の打ち上げが成功しなければなりません。
1か月前の3月7日にH3ロケットが打ち上げに失敗したのは記憶に新しいところ。今月末に予定されているMAPPを搭載したロケット「Falcon9」の打ち上げが無事成功することをお祈りしております。
宇宙鬼ごっこの妄想
ずっと月の南極にいるとは書かれていませんので、着陸後はかくれんぼのごとく月面をウロウロしているかもしれません。月に行くだけでも大変なのに、MAPPを広大な月のどこかから探す能力も備えておかないといけないかも。
運よくMAPPを見つけた後は、おそらく捕まえる必要があります。
秘密鍵が何に記載されているのか、MAPPのどこにどのように格納されているのでしょうか。
MAPPの機体表面のQRコードを映せればOKなら遠隔地からでもカメラで撮影できればよいですが、MAPPの腹の中に溶接格納されていたらMAPPを捕まえ、さらに破壊する能力も持っていないと秘密鍵をゲットできません。
「宇宙旅行者に対して」とあるので宇宙服を着た人間が手で確保できる程度なのかなとは想像しますが、あまりユルイ取り付け方だと月面で紛失してしまうかもしれません。iPhoneユーザーがいない月だとAirTagも機能しませんのでなくすと探すのが大変です:-p
破壊されるかもしれないとしたら、鬼であるMAPPは宇宙旅行者から全力で逃げるかもしれません。高速移動したり煙幕で身を隠したり、場合によっては攻撃能力も持っているかもしれません。
この宇宙鬼ごっごの様子をぜひ月から中継してほしいものです。
秘密鍵よりスマコン実行の方が信用できる
宇宙鬼ごっこの妄想はさておき、2億円分のビットコインの受け渡し方法は少し気になります。
MAPPにウォレットの秘密鍵を手に入れても、絶対確実にビットコインが手に入るとは限りません。
・MAPPに取り付けた秘密鍵は、この鬼ごっこの関係者の誰かが知っているはずです。その人が持ち逃げしようとすればできるはずです。
・巨額が入ったウォレットは、複数人の鍵で開けるマルチシグにして上記のような1人の持ち逃げを防止するのが通例です。
MAPPにマルチシグの全員分の秘密鍵が格納されているなら、月に打ち上げるとはいえ秘密鍵が1か所に集まるシーンを作ることはセキュリティ上のリスクがあります。打ち上げ前に誰かがMAPPから秘密鍵を盗めば2億円が手に入るとなれば世界中の盗賊が動き出しかねません。
MAPPに格納されるのがマルチシグの鍵のひとつだけなら、鬼確保の時点で別の誰かの鍵が最低ひとつ必要です。何年後になるかわからない鬼確保の時点で、別の誰かの鍵がきちんと保全されている保証はありません。
理想的には、信じられないイノベーションで早々にMAPPが捕まっちゃうというストーリーですが、実際には100年後かもしれません。
こういう遥か未来でも確実に実行される仕組みがパブリックブロックチェーン上で動作するスマートコントラクトです。MAPPを捕まえたらビットコインの送金が実行される仕組みがスマートコントラクトで実装されていると安心ですしプロジェクトの信ぴょう性も上がります。
スマートコントラクトで安全確実に鬼ごっこの賞金を受け渡す具体的な方法は思いついていませんが、DAOワークの報酬受け渡しなど身近なところでも同じようなニーズは増えてきていますので、ちょうどいいソリューションは既にありそうな気がします。後ほど調べてみますが、なにかいいもの・いいやり方をご存じの方がいればぜひ教えてください。