『今回のテーマは《ゲーム背景》CGWORLD GALLERY応募要件「最終出力にAIを使用していない」をSOZO美術館の視点で深掘り』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.12.8
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■今回のテーマは《ゲーム背景》。個人クリエイターの作品を紹介する「CGWORLD GALLERY」作品募集は12/22(日)まで
生成AIでCG作品が瞬時に作成できるようになった中で、あくまでも人間が制作したCGを募集するコンテストを開催しているのが「CGWORLD」。
募集要項にも
今回の募集テーマは《ゲーム背景》。3D CGであることを条件にしつつ、応募できるのはJPEGかPNGということで、動画は投稿できません。ということはBGMやSEなどの音も入れられません。あくままでも1枚絵で「プレイしたくなるゲームの世界」を想起させる必要があります。
AIは「最終出力」だけ禁止
「最終出力にAIを使用していない作品」ということを応募条件としています。
つまり、AIの使用は完全に禁止されているわけではなく、アイディアをAIに出してもらったり、パーツ単位でAIによるCG生成を活用することは禁じられていません。
極端な話、生成AIで一発出力した後、ちょっとしたフィルターを手作業でかけるだけでも、ルール上は問題ないということになろうかと思います。
生成AIも高いクリエイティビティが必要
私がお手伝いしている、生成AIによる投稿コンテスト「#SOZO美術館」では、現在、バーチャルYouTuber的な配信者=AIチューバ―を生成AIで作って投稿するコンペティションを開催しています。
こちらもCGWORLD GALLERYの募集期間と同じく12月22日まで募集していますので、興味のある方はぜひご応募をお待ちしております。
生成AIの性能が上がったおかげで、かなり高品質な作品を描けるようになりました。しかし、どのようなキャラクターにするのか、構図やポーズ、衣装、表情、メイク、背景ビジュアルなどの完成イメージをあらかじめ持ったうえでプロンプトで指示する必要があります。
生成AI=自動生成で楽するチートツールというのは大きな誤解で、生成AIを操るクリエイターには高いクリエイティビティが必要です。
デッサンや3Dモデリング、レイヤーやフィルターの使い方などにテクニックがあるように、生成AIにもまた独自のテクニックがあります。確かに紙とペンで絵を描くよりもハードルは格段に下がり、誰でも「綺麗な絵」を描くことはできるようになりましたが、コンテスト形式で競い合うとなると、やはり技能やセンスの差が表れます。
SOZO美術館の「AIチューバ―コンペ第2弾」の投稿作品を見比べて見ると、クリエイターごとの作風が大きく違うことがよくわかると思います。
手描きかAIかは問題じゃなく、クリエイターが報われるように
今回CGWORLD GALLERYで募集されている《ゲーム背景》というテーマは、生成AIの是非が未だに話題に挙がりがちな現在、変な言い方ですが、「ちょうどいいな」と感じました。
ゲーム業界では生成AIが既に大活用されています。しかし、その実は「最終出力にAIを使用していない」というCGWORLD GALLERYの応募要件のような使い方が多く、良くも悪くも手描きかAIかに拘りません。人間が手描きしたものが心を打ち、生成AIでは感動させられない、とも考えません。一方、生成AIだけで完結するとも考えません。
これまでCGクリエイターの仕事を多く生み出してきたゲーム業界に関するテーマでコンテストが開催され、そこには「最終出力にAIを使用していない作品」という、ゲーム業界の実情と同じ募集要件でAIが排除されずに条件付けされている。そういう点において「ちょうどいい」と感じたわけです。
コスト高騰でチャレンジしづらくなっているゲーム業界では生成AIはコストダウンツールとして着目されているのは確かですが、クリエイターのセンスや技能、そしてそれらを磨いてきた努力は、生成AIがもっと高性能になっても報われてほしいと思っていますし、そんなクリエイターをSOZO美術館としても応援していきたいと思うのです。