見出し画像

『「Galaxy Watch」シリーズ、全固体バッテリーを2026年から量産へ。スマートデバイスとバッテリーの進化』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.10.7

先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。

新規ビジネスのアイディアのタネがほしい方、未来を想像してワクワクしたい方、読んでちょっといいなと思った方、ぜひフォロー・高評価よろしくお願いします!


■「Galaxy Watch」シリーズ、全固体バッテリーの導入で数年後さらにパワーアップへ

最近、サムスンが全固体リチウムイオン電池を開発して、2026年から量産を開始するというニュースが発表されました。このバッテリー技術は、私たちが日々使っているスマートウォッチやスマートフォンなどの身近な電子機器にとって、大きな変革をもたらす可能性があります。

全固体電池は、現在主流のリチウムイオン電池と比べて、電解質を固体に置き換えることで安全性とエネルギー効率を向上させた新しいタイプの電池です。液体を使わないことで、発火リスクを減らし、さらにエネルギー密度を高めることができるため、バッテリーの持ちをよくするだけでなく、サイズの小型化も可能になります。サムスンはこれをウェアラブルデバイスに導入し、バッテリーの性能を大幅に改善することを目指しているようです。

スマホやウェアラブルデバイスを支える次世代バッテリー技術

私たちの生活に欠かせないスマートフォンやワイヤレスイヤホン、スマートウォッチなどのデバイスにとって、バッテリーはその性能を左右する最も重要な要素のひとつです。ここでは、現在研究中のバッテリー技術とそのメリットについて紹介します。

まず、今回サムスンが採用しようとしている全固体リチウムイオン電池について説明します。この電池は、従来のリチウムイオン電池と同じくリチウムイオンを使いますが、液体の電解質を固体に置き換えたものです。これにより、エネルギー密度が向上し、同じサイズのバッテリーでもより多くのエネルギーを蓄えることができます。また、発火や液漏れのリスクがなくなるため、安全性が大幅に向上するというメリットもあります。

次に、ナトリウムイオン電池です。こちらはリチウムの代わりにナトリウムを使った電池で、コストの面で非常に有利です。ナトリウムはリチウムに比べて地球上に豊富に存在するため、供給の不安定さが少なく、コストも抑えられます。エネルギー密度はリチウムイオン電池ほど高くはありませんが、定置型のエネルギー貯蔵システムや低コストが求められるデバイスに適しているとされています。

さらに、ナトリウムを使用した全固体電池も注目されています。この電池は、リチウムの代わりにナトリウムを使い、固体電解質を使用することで、より高い安全性とコスト効率を実現しようとしています。ナトリウムベースの全固体電池のエネルギー密度は、従来のリチウムイオン電池(約150〜200Wh/L)と同等またはそれ以上を目指しており、これが実現すればスマートフォンやスマートウォッチなど、身近なデバイスに新しい選択肢を提供する可能性があります。

※Wh/kgとWh/Lは異なる単位で、それぞれ「重量あたりのエネルギー密度(Wh/kg)」と「体積あたりのエネルギー密度(Wh/L)」を表します。

エネルギー密度の向上でスマホの稼働時間が1.5倍に

エネルギー密度とは、バッテリーが蓄えられるエネルギー量をそのサイズで割った値のことです。エネルギー密度が高ければ高いほど、同じサイズのバッテリーでより多くの電力を蓄えられるため、デバイスの稼働時間が伸びます。

現在の液体電解質を使ったリチウムイオン電池のエネルギー密度は約150〜200Wh/L程度ですが、全固体リチウムイオン電池ではこれが300Wh/L以上に向上すると期待されています。このエネルギー密度の向上により、例えばスマートフォンの稼働時間が現行の1.5倍程度に延びることが見込まれます。また、同じ容量を保ちながらバッテリーサイズを縮小できるため、デバイス自体の軽量化や薄型化にもつながるでしょう。

ナトリウムベースの全固体電池についても、エネルギー密度が向上すればスマートフォンやウェアラブルデバイスの稼働時間の延長が期待できます。特に、コストを抑えながら安全性を確保できるため、広く普及する可能性があります。

今後予想されるスマホのバッテリー進化ロードマップ

今後のスマートフォンやウェアラブルデバイスにおけるバッテリー技術の進化は、大きく以下のようなロードマップで進むと考えられます。

  1. 短期(1〜3年)

    • リチウムイオン電池の改良が続き、エネルギー密度のさらなる向上や急速充電技術の進化が進むでしょう。また、一部の高性能デバイスでは、全固体電池の導入が始まるかもしれません。

  2. 中期(3〜5年)

    • 全固体リチウムイオン電池が広く普及し始め、スマートウォッチやスマートグラスなどのウェアラブルデバイスに導入されます。これにより、安全性が向上し、デバイスのサイズが小型化される一方、稼働時間が長くなります。

    • ナトリウムイオン電池も、コスト効率の良さから低価格帯のデバイスや定置型のエネルギー貯蔵システムに採用されることが増えるでしょう。

  3. 長期(5〜10年)

    • 全固体ナトリウム電池が登場し、リチウム資源の問題を解決しつつ、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスにも導入が進む可能性があります。これにより、より経済的で安全性の高いバッテリーが実現し、広範な応用が可能になります。

    • また、超高速充電技術が進化することで、数分間の充電で1日以上使えるようなバッテリーも現れるかもしれません。

    • バッテリー側が超高速充電を受け付けるようになることで、充電器側の出力も大幅にアップする必要があります。そして、このような進化は、社会全体での消費電力増加に伴って発電所の技術革新も促されるでしょう。これにより、持続可能なエネルギー供給が実現され、新たな電力インフラの発展が期待されます。

まとめ

バッテリー技術の進化は、スマートフォンやウェアラブルデバイスの未来にとって非常に重要です。全固体電池やナトリウム電池といった新しい技術の導入によって、私たちの日常生活がより便利で快適なものになるでしょう。バッテリーが小型化され、長時間稼働が可能になり、さらには超高速充電が当たり前になることで、スマートフォンやその他のデバイスはますます進化していきます。

特にスマートフォンとスマートグラスについては、バッテリー駆動時間を長くしたいニーズがとても高いものです。また、スマートグラスは「メガネ型」であるため、できるだけ軽くあってほしいですし、装着時にバッテリーが爆発するような事故は絶対に起きてはいけません。

サムスンの全固体電池の採用を皮切りに、スマートデバイスのバッテリーの進化が急加速すること、そして、バッテリーの進化によって全く新しいデバイスが登場するかもしれないと考えるとワクワクが止まりません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?