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『AI眼鏡がもたらすプライバシーへの懸念、ハーバード生が問題提起。規制と安全活用の両立が重要』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.11.21

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■アングル:AI眼鏡がもたらすプライバシーへの懸念、ハーバード生が問題提起

ハーバード大学の学生2名(ケイン・アルデイフィオ氏とアインフー・グエン氏)が、わずか4日間という短期間で、人物を特定できるAI眼鏡を開発したのだそうです。

彼らはレイバン・メタのスマートグラスのカメラ機能を使い、撮影した映像をコンピューターに送信。顔認識検索エンジン「ピムアイズ」で人物を特定し、ChatGPTを活用して名前を割り出すことで、2分以内に相手の個人情報を表示することに成功しました。

この実験は技術の危険性を示すための警告として行われましたが、同時にこうした技術が比較的容易に実現可能であることも証明する結果となりました。

「誰だっけ?」は確かにあるが

「前に会ったことがあるんだけど、誰だったっけなぁ」というのは、特にビジネスシーンでよくある悩みです。相手の情報をその場で思い出せないことは、時として致命的な失態にもなりかねません。

しかし実際のところ、まったく顔も覚えていない人との取引はそもそもうまく行かないものです。

それに、今なら10年前に1度会っただけの人のことを覚えていると相手に感動されるかもしれませんが、スマートグラスで顔認識できる機能が一般化すれば、自分を覚えていることに誰も感動してくれなくなるでしょう。

それでもバーのマスターなんかには重宝されるかもしれませんが。

技術的に可能なものの規制の限界

技術的に可能なこと、ネット検索で今でもできていることを完全に規制することは現実的には困難だろうと思います。

  • オープンソース技術やAPIの組み合わせで誰でも開発可能

  • 国境を越えたインターネット上での規制の難しさ

  • 一度開発された技術は完全には消せない

  • 規制の裏をかく新技術が次々と登場

今でも事件が起きるとSNS上で個人を特定して晒す悪質な投稿が後を絶ちませんが、今でもネット検索程度でできることは、いくら法規制をしても止めようがないだろうと思います。

スマートグラスならではの懸念

今回の報道はスマートグラスに注目をしていますが、技術的にはスマホのカメラでも実現可能なもので、スマートグラスが普及前の今でも作れます。

しかし、スマートグラスはスマートフォンと異なり、撮影されていることに気付きにくいことが問題です。スマートフォンならカメラを向けている動作で撮影されていることに気付きますし、撮影する側も躊躇するでしょうが、スマートグラスだと完全に秘密裡に撮影されることが重大な懸念点です。

今のところスマートグラスの決定版が発売されていないので大きな問題になっていませんが、Appleが近いうちにスマートグラスを出すだろうころまでには規制議論を深めておく必要があるだろうと思います。

警察の捜査利用にもルールが必要

一般ユーザーの盗撮などプライバシー侵害の懸念から規制議論は必要だと思いますが、同時に警察などの権力機関だけが例外的に利用可能になることにも注意が必要です。

確かに犯罪抑止や犯人逮捕には一定の効果を上げるでしょうが、権力の濫用リスクや、市民と権力の力関係の歪みなどが懸念されます。

エンタメなら大活躍

エンターテインメントでの利用なら、かなり健全に楽しめると思います。例えば映画やドラマを見ているときに、「この俳優は誰だったっけ」という情報がわかるような使い方です。

私は特に俳優の顔と名前を覚えるのが苦手なので、「誰だっけなぁ」に気を取られてストーリーが頭に入ってこないことがままあります。対応したスマートグラスをかけて映画を見ると、俳優の名前や過去作品を教えてくれるとスッキリしそうです。(でも、過去作品の印象に引っ張られてしまうかもしれませんが。)

さらに、人物だけでなく

  • 衣装のブランドや商品情報が見るだけでわかる

  • ロケ地の場所や観光情報もわかり、メモが残せる

  • セットや小物のデザイン情報 なども「見てわかる」

くらいに機能拡張すれば、映像体験も楽しくなるでしょうし、新しい広告手段も生まれそうです。

まとめ

スマートグラスによる人物特定技術は、便利な反面、プライバシー侵害の危険性は非常に高いと考えます。スマートグラスや顔認証技術の普及が本格化する前の現段階で、適切な規制の枠組みを議論し、確立していく必要があるだろうと思います。

規制議論と同時に、エンターテインメントのような限定的な用途に絞り、プライバシー侵害のリスクを最小限に抑えながら、この技術の良さを安全に活用する出口を検討することも重要です。

テクノロジーの発展を止めることはできませんが、少しでもよい利用方法に使われていくようになるとよいなと思います。

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