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『BlendAI 、AI関係の利用なら版権フリーのキャラクター「 #デルタもん 」発表。AI時代のIPの新しいカタチ』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.2.1
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■BlendAI 、AI関係の利用なら版権フリーのキャラクター「 #デルタもん 」発表
BlendAIがアルファパラダイスプロジェクトの第一弾としてキャラクター「デルタもん」を1月27日発表した。BlendAIは、シンガポールでブロックチェーン事業を展開していた小宮自由氏が日本で立ち上げたAIスタートアップ企業。
このプロジェクトは、公開したキャラクターをAIを活用した利用の場合に商業・非商用問わず原則無制限に利用を可能にする取り組みだ。作品の制作過程の一部にAIが使われていれば良く、全てをAIで制作する必要はない。一方、完全に人間の手のみで描いた作品などAIとは無関係な二次創作や商業利用は禁止されているという。
いわば「AIのためのIP」。
AIが使うなら、商用・非商用問わず利用可能なキャラクタービジネスが立ち上がりました。
IPキャラクターを立ち上げる最新の方法
キャラクターのデザインや設定があったうえで、動かしたりストーリーをつけたりする部分をファンに委ねるというIPの展開方法自体が珍しいうえ、AIで動かす、AIで歌わせるなど、AIを使って二次創作することを前提にするという点もユニークです。
キャラクターIPを立ち上げることは大変ですが、今回の方法なら版元も二次創作クリエイターも一緒になってIPを成功させようという座組みになりやすく、またAIを活用することで爆速でキャラクター作品がSNSを埋め尽くすようになるという点もマーケティング戦略的に素晴らしいと感じます。
原画は人間による手書き
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今回公開されたプロジェクト第一弾の「デルタもん」は人間の手で一から創作されており、制作過程にAI は一切使われていないという。キャラクターデザインは、人気キャラクター「ずんだもん」の生みの親であり、数千万円クラスのキャラクター関連クラウドファンディングを次々と成功させてきた榊正宗氏だ。「デルタもん」は BlendAI が一切の知的財産権を持つキャラクターとのこと。
「デルタもん」の原画は人間による手書きでAIは使われていません。細かな設定、細部のこだわりを形作るには現状の「AIガチャ」では難しく、手書きのほうが適しています。
NFTの元絵を額縁に入れてみました。
— BlendAI (@BlendAIjp) January 29, 2024
100%手描き由来です!#デルタもん https://t.co/VgonnV4Jl0 pic.twitter.com/79VKeVk7Kx
原画はこのように紙に描かれています。CGですらありません。
手書きのキャラクターIPを、AIとUGC(User Generated Contents=みんなで作る)という今っぽい手法で普及させるというバランスが見事です。
AIベンチャー企業のBlendAI(ブランド名)はアルファパラダイスプロジェクト第一弾として、キャラクター「デルタもん」を発表しました。… pic.twitter.com/mcmG5LWuk2
— BlendAI (@BlendAIjp) January 19, 2024
立ち上げの経緯や「デルタもん」命名の由来など、文脈のディテールが逐一興味深いです。組み立てがエレガントで惚れ惚れします。
投稿キャンペーンも実施中
デルタもんでAIイラストを作ろう! 画像の通り、デルタもんイラストお題を出します。生成AIだけで作っても、AI+手描きで作っても大丈夫です。
— BlendAI (@BlendAIjp) January 31, 2024
参加作品から最優秀作品を決定します。受賞者には、賞金としてアマギフ44円(デルタもんの時給)分贈呈します! 奮ってご参加ください。#デルタもん pic.twitter.com/zXhjCGnvOr
「デルタもん」を使ったAI投稿コンテストも始まっています。
すでに多くの作品が投稿されていますが、「賞金はアマギフ44円(デルタもんの時給)」という設定も最高です。お金目当てではなく本当に楽しんでくれるファンを作りたいという想いも伝わりますし、参加者もこの設定自体を楽しめる人が厳選されます。
あまり似てないですが、参加させていただきます!#niji6 pic.twitter.com/iA8sh90CdK
— MAYU (@mayu222_ai) January 31, 2024
デルタもんちゃんより鳥が難しいっていう罠だった pic.twitter.com/gXg1JyDqia
— hakomikan (@hakomikanx) January 31, 2024
原画を維持するLoRAモデルを使っても「デルタもん」を再現すること自体がAIアート的に高難度なうえ、「鳥と戯れているイラスト」というお題もクリアしなければならないというトライのし甲斐があるハードルの高さ。むしろこの難しさが燃えます。
投稿キャンペーンのお題とは別に、ファンアートもたくさん投稿されています。
#デルタもん
— 一心堂🍀3Dクリエイター (@Isshin00825055) January 25, 2024
今日もコツコツデルタもん。
リギングとシェイプキーの調整終えてVRMでフォーマットしました。
ランドセルのウエイト調整がめっちゃ大変でした😅
メカっぽい膝関節よき☺️
このあと自分の動画に使うので、それが済んだら多分一般公開します。 pic.twitter.com/yLESu3jDs4
素晴らしく滑らかにダンスしたり、
#デルタもん ガチャ
— 阿久朗R@がんばる (@BD_AQROU) January 31, 2024
タップで止めてデルタもんが出たら大吉。 pic.twitter.com/lIBHVvZsWx
たくさんの「デルタもん」をGIFアニメーションにしてガチャにしたり、
おはようございます。朝食はピザで🍕#デルタもん & #HeroicAnimals #AIart #dalle3art #ImageCreator @Heroic_Animals pic.twitter.com/7OGxxmQMYq
— 🇯🇵Izuru.astr🌟HeroicAnimals🚀 (@grifonbk) January 30, 2024
リアル方向に振ったりと、クリエイターの発想力でどんどん広まっています。
AI×UGC=IPキャラクターの新しいカタチ
旧来のIPは、テレビ番組発であったり、マンガやゲームのキャラクターがベースであることが多く、また、ファンによる二次創作はグレーゾーンでした。
「デルタもん」は最初からAIを使ったUGCによる二次創作を前提としていますし、商用利用すらOKという方法を採っています。非常に今っぽく新しいやり方です。
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熊本県PRキャラクター「くまモン」のイラストは、下記3つの目的で使用される場合、加工品や農林水産物のパッケージや、グッズ等にご使用いただけます。
1.熊本県のPR
2.熊本県産品の販路拡大
3.熊本県の産業、文化・芸術、教育及びスポーツの振興
名前が似ている「くまモン」も、キャラクターIPの中では比較的自由度が高いレギュレーションで他者に使ってもらうことを前提にしたことから、日本全国さまざまなところで目にするようになりました。
「デルタもん」が挑戦するAI×UGCによるIPキャラクターの新しいカタチが成功すれば、他のIPの展開方法やIPを使ったマーケティングの仕方にも大きな影響を与えるでしょう。
なお「アルファパラダイスプロジェクト」はギリシャ文字の24文字をモチーフにしたキャラクターシリーズで、今回発表された「デルタもん」に続き、今後随時新キャラクターを発表していくとのこと。またそれぞれのイラストの詳細設定、3Dモデル、LoRAモデルなど、幅広い商用版権フリー素材も提供していく予定とのことだ。
「デルタもん」に続けてギリシャ文字シリーズのキャラクターがどんどん出てくるとのことです。次はイプシロン→イプシもん、かもしれませんし、
「デルタもん」という名称は、COVID-19変異株の「デルタ」に付けられたネガティブな印象を払拭し、よりポジティブなイメージを持っていただけるようこの名前が選ばれました。
COVID-19変異株由来ということならオミクロン→オミクもんかもしれません。
次の名前やキャラクター設定を想像してしまうあたりも、まんまと乗せられてしまって上手だなぁと感心しきりです。