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『HashPalette、d払い対応NFTセール実施予定。NFT≠仮想通貨払い』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.3.17
■HashPalette『THE LAND 〜エルフの森〜』「dアカウント」「d払い」対応NFTセール実施予定
今回のセール以降、同社が運営するNFTマーケットプレイス「PLT Place」は、株式会社NTTドコモが提供する「dアカウント」によるログイン、および「d払い」に対応することをお知らせいたします。
最近発表されるNFTやウォレット関連のweb3ニュースは「法定通貨払いに対応」を謳うものが増えていますが、HashPaletteの今回のニュースはドコモのd払いに対応とのこと。ちょっとキャッチーです。
NFT=仮想通貨払いの脱常識化フェーズ
これまでNFTというと仮想通貨で払うものだという感覚が常識化していました。多くの一般の人、非クリプト民には「仮想通貨は難しい、ワカラナイ。なのでNFTも縁遠い。」と自分事化してもらえない状況でした。
今だとNFTやGameFiなどではわざわざ「法定通貨対応!!!」と声高に言って一般人の耳目を引きますが、まず第1段階としてそろそろ法定通貨対応が当たり前になるのではないかと思います。
つまりプレスリリースでわざわざ「法定通貨対応!!!」とは言わない状態です。ただ、これもまだ第1段階です。
NFTと言わないフェーズ
決済方法が身近な法定通貨やd払いなどに代わっても、売られるものが縁遠いものやよくわからないものでは買われませんし流行りません。
NFTであること自体がウリである時期もそろそろ転換時期が来ます。
例えばライブチケットは昔からあります。チケットがNFTであること自体は本質的な価値ではないはずですし、ライブチケットが欲しい人はNFTだから欲しいのではなくアーティストのファンだから、ライブを楽しみたいから欲しいわけです。
今回提供を開始する「レコチョクNFTチケット」は “チケットそのものがNFT”となっています。紙チケットのように所有でき、電子チケットのように扱える、唯一無二の特別なチケットで、法定通貨で購入が可能です。
ライブに行きたい多くの人にとって、NFTであるかどうかに意味や価値はなく、またそのような人にとって法定通貨で購入が可能なのはある意味当然です。チケットを多く売りたければ当然、買ってくれる人が買いやすい方法で販売すべきですから。
チケットを例に挙げましたが、本質的にはNFTであるかどうかに依らない需要があることが重要です。NFTであるかが問われないさまざまなものが技術的にはNFTでした、となるフェーズが来ます。
仮想通貨払いはグローバル&相互運用に適している
仮想通貨払いに意味や価値があるケースもあります。
世界共通通貨としての役割です。
外国で売られているものを買うときはむしろ法定通貨建ての決済が障壁になるケースがあります。ノルウェーにクローネ建てで振り込むのはなかなか大変そうですし、クレジットカード払いで手続きがないにしても手数料が高額で着金までの時間もかかります。
仮想通貨・暗号資産建てで決済するなら、通貨次第ではありますが面倒が少ないケースはあります。事前手続きとして口座開設などはあるものの、ETH建ての方が世界中から購入者を募りやすくなることもあり得ます。その代表がOpenSeaでのNFT売買でしょう。
他にも、例えばGameFiなどで稼いだ暗号資産で直接支払えれば、法定通貨に変換して払うより手間がありません。DAOの報酬をステーブルコインで受け取るということも今後増えてくると思いますが、受け取った暗号資産を法定通貨に交換することなく使えた方が便利な場合もあります。
バズ時期を脱した後が勝負
今はまだ「NFTをd払いで買える!」はすごく変わってる感がありますが、「コンビニでコーヒーがd払いで買える!」はニュースにならないのと同じく、法定通貨やd払いで買えるのも当然だし、売られているコーヒー自体に需要がなければいけません。
そんな本質的な転換時期にそろそろ入ってきたのだろうと思いますし、バズワードを失った後にNFTや暗号資産が根付くか、これからが勝負の時期だろうと思います。