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『EV充電スタンドを2030年に5倍15万基の政府方針。広告や民家活用など充電器普及アイディア』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.3.26

■全国で相次いだ充電スタンド撤去 異業種タッグで反転後押し

「これからEVシフトが進む。大阪市としては契約更新を希望したんですが、採算が厳しかったようです」
大阪市役所の地下駐車場に設置されたEVの急速充電器。今月24日でのサービス終了が決まったことに、市の担当者は残念そうに話した。

電気自動車(EV)の普及が予想され期待もされていはいますが、やはり街中の充電設備がこと少ないことを懸念する人は多いと思います。

EVが普及すれば充電設備で収益化できる。
と期待値を上げることで投資を促してきたものの、実際に充電設備に投資した自治体や民間企業も採算が取れないことを目の当たりにして撤退がい相次いでいる、というニュースです。


自動車ディーラーすら充電スタンドを撤去

日産「サクラ」で 環状8号線の 外回り・内回りにある 急速充電に全部はいると どうなる?にチャレンジ その結果は?

というチャレンジ企画を挙げたyaneuratvの「したいクン」。
ネタバレですが「環八沿いで急速充電できるところが1か所もなく断念」という衝撃の結果に終わります。(環八に面していなければダメで側道沿いもNGという厳しいルールでの実験だったので、実際には環八沿いを走っていて電欠してしまうようなことはありません。)

それよりも衝撃だったのが、充電スポットを検索するアプリで出てくる自動車ディーラーすら充電スタンドを撤去もしくは稼働停止してしまっていることです。(アウディフィアット


10年以上前だと早すぎた

元年度の3万320基をピークに2年度には2万9233基と減少。その後微増したが、今年2月末現在も3万基には戻っていない。EVの普及が想定より進まなかったのが原因だ。

EVの普及を見込み、早くに設置された充電器は次々と耐用年数を迎え、設備を更新しても採算が合わないとして撤去するケースが増えたとみられる。

ちょっと早すぎたのかもしれません。

昨年は日産サクラが日本カーオブザイヤー、RJCカーオブザイヤー、日本自動車殿堂カーオブザイヤーの三冠受賞し、多額の補助金で相当割安に買えることもあり一時受注停止するほど爆売れしました。

三菱アウトランダーPHEVもフルモデルチェンジ後の最新型の評価が非常に高く、近所や街中でかなり見かけます。

日産リーフか三菱iMiEVくらいしかなかったころと違い、昨年以降はいよいよ本格的にEVやPHEVなど充電可能な車両が急速に普及期に入りそうな芽吹きは感じます。

このニュースが報じるように10年以上前に設置された充電スタンドが撤去され総数として減少したのは事実ですが、さすがに10年以上前にでは早すぎたのでしょう。当時は充電スタンドの初期投資も今より高かったでしょうし、そのままの設備を更改しても採算が合わない、最新で安価なものに置き換えても過去の赤字を取り戻すほどは稼げないのだろうと思います。


充電スタンドを2030年に5倍の15万基に

政府は令和12年度に、国内のEV充電器を15万基に伸ばす計画を立てる。4年度、5年度にそれぞれ関連予算を計上。経済産業省は「充電器が減ったことは認識している。増やす取り組みをしていかないといけない」とし、テコ入れを図る。

和暦をニュース記事に使うのを本当にやめてほしいんですが、政府は令和12年というと7年後だから2030年に充電スタンドを今の5倍の15万基にする計画を立てているそうです。

記事内では、法人向けの取り組みとして、営業車用充電スタンドの設置場所調査と共用を研究、

関西電力、家電量販店の上新電機、高島屋など12社。実験では、各社が所有する充電器とEVを参加企業間で共用(シェア)。参加企業は営業車などでEVを使いながら、充電器の利用頻度や場所などをデータ化し、需要のありそうな場所の条件を探る。データをもとに、主に法人向け用の充電器を設置していくという。

民間での取り組みとして、マンションに充電スタンドを設置しての実験、

日産は積水ハウスと組み、今月4日から横浜市内の積水ハウスの集合住宅に充電器を設置、日産のEV「リーフ」を貸し出し1泊2日でEVと充電器のある暮らしを無料で体験する実験を始めた。集合住宅でのニーズを探り、両社とも将来の商品開発に役立てる。

自治体の取り組みとして、新築マンションに充電スタンドの設置義務化条例を制定、

東京都が、新築マンションにEVの充電設備設置を義務づける全国初の条例を定めるなど、今後集合住宅への設置が進む可能性がある。住宅業界のEV対応も加速しそうだ。

という取り組みを紹介しています。


投資家と充電スタンド設置のマッチングモデル

海外では、電動トゥクトゥクを普及させるための取り組みとして、充電スタンドを設置・運用に対して世界中の投資家が暗号資産カルダノを通じて投資するスキームも実施されています。

充電スタンドの設置には初期費用とメンテナンスなど運用費用とかかります。その費用を大勢の投資家が賄う代わりに、充電・売電による収益を投資家に還元するというモデルです。

EVが普及して十分な充電回数が見込めれば投資益も上がります。

このモデルはこれからEVがもっと普及すると見れば日本でも採算が合うモデルになる可能性はあります。


広告付き充電スタンドも試されている

長田広告Webサイトより引用

この事業による収益は、充電設備の維持管理に使用され、横浜市は運用費を歳出することなく住民サービスを充実させるとともに、横浜市が掲げる「Zero Carbon Yokohama」の取り組みを推進するものです。


充電には30分など一定の時間がかかります。その間に目に触れる広告を設置し、その収益で充電スタンドの運用維持費を賄うとしています。

場所によってはデジタルサイネージ化もできそうで、ターゲットや時間帯などに応じて広告内容を変えることも技術的には可能になります。


ラジオで店頭インタビュー型広告付き充電スタンドもアリ?

この写真のような屋外広告を掲示するかたちだけではなく、ラジオ番組で店舗や商品の宣伝を入れる権利付きの充電スタンドなどもあり得そう、という話がラジオ関係者からも挙がりました。

ラジオ番組の中でラジオキャスターがお店に取材に行き、店員さんにお店や商品についてインタビューするというものを聴いたことがある人は多いと思います。

あのスタイルをラジオ広告化して、充電スタンドとセットで販売または既に充電スタンドを設置しているお店に営業することで、ラジオでお店を紹介してもらえる権利付き充電スタンドという広告商品になります。

充電スタンドがまだ少ないうちは競合が少ないですし、地方のラジオではラジオキャスターの出番が多いこともあり、結構おもしろいかもしれません。


akippaなどで民家の普通充電器を活用

民家などの車庫を貸し出すサービスに、充電スタンドの利用料金を付加できるようになれば普及の後押しになりそうです。

EV車両を購入の際、自宅に充電スタンドを設置する人は多くいます。
充電スタンドが設置されている民間の車庫をakippaなどで利用できれば出先での充電の不安がなくなります。

コインパーキングと違ってakippaを利用する場合は比較的長時間停めるケースが多いため、家庭用として設置される200Vの普通充電スタンドであってもそこそこ充電できます。日産サクラのようなバッテリーが小さい車両であれば満充電にできることも多いはずです。


アイディア次第で充電スタンドを増やせる

本格的な充電事業者の参入を待たずとも、アイディア次第であちこちに充電スタンドがある状態は目指せるのではないかと思います。

NECはENEOSに事業を引き継ぐかたちでEV充電事業から撤退、かわりにENEOSがガソリンスタンドでの充電を提供するとのことですが、1台30分も充電にかかるようだとガソリン給油のような回転数は望めません。

ガソリンスタンドにとってはEV普及は逆風なのでEV充電事業に参入することを検討するのは当然かと思いますが、実際にはガソリンスタンドの場所自体が将来はもっと減るのだろうと予想します。

道の駅や高速道路のSAなど車両が集中する場所では需要が確実に見込めるため充電スタンドで利益は上がるでしょう。しかし何台設置しても充電待ちの行列ができるうえ、充電事業者にとっては行列ができる状態は稼働率100%なわけで、台数を増やして稼働率を下げると利益率が下がるため台数を増やしたくない動機が働きます。

今回ご紹介した広告商品化や民家の普通充電器の活用など、より細かく分散的に充電スタンドが設置されていくためのアイディアが今求められているのだと思います。

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