『新iOS18「パスワード忘れ」から解放される。その向こう側はパスワード認証の禁止が必要ではないか?』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.8.7
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■スマホの「パスワード忘れ」から解放される日秋公開の新OSでiPhoneのパスワード管理が変わる
毎年秋になると、新型iPhoneの発売とともにAppleの新しいOSアップデートが話題になります。今年のiOS 18では、多くのユーザーが抱える「パスワード問題」に一石を投じる新機能が登場します。それが、新しい「パスワード」アプリです。
このアプリは、Appleが提供する純正のパスワード管理機能で、従来のiCloudキーチェーンをさらに使いやすく進化させたものです。Face IDやTouch IDを利用して、パスワードを安全に管理し、自動入力で手間を省くことができます。これにより、ユーザーは複雑なパスワードを覚える必要がなくなり、セキュリティリスクも大幅に減少します。
OSレベルでの安心感
サードパーティーのパスワード管理アプリも便利ですが、OSレベルで提供されるAppleの「パスワード」アプリは、より安心感があります。Appleがセキュリティとプライバシーを重視した機能を提供するポリシーは一貫していますし、サービス終了の心配は限りなく低いためです。
パスワードがない世界が理想
多くのユーザーがパスワード管理の煩雑さから解放されることを期待している中、Appleの取り組みは歓迎されるべきものでしょう。しかし、このような便利な機能が登場しても、根本的な問題が解決されるわけではありません。
そもそもパスワードを要求するWebサービスやアプリがなくなることが必要だからです。
EUの規制から学ぶ
EU(欧州連合)は、電子機器やデジタルサービスに関して数々の規制を導入し、消費者の利便性向上や環境保護を推進しています。たとえば、最近ではUSB-Cポートの統一が話題になりました。これにより、さまざまな充電器が不要になり、電子廃棄物の削減が期待されています。
さらに、EUは消費者が容易にバッテリーを交換できる設計を求めたり、エコラベル制度で製品の環境影響を可視化したりしています。これらの取り組みは、企業がより持続可能な製品を開発することを促進し、消費者の選択肢を増やしています。
パスワード認証の禁止をルール化できないか?
それでは、EUのように業界全体に規制を設けることで、パスワードを要求しない世界を実現することはできないでしょうか?
現在、パスワードの代わりに使われる技術としては、生体認証やパスキー(FIDOアライアンスによる)などが注目されています。これらは、パスワードに依存しない認証方法であり、ユーザーの利便性を向上させると同時に、セキュリティリスクも低減します。
EUがこうした新しい認証技術を業界標準として推進することで、パスワードに頼らないシステムを普及させることができるかもしれません。
パスワード不要な世界への提案
まず、業界団体やスマホメーカーが主導して、パスワードに代わる認証技術の基準を策定し、企業に対してその導入を義務付けることを提案します。
生体認証の標準化: 顔認識や指紋認証など、生体認証技術の標準化を進める。これにより、ユーザーがどのデバイスでも同じ方法でログインできるようにする。
パスキーの普及: パスキーを利用した認証システムを推進し、パスワードに依存しない仕組みを構築する。これには、企業がパスキーをサポートするためのインセンティブを提供することが考えられます。
セキュリティ教育の強化: 消費者に対して、新しい認証技術の安全性と使い方を教育し、安心して利用できる環境を整える。
既存システムの移行支援: 企業が従来のパスワードシステムから新しい認証技術へスムーズに移行できるよう、技術的支援や資金援助を提供する。
このような取り組みが進むことで、私たちはパスワードの煩雑さから解放されるだけでなく、より安全で便利なデジタルライフを享受できるようになるでしょう。
結論
iOS 18の新しい「パスワード」アプリは、私たちのパスワード管理を大きく変える可能性を秘めています。しかし、それ以上に重要なのは、パスワードそのものを不要とする新しい技術を導入することです。
EUの規制が示すように、業界全体での取り組みがあれば、より安全で便利なデジタル社会の実現は夢ではありません。