『「Web3版インスタ」RevelのNFT活用方法』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.1.16
■「Web3版インスタ」Revelが提案する新しいフォローのカタチとは/GB Tech Trend
写真投稿SNS「Instagram」で、投稿した写真がNFT化できて販売できればいいのに、と考えた人は多いと思います。
逆にNFTマーケットプレイス「OpenSea」は写真投稿SNSのように使おうと思えば使えます。もちろんタイムライン形式にはなりませんしSNS的にコミュニケーションを誘発する機能はありませんが。
「Revel」はどちらかというと「Instagram」にNFT発行機能を追加した方に近い構造のサービスです。かつまた、投稿した写真をNFT化して売買可能にするだけでなく、投稿者に対してフォロワーが「ファン度を表明する」というユーティリティを付け加えようとしています。
これがタイトルにある「Revelが提案する新しいフォローのカタチ」です。
■NFTによってフォロワーにファン度をつける
Instagramでは興味のある投稿者をフォローすると自分のタイムラインに投稿された写真が並ぶようになります。
しかし投稿者から見るとフォロワーは全員一律で「人数」のうちの一人にしか見えません。コメントを熱心に返す人のハンドルネームは覚えたりしますが、フォロワーの中で自分に対して熱量が高いファンがどのくらいいるのかを探す方法はありません。
たとえばフォロワーに対して有料オンラインイベントを告知したとして、チケットを買ってくれる人がどのくらいいるのかを感覚的に把握することは難しく、フォロワーの人数が多ければ確率的に〇%くらいは買ってくれるかな?とエイヤで予想しつつ何度か試して販売実績を積むしかありませんでした。
「Revel」の場合はフォロワーに会員権を販売する機能をNFTとして追加。「Common」「Rare」「Unique」の3種類を販売し、3種類をコンプリートすると「Series」になるという4段階の経済的ヒエラルキーを設定しています。
たんにフォローしているだけという無料会員のランクも含めれば全部で5段階のヒエラルキーになります。
大勢のフォロワーの中の1人でしかなかった投稿者とフォロワーの関係をNFTの購入枚数によって区別をできるようにすることで、投稿者は日々の写真投稿の先のマネタイズをしやすくなります。
■NFTらしい二次流通やクラウドファンディング的使い方も
ご紹介したニュース記事内では触れられていませんが、NFTらしく購入者が自由に二次流通できるようにしたりクラウドファンディング的な使い方ができるとより発展性があるように思います。
販売する「Common」「Rare」「Unique」の3段階のNFTの枚数に敢えてさを付け「Unique」を希少化しておくことでレアリティによって価格差が自然と生まれます。
あとから「Series」をコンプしたくなった人は二次流通によって高値でも「Unique」を買う必要が生じます。
まだ知名度が低いうちに「Series」をコンプしておくとNFTに含み益が出ます。これを売って利確するか持ち続けてファンの証とするかが禅のように試されます。
クラウドファンディング的な使い方も可能性を感じます。
NFTをフォロワーに対して買ってもらうことで活動資金を得、NFTを購入してくれた人のうち「Series」所有の人にはより豪華なリターンを渡したり、優先参加権を付与することもできそうです。
そうなると、たとえば有料オンラインイベントの参加チケットそのものをNFTとして販売することもできるようになります。
Instagramでは投稿者が直接的にマネタイズする方法がありませんでしたが、RevelではNFT化により直接的な販売益を得られるだけでなく、投稿者のクリエイティブな活動全般についてマネタイズしやすくなるという新たなNFTの活用方法がさまざま考えられそうです。
■SNSにNFTによる「ソーシャルゲーム的経済学」導入が普及すれば
購入するかどうか、何枚買ったかどうかという経済的なかかわりだけでファン度を表現するだけでなく閲覧回数やコメント量などの行動履歴も加味してもよさそうですが、「ソーシャルゲーム的経済学」に注目するなら投稿者の経済活動にどれほど寄与するかが重要という考え方も当を得ているかもしれません。
Instagramではフォロワーの人数しか指標がなかったところ、Revelでは会員権NFTの販売実績や有料イベントのNFTチケット販売量などお金の動いた量も証明可能になり、インフルエンサーとしての影響力がより大きくなるはずです。
Revelのモデルがうまく行くなら、InstagramやTwitterはもとよりYouTube、TikTokなどでも同様の仕組みを導入するかもしれません。そうなってくると記事タイトル通りSNSにおける新しいフォローのカタチへと移行していく未来がやってくるかもしれませんね。