![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136895603/rectangle_large_type_2_4befba37ed601169f074fd6cd000dfda.png?width=1200)
『Meta社、生成AIコンテンツに「Made with AI」5月から明示へ』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.11
「先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。
新規ビジネスのアイディアのタネがほしい方、未来を想像してワクワクしたい方、読んでちょっといいなと思った方、ぜひフォロー・高評価よろしくお願いします!
■生成AIコンテンツに「Made with AI」というラベルがつきます
Meta(メタ)は、5月から生成AIによって作られた動画、画像や音声に「Made with AI(AIで作成)」とラベルを付与することを発表しました。Metaはこれまで、生成AIコンテンツの一部を削除する方針をとってきましたが、方針転換しました。
この変更によって、Meta傘下のサービス、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Threads(スレッズ)も順次ラベルが実装されます。既にMeta AIを使って作成された写真は、AI-generated content(AI生成コンテンツ)とラベルが追加されていました。
4月8日に『「私が撮影した写真です」を証明するC2PA規格はAI時代に必要なソリューション』という記事をお届けしました。
人間がカメラで撮影したという事実をブロックチェーンに記録し、報道機関などが「AIではない」ということを確認できるようにするソリューション「C2PA規格」の普及が進んでいることをお伝えするものです。
「Made with AI」明示の流れ
この記事の中で、
・人間の証明だけでなくAIも使用を明示しようとしていること。OpenAIなどソリューションベンダーもC2PAに対応し、「AIで作成しました」もブロックチェーンに記録することでむしろAIの信頼性を高めようとしていること。
・将来、ブラウザやスマホがC2PAの情報を参照して「これはAI」「これはAIではない」を明示するようになるだろうこと。
をお伝えしました。
この時代の流れを裏付けるものとして、Meta社は今年5月から「Made with AI」ラベルを表示することを発表したという恰好です。
AI製コンテンツを削除するのは現実的ではない
Metaはこれまで、生成AIコンテンツの一部を削除する方針をとってきましたが、AIコンテンツをこの世からなくすことは不可能で、現実的な方針転換をしたと言えます。
ただしMetaの今回の実装方法はC2PAに対応したものではなく独自実装のようで、Meta社製のAIを使った場合に「AI-generated content」ラベルが表示されるところから既に開始しているとのことです。
C2PA対応で「Made without AI」も明示か
将来、C2PAにも対応するのではないかと思います。OpenAIのDALL:E3のようにC2PAメタデータが参照できる画像なら「Made with AI」を表示できますので、Meta社製AIに限る理由はありません。
また、「Made without AI(AIを使っていない)」を証明することも重要になります。人間の手だけで作られたことを表示する場合、C2PAのような仕組みに対応が必要になります。今のところC2PAを利用するのが合理的です。
フェイク広告対策は別途必要
今回はMeta社がFacebook、Instagram、Threadsという自社サービス内のコンテンツで「Made with AI」を明示する対応によって、Meta社のサービス内コンテンツの信頼性が高まるだろうと思います。
しかしながら、FacebookやInstagramでフェイク広告が十分な考査や事後のチェックもなしに掲載される問題を抱えているMeta社にとっては「Made with AI」の明記だけでは不十分ではあります。
今後一層AIを使ったフェイクコンテンツが量産されることが予想される中においては「Made with AI」対応も重要です。
ブラウザやOSレベルで対応する日には
Meta社製サービスだけでなく、ブラウザやOSレベルで「Made with AI」「Made without AI」が明示されるようになるのではないかと予想しています。
そうなると、何もラベル表示されていないコンテンツが最も怪しく見えるようになるはずです。
もちろん、AIだから怪しい、AIを使っていないから信頼できる、というわけではありません。前澤友作さんをはじめとする有名人を騙ったフェイク広告はおそらく人間がバナー画像を作成しているものですし、AIかどうかではなくフェイクかどうかを判定できる仕組みができるのが究極の姿です。
人間は「怪しい」と感じ取る嗅覚を持っています。詐欺パターンの知識や、前澤さんなど有名人が言うはずがないという常識的な判断などが嗅覚のベースだと思いますが、これをAIが学習してフェイクかどうかを判定する機能が、ブラウザやOSレベルで実装されるのが「Made with AI」の先に待っている対応だろうと思います。
次期iPhone16がAIスマホ化するだろうと噂されていますが、消しゴムマジック的な写真加工AIやSiriのチャットボット化だけでなく、「ネット詐欺に遭わないスマホ」になるのが最も人類を幸せにするAIスマホではないかと思います。