『ドコモ、dポイント交換で15%増量キャンペーン。GameFiに応用できる?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.2.17
■今回は15% ドコモ、dポイントへの交換で増量キャンペーン 3月末まで
ポイ活が盛んな日本ではいろんな事業者が独自のポイントを発行しています。
自分が良く使うサービスで独自ポイントが貯まるのは良いのですが、バラバラに小額ずつのポイントがあっても使い勝手がよくありません。また、貯めやすいポイントと使いやすいポイントが別ということもよくあります。
そこで使い勝手がいいポイント大手に集約するニーズが消費者側に生まれます。今回はNTTドコモが36事業者のポイントをdポイントにまとめる出口として立ち、ポイントをまとめることができること・まとめると便利でお得であることを広めるための「15%増量キャンペーン」を開始しました。
ドコモの交換ポイント増量キャンペーンは定期的に実施されていたそうですが、私は今回初めて知りました。
クリプト・トークンは交換前提だがドコモの交換保証が稀有
暗号資産・仮想通貨・クリプト業界でも似たような状況があります。dApps、GameFiなどで独自トークンが無数の種類発行されています。
自分が遊ぶGameFiでもらえるトークンは多くの場合、そのままでは同じGameFiの中でしか使えません。使い勝手を良くするためにはメジャーなトークンや暗号資産、または法定通貨にまとめる必要があります。
暗号資産取引所やDEXで取り扱われているトークンであれば交換は可能です。マイナーな草トークンも、最終的にメジャーなトークンに交換する前提でGameFiで掘り集められたり売買されたりします。
ドコモが今回やったような、dポイント経済圏に誘導するために15%上乗せしてくれるキャンペーンはあまり聞いたことがありません。
何より凄いのが、36事業者の指定があるもののドコモが全部ポイント交換を受け付けることを保証していることです。
トークン・暗号資産の場合、交換をするたびにマーケットに対して価格変動の影響を多少なりとも与えて値動きしてしまいますし、ふつう買い板が薄いマイナートークンをすべて買い取ってくれるのに等しい施策になっているのは驚きます。
36ポイント事業者との交渉でディスカウントして買い取っているのかもしれませんが、ドコモの流動性保証はクリプトではなかなか真似しづらいものではないかと思います。
支払い時に直接交換「/Slash Web3 Payment」
どんな草トークンでもその場の時価で交換して支払いに使えるというソリューション「/Slash Web3 Payment」というものがあります。
これならメジャーなトークンに集約することを意識せず「どんなトークンでも使える」という体験ができるようになります。
暗号資産交換業免許が必要な事業にあたるため、Slash社がビジネスする場合は国によって導入ハードルが異なりますが、もしこれが世界中の支払いに使えるようになればとても便利です。
ポイントとトークンの交換ニーズも
例えばポイ活でdポイントを集めて、それをGameFiのトークンに交換してゲームを楽しんだり。
その逆で、GameFiで稼いだトークンをdポイントに交換して街中で使ったり。
そんなことが実現できたらトークンや暗号資産はぐっと身近になります。
今は暗号資産取引所の口座開設から始まり、無数に乱立したトークンに戸惑い、別のウォレットに移動させる時の失敗の心配にドキドキするなど、クリプトはとても多くの人が簡単に使えるものではありません。
ポイントとトークンや暗号資産は法律上の位置づけもまったく異なり規制も国によってバラバラなのですぐには実現しないはずですが、GameFiやdAppsで無理に規制の厳しい独自トークンを扱わず「ポイント」をEarnさせる仕組みとすることでdポイントとの交換を目指すというプロジェクトは面白いかもしれません。(ただ、それがweb3かと言われると違いますが。)
日本以外の国ではポイ活があまり行われていないそうなのですが、であれば日本から独自トークン的な位置づけでポイントを最大限活用してEarnを疑似体験してもらうことで、日本からクリプトサービスの実用的なユースケースが広めていける可能性は結構あると思います。
出口がdポイントというGameFi。分かりやすさという意味ではピカイチでしょう。