『AI普及のカギは「脱プロンプト」?写真や動画での入力がプロンプト難民を救うSunoの新機能』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.10.20
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■撮影したもの全てを曲にできる、Suno AI iPhoneアプリが人生をサントラ化する(CloseBox)
音楽を生成するSuno AIに、iPhoneアプリに新機能「Scenes」が追加され、撮影した写真や動画をもとにオリジナルの楽曲を自動生成することが可能になりました。
カメラ機能を使って撮影すると、その映像がそのまま曲に変換され、30秒のビデオクリップとしてSNSに投稿できる形式で出力されます。このアプリは現在、米国App Store限定で配信されていますが、スマホのカメラやマイクを活用して手軽に音楽を作成できる点が特徴です。
「プロンプト」は言語化力を要求する
画像生成AIから始まったAIブームですが、これまでの生成AIは「プロンプト」と呼ばれる言葉で指示する必要がありました。簡単な言葉でグラフィックや映像、Sunoのような音楽を生成できることが驚きでした。
しかし、その一方で「プロンプト」を難しく感じ、AIの利用を敬遠してしまう人も多いのが現状です。言語化力を要求されるのがまぁまぁ大変なのと、AIブームの初期に「プロンプトエンジニアで年収5000万円」みたく「プロンプト」が特殊なテクニックのように語られてしまったことで、むしろ苦手意識を持った人も多かったのではないかと思います。
例えば、画像生成AIに「夏の日差しを浴びる猫の絵を描いて」といった具合に具体的に要望を伝えること自体が難易度の高い作業となっています。何をどう指示すれば良いか分からないという「プロンプト難民」が生まれ、AIを使うことを諦めてしまうこともあるのです。
一方で、「プロンプト」は本来は簡単なものです。
AIを使う上で重要なのは「やりたいこと」や「やってほしいこと」を素直に言語化することです。プロンプトテクニックは、あくまでも補助的な「オマケ」として捉えるべきであり、本質はもっとシンプルなところにあります。
それでもなお、多くの人がこの「やりたいこと」を明確に言葉にすることが苦手であるという現実があります。
写真や動画をインプットに使う
今回のSuno AIの新機能「Scenes」では、写真や動画をインプットとしてAIに渡すことで、自動的にオリジナルの音楽を生成してくれます。
言語化の必要がない方法でAIにインプットできるようになることは、「プロンプト」に苦手意識を持っていた人にも取っつきやすさを取り戻し、AIのさらなる普及の大きな助けとなるのではないかと思います。
SNSでAI作品を見る機会が増える
Sunoの「Scenes」機能では、写真や動画から生成される楽曲が30秒のビデオクリップとして出力されます。この短い出力形式は、InstagramやTikTok、YouTube ShortsなどのSNSに投稿することを前提としており、SNSを通じてAIの作品を多くの人に見てもらうことが可能です。この仕組みが、AIの普及をさらに後押しする要因になると考えられます。
「気軽さ」から始まるAI体験
Sunoのアプローチは、入力のハードルを下げ、出力をSNSで共有しやすくすることで、AIのユーザーを増やすことを狙っています。しかし、AIを気軽に使えること自体が目的化してしまうと、本来のAIの力を最大限に引き出すことができなくなる恐れもあります。
そこで重要なのは、まずは簡単にインプットしてAIに触れてもらい、その後で「もっとこうしたい」と具体的なニーズが見えてきたら、それを言語化してAIに伝えるというステップを踏むことです。
つまり、最初の入り口は写真や動画といった直感的なインプットで十分です。これによってAIに慣れ親しむことができ、その後でユーザー自身の創造力や具体的な要望を反映させることで、AIをより高度に使いこなすことが可能になるのです。このような「気軽さ」と「深さ」のバランスが、今後のAI普及にとって重要な要素となるでしょう。
まとめ
今回のSunoの「Scenes」機能の事例からわかるように、AIとの接点がますます直感的で簡単なものになりつつあります。写真や動画をインプットとして使うことで、AIを身近に感じてもらい、さらにSNSを活用して多くの人にAI作品を共有することが、AI普及の大きなカギとなるかもしれません。