大切にしたい地域の伝統「さつまのささ福飾り」
鹿児島県さつま町の伝統「さつまのささ福飾り」を我が子に作りました。(2020.10)
さつまのささ福飾りについてや実際に作ってみて感じたことをご紹介します!
1.さつまのささ福飾りとは
女の子の初節句のお祝い物として、雛壇の代わりに赤い布やハギレを使い、母親や母方の祖母が子や孫の幸せを願い一針一針 手縫いで作った「さげもん」です。
人生50年よりも長生きしてほしいという願いを込めて51個作り、丸い輪に7列7段、中央に2連吊るす福寿縁起物です。
▶︎よく作られている縁起物
さるっこ:苦難・病・災いが去る
羽子板:悪いものをはねる
梅の花:花のようにかわいく華やかに
唐辛子:娘に悪い虫がつかないように
蝶々:蝶々が舞うようにかわいく成長するように
風車:子どもの遊び道具、事がうまく回るように
柿:幸せをかき取る、長寿の木
草履:足が丈夫に、早く歩けますように
椿:美しく優雅な女性に育ちますように
うさぎ:赤い魔除け
まり:子どもの遊び道具、事が丸くおさまるように
三角:薬袋・香袋として
金魚:優雅に人生を渡り多産を願い
巾着:幸せが詰まりお金に困らないように
宝袋:幸せがたくさん集まりますように
扇:末広がりの縁起物
もも:薬効があり延命長寿を願い
ほうずき:女性の守り神、婦人病の薬効として
こま:子どもの遊び道具、幸せが回ってくるように
着物:身を守り贅沢に恵まれるように
さくら:節句に欠かせない、優しい心が育つように
2.宮之城初市での展示
「さつま町商工会女性部」「NPO法人ひっ翔べ奥さつま探検隊」に所属する女性の方々や、月2回の講座(生涯学習講座)に通っている方々などが作った作品を、毎年2/7に開催される宮之城初市※で、商店街を中心とした店舗などで展示しています。
(店舗によっては販売も行っています。)
元々は女の子の縁起物として作られていましたが、現在では兜や鯉のぼりなど男の子の縁起物も作られるようになり、様々な作品を見ることができます。
※今年の宮之城初市は、新型コロナの影響で延期となり、延期後の日程も今後の感染拡大状況次第となっています。(開催情報はこちら)
3.さつまのささ福飾り作り
協力隊になって初めてささ福飾りを見に行った時、作品がとても素敵だったことと、子どもの健やかな成長を願って手作りするという昔ながらのお祝いの仕方に惹かれ、自分に子どもができたら作ろうと思っていました。
妊娠が分かってからつわりで数ヵ月休んでいたこともあり、生涯学習講座の申し込みのタイミングが遅くなってしまい、出産予定日までに7列7段、中央2連の51個作るのは難しいということでした・・・
残念だけど初節句に間に合わせるのは諦めるしかないかなと思っていたら、ありがたいことに 作りたいと思ってくれた気持ちに応えたいと1列7段で形になるよう講師の先生が取り計らってくださいました!
おかげさまで、素敵なささ福飾りができました!
作るのが楽しくなり、市販の布などを買って甥っ子の分も作りました。
(写真 左:我が子用、右:甥っ子用)
4.実際に作ってみて感じたこと
ささ福飾りの生涯学習講座※は、受講料+材料費(作る分)が掛かりますが、布や型、綿など必要な材料と作り方のセットを用意してくださり、分からないところは丁寧に教えてくださったので、不器用な私でもなかなかの仕上がりになりました!
※生涯学習講座は、原則 町内在住者のみ対象です。
他にも写真やマジックなど様々な講座があります。
(詳細はこちら)
産まれてくる赤ちゃんのことを思いながら、一針一針縫って作っていく時間は、とても穏やかな気持ちで過ごせました。
ささ福飾りを見るたび、子どものことを思って作った時間を思い出します。
「あなたの健やかな成長を願ってお母さんが作ったんだよ」
「お父さんやお母さんにとってあなたはとても大切な存在なんだよ」
って、ささ福飾りを通じて子どもに伝えられたらいいなと思っています。
子どものことを思って何かをする時間はとても大切なことだと思っているので、ささ福飾りはとても素敵な伝統だと感じました。
これからも受け継がれていってほしいと思います。
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