今、僕にできることは穴を掘ることだけです

2022年8月、農業をするために僕は移住をしました。
ちなみに無肥料無農薬の野菜つくりにチャレンジです。

初めての農地は友人をつてを頼って出会った不動産屋さんが探してくれました。

最初は合計5反ぐらいの広さでした。3か月くらいかけて畝を立てることができたので、ひとまず土地をさらに借りることにしました。

その後は「農業活性化機構」という機関を使って合計1.5町歩(東京ドームのグラウンド部分くらい)の広さを借りることになり、現在に至ります。

畝を次々と完成させ、どんどん野菜を育てていくぞ。
そう意気込んだ1年目でした。
そう甘くなかったです。

石は出る。土は固い。夏は暑い。梅雨は雨が降って作業ができない。全身を蚊に刺されてかゆい。

いろんな経験をしました。
(農家には当たり前のことですが、大都会東京生まれのシティボーイにはそれはそれはきつい日々でした。)

そして1年半たった現在、野菜を育てられているのかというと…..

想像の1割くらいしか育てることができていません。
収穫物で言ったら想像の0.1割くらいだと思います。
(自分のごはんはスーパーで買う毎日です)

なぜそこまで育てられていないのかというと….

水がはけないのです……

第一拠点(2023年1月の様子)

当たり前です。僕たちが借りた農地はすべて元田んぼです。

ん?田んぼだと野菜は作れないの?
そう思ったあなた。1年前の僕です。

田んぼは米を作る場所、畑は野菜を育てる場所。
違いに関してはそのくらいのもんだと思っていました。

現実は全く違います。
これでもかってほど違います。
泣けるほど違います。

田んぼは栽培期間中、水をためておかないといけないため、はけさせないために「耕盤層」という層を形成させます。
それが何かというと、重機などで押し固めることによりできる土の密度が非常に高い層です。

これが非常に厄介でして、畑は非常に多様で複雑な生物群を形成することが重要です。
そのためには適度な湿度、適度な温度、適度な風通しが不可欠です。
水がはけないというところではどうなるかというと…..

はい、微生物はほとんど溺れ死にます。

微生物の視点はきっとこんな感じ

それに加え、溝にまったく踏み入ることができないという問題もあります。

つまりは作物を植えても育つのが遅い。そもそも植えるために踏み入ることすらできない。という悲しい現実が目の前に爆誕します。

いつまでも植え付けができないじゃないか

なのでまずは水がはける環境に変えていくことが重要になります。

本を読んだり、ネットを徘徊したり、ワークショップに参加したりした結果、

緑肥の力に頼る
大麦を植える
地形を読んで溝を掘る
穴をあける

色々な方法がありました。

緑肥はとりあえず植えました。
経験のなさも相まって雑草と混じるとどれが緑肥なのかは全く分かりません。
大麦は11月植えらしいので一旦保留

残すところは地形を読んで溝を掘る、穴をあける。
この二つになります。

とあるワークショップに参加する機会があったのでその時に自分の農地の状態を伝え、アドバイスを求めました。
「段になっているところがあると思うのでそこに向かって溝を切ってください」
と言われました。

ほおほお、確かにそれならいけそう。でも自分たちが借りている畑は過去の区画整備の影響で四方がコンクリートで囲まれているんだよなあ。
と思いながら、僕は言いました。
「なるほど、四方がコンクリートで固められている場所でも効果はありますか?」

コンクリートで囲まれている第3拠点

答えてくれました。
「すごい土地を借りましたね('ω')」
「でしたら、水がはける深さまで穴を掘ってください。できるだけたくさん

僕たちが借りた土地はすごい土地みたいです。
よっしゃー!(絶対ほめられてない)

ということでたどり着きました。今できる最適解。
それは

穴を掘る

よし!やるぞ!
ところでどのくらい掘ればいいんだろう?
調べてみると、耕盤層は地中40cmくらいのところにあるらしく、そこを貫くと水ははけるようになる可能性があるとのことでした。

これは楽勝だなと思いました。
なぜならビニールハウスを建てるために買ったアースオーガという機材があるので80cmくらいは余裕で掘れる確信がありました。

なのでひたすら掘れるときにたくさん掘りました。30個くらいやったかな?
効果があるのは2週間以降先になるみたいなので心待ちにしていました。

灰色のところが穴を掘った後

2週間後。はけない

1か月後。はけてない

いつまで経ってもはけるようになりません。

何なら水が腐って異臭までしています

激臭水。臭すぎワロタオワタ
土砂流入防ぐために刺していた竹、完全に腐ってました

おかしい!ネットの情報は嘘だ!

色々な人に話したりした結果、判明した事実が

掘ってみないとわからないよ

とのことでした。
耕盤層が40cm地点にあるというのはあくまで1例らしく、その土地の土の状態や耕作実態や地形の問題など、あらゆる要素が地形を形成するため、千差万別、同じところはほとんど存在しないそう。

なのでもっと深く掘ることになりました。

今回は延長ポールを購入して120cm掘れるようにしました。もはや機械の高さが胸のあたりまで来ているのでその場に立って掘ることは困難です。
畝の端に足をかけて一生懸命やるしかなさそう

ててーん!
頑張って掘るぞ!

そんなこんなでたくさんの120cm穴をあけました。

そして2週間が経過….
多少ははけるようになってきたかな?気のせいかな?

ネットで同じように穴を掘っている人たちがいるのでたくさん見てみると、結構次の日にははけているところが多いんです。

まだ深さが足りないのか………
ということでさらに延長ポールを買いました。
もはや長すぎて身長と変わりません。

一昔前の鬼ハンです('ω')

懐かしのカマキリハンドル

180cm近くまでこれで掘れます。頑張りましょう('ω')

とまあ、こんな感じで今なお現在進行形で穴掘りしています。
効果が現れるのもきっと長期戦になるのでまた記事にしたいと思います。

先は長いぜ!

お読みいただきありがとうございました。

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