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【参加レポ】森づくり×まちづくり一緒に考えよう!森林ビジョンって?

市民が地域の森林ビジョンをつくるには

2024年11月16日(土)、熊本県上益城郡にある「山ぼうしの樹」で開催された「森づくりとまちづくりを一緒に考えよう!」に参加してきました。このイベントは、地域の森を守り、活用しながらまちをより良くしていくために、市民が参加・協力して森林ビジョンを考える場となりました。

とその前に、この会場の「山ぼうしの樹」素敵な古民家を改装した場所で、入口から店内のデザインまでセンス溢れる空間でした。到着するなり、思わず写メを撮りまくってしまいました。

素敵な敷地内への入り口 アプローチも素敵すぎ


古民家を改装されている 店内の入り口がセンス良すぎ


会場の中どんなだろう ワクワク

主催者の意図

今回のイベントでは、上流域から下流域までを結ぶ「森づくり」と「まちづくり」の構想=ビジョンを一緒に考えてみようというものでした。森林環境税や森林環境譲与税をきっかけに、市町村自治体単位での「森林ビジョン」策定が進んでいる中で、このビジョンがどのようにプロセスされ、実現されるのかについて深く学ぶ機会となりました。

森林ビジョンのつくり方
森づくりはまちづくり
流域は山の神様からの借り物

森林ビジョンとは何?

森林ビジョンとは、地域の森林をどのように保全し、活用していくかについての長期的な計画や構想のことです。このビジョンは、地域社会が持続可能な形で自然環境と共生し、経済活動やコミュニティの発展を図るための指針となるものです。

  • 森林の保全:森の健康と多様性を保つための方針や具体的な対策。

  • 経済活用:木材の生産や観光など、森林資源を活用して地域経済を活性化する方法。

  • 教育と啓発:森林の重要性を地域住民や次世代に伝えるための教育プログラムやイベントの企画。

  • コミュニティ参加:市民や地元の団体が積極的に参加し、意見を反映させるプロセスの確立。

このように、森林ビジョンは地域全体の協力を得て、持続可能な未来を築くための大切な計画となります。
地域の人々が協力して「森の未来」をデザインするためのロードマップです。

イベント内容

井上有加さん(林業女子会@高知 代表/高知県 安芸市)による講演では、具体的な事例を交えつつ、地域の森林資源をどう活用し、持続可能なまちづくりに貢献するかについて話されました。

森林環境税、森林環境贈与税の使用用途を考えるとき、大体、どこの市町村もそこのお役所の方や専門の方々の委員が構成され、そこで計画して実施して事後報告するというのが一般的とのこと。だから、現状市民やそこに暮らす人たちの声が届きにくい形になっているらしい。
そこに井上さんは、まず市議などの力も借りて委員に入られ、更には一般の方の声を入れるように市民公募の枠も増やしたと言います。

この市民を巻き込んでいくように、具体的にアクションを起こされているのが、さらっと言われていましたが、簡単でなく本当にすごい。

また、次のキーワードがとって素敵でした。
「ビジョン」×「まちづくり」×「流域」

~森から海へ、すべての人にその恩恵が行き渡るまちづくり~

豊かな森林で生まれた水は、川になり、まちを潤して、海を豊かにしている。木を伐り出す林業(川上)木を加工する製材業(川中)木を使う建築業や木工業(川下)これらの産業を盛り上げ、さらに森を元気にすることで、河川環境や海の環境までも良くしたいという思いが込められているそうです。

スローガンのロゴもカッコいいのです!

「Blue Forest,Blue Ocean.(ブルーフォレスト・ブルーオーシャン)」
これは、森が青々とすれば、海も青くなる、森が良くなれば海も、まち全体も良くなるという想いを込め、本市が森から海までつながるまちであること、森が豊かな環境や産業、経済を含めたすべての源であることを表現しています。

引用元:安芸市HP

3つのテーマ
「森づくり=まちづくり」という視点を大切にしながら、次の3つのテーマに沿った30のアクションプランに取り組まれている。
1. 流域の命と暮らしを育む「森づくり」
2. まちと暮らしの価値を高める「木づかい」
3. 森林と生きる幸せを感じられる「まちづくり」


井上 有加さん(林業女子会@高知 代表/高知県 安芸市)

その中で紹介された動画も素敵でした。

https://youtu.be/58Y-xuLBJ3o?si=AruRqx56Ji8Tv8M6

まちづくりの中の森づくりを通して、森から遠い人にも身近なこととして、森と人との関係を考えるきっかけづくりになっていくのだろうと、お話を聞きながら改めて感じました。


続いて、熊本県内の森づくりプレイヤーたちによる取組紹介では、地域のことを考え、盛り上げる情熱が感じられました。特に、小国町森林組合の入交律歌さんが紹介した「小国杉」の取り組みは、地元資源の活用とブランド化の良い事例紹介でした。

入交 律歌さん(小国町森林組合/熊本県 阿蘇郡小国町)

小国杉で出来る「木糸-もくいと-」の紹介も。
小国公立病院の移動診療車のカーテンやベットカバーなども利用されている。無機質な空間になりがちなところへの取り入れ方が素敵ですよね。
木の温かみや香りが感じられる診療車、私の町にも入れてほしいです。

めぐりめぐってまた会える、森に還る循環素材
「木糸(もくいと)」は木材の繊維を原料とする糸で、日本の森から生まれ、土に還る循環型素材として注目されています。糸の場合は約50%、生地の場合は約25%を地域の木材を原料とし、綿や麻などの天然素材と合わせて製造されています。https://ogunimokuito.theshop.jp/

阿蘇小国杉のくらしと木糸より

熊本阿蘇で活躍する絵本作家・イラストレーターのワル・マックスさんが、物語からイラストまでを手掛けている絵本。

絵本「森のおくりもの 杉の子ジュウちゃんの大冒険」
100冊限定で配布スタート
ジュウちゃんの仲間になってくれる、絵本の語り手(配布先)を募集しています!
https://ogunisugi.com/topics/post-7374

引用元:阿蘇小国杉のくらし

他の団体さんの活動も素晴らしくて面白くて
写メ取り忘れてる…ごめんなさい。

とにかく地元の森や川を愛する人たちには、源流域の話が普通に出るのですが、それが共通言語ですぐに理解できる感じが、なんだか素敵な関係に思えて良かったです。

休憩タイム!(10分間)
ワンドリンク制の飲み物をいただきました~

休憩中の様子 

私はジンジャーエールのホット。生姜味がガチな感じで美味しかった!

休憩の合間 トイレ待ちで見える風景

休憩後からワークショップ
あらかじめランダムにグループ分けされている4班にわかれてブレスト

お題は3つ
①木を使って作るとしたら何を作ってみたいかな。その価格も考えてみよう
②自分が作りたいこんな森があったらいいな、また、森でやってみたい事を考えてみよう
③森にある恵みを活かして、まちづくりをするとしたら、どういうものがありますか。木だけにこだわらず、枝や葉なども考えてみよう

柔軟に考えるのって案外難しい

意外と簡単なようで、それぞれ柔軟な頭で考えるって結構難しい。
実現可否は置いといて、まずはアイデアだしから。とわかっていても、何度もうーんと唸ってしまう。

考えたり意見をシェアする時間が少なかったけれど、多様な意見を出しあって、発想に驚いたり気づきがあるって、こういう機会ならではです。

まとめ

このイベントに参加して、地域の森を守りながらまちをより良くするためには、市民の参加と協力が不可欠であることを強く感じました。  

団体の方の取組に情熱を感じつつ、生活や地域に根差しながら、これまで知りえないことを学べた機会でした。もっとたくさんの人にも知ってもらう必要がありますね。
そのためには、やはり森づくり×まちづくりのように、一般市民が自分事として捉えていく機会が益々必要であり急務であるとも感じます。

またこれは熊本でのお話でしたが、自分の市町村ではどういう取組や課題を抱えているのか、改めて認識しなければいけないなとも思いました。これからも、地域の森づくりとまちづくりに積極的に参加し、持続可能な未来の構築を一緒に考えていかなければいけませんね。

改めて森や川など自然豊かと感じた熊本

余談ですが…

この会の最後に、國武林業の國武智仁さん(國武林業/熊本県 上益城郡御船町)のラップパフォーマンスがありました。國武さんはおどけた姿で登場されましたが、その内容は林業のリアルを歌っていて、心に響くものがありました。(この界隈では結構有名なようです)
また、林業の傍らでイノシシやシカの駆除も行っている國武さんは、生き物が好きでありながらも、人間側の都合と生き物の間で悩みながら、その現実と向き合っている姿が印象的でした。

人と動物の共存は、多くの側面から考えるべき重要なテーマになっています。森や自然環境の保全を通じて、人々が自然と深く関わり、共存のあり方を模索しなければいけません。

國武さんの姿から、動物の駆除という現実的な問題にも直面しながら、人間と動物がどのようにして共生できるのかを考えることは、とても苦しく、難しい挑戦なのだろうと推察しました。しかし、そうした課題に対しても、諦めずに解決策を見出すことも、やはり私たちは考えなければいけません。


イベント概要

日時:2024年11月16日(土)14:00~17:00
会場:「山ぼうしの樹」熊本県上益城郡甲佐町糸田136
参加費:500円(1ドリンク付き)
定員:30名(定員に達し次第締め切り)



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