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私が伝えていきたいこと…hsd教室にて

私は10年ほどハートサインダンス®︎というダンス教室の運営をしている。

とは言え教室を構えて練習するよりもはるかに人数が多いのが出張教室の面々だ。

こちらは延数で言うともうすぐ30000人を超える。

メインとなるのは知的障がいのある方々。全体の25%くらいがプラス肢体不自由のある方々。
と言ったところ。

以前の記事にも書いたが
どんなに重い障がいがあっても心は私たちと何ら変わらないと言うこと。
これは本当に私が人生をかけて伝えていきたいこと。

特に行動障がいの
ある方々は誤解を受けやすい。

生徒さんにこんな方がいた。
ずーっと自分の顔を殴り続ける。
ボコボコ、ボコボコ。

殴り続けている顔の形は歪み、いつもおたふく風邪みたいに片側だけ頬が腫れていた。
支援する方はなんとか止めようと必死。
どうしても止まらない時は
ボクシングのグローブみたいなのをつけていた日もある。

その方のその殴る行為(自傷)は
多分なんの理由もないわけはないだろう、と見ていた。

もしかしたら色々な思いが積み重なって
(例えば…どうやったって自分はうまくいかないんだ。なぜだろう。辛い。悲しい。思いが全然伝わらない。でも言葉で表現できない。誰かに話しかけて欲しいけどみんな私のことを制するだけだ。)

こんな心の声があったとしたら…
そこに寄り添ってみたらどうなんだろうか?

私は慎重にタイミングを見ながら声をかけた。

「ね、ホントはさ、こんなはずじゃないのにね。」

「………」

「間違えてたりトンチンカンだったらごめんね、でもさぁ、ホントは自分の顔を殴りたいわけじゃぁないよね?」

「………」(私の目を見た)

その後小さくまたポコ、ポコ、と頬を殴った後

私に手を伸ばしてきた。

「???……」

彼女は私の手をやさしく触った。

握手しよう、という仕草。

私は
「うんうん、うれしいよ。なんもわかんない私に気持ち伝えてくれたんだねー。ありがとねー。」

と返した。

すると彼女は再び私をじーっと見つめた。

そして、なんと、その後は一回も自分の顔を殴らなかったのだ。

どれだけ、伝えたい思いがあるのだろう。

そして日常の中でそれがどれだけ伝わることがあるのだろう…

少しでも
「心はみんな同じ」
と言うことを伝えていけたら…
もっともっと怖がらずに接してくれる人が増えれば…

私はそんな世の中になっていくと良いなと考えている。

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