#36 無理難題をふっかけられないために…「仲良くなる」をはき違えない
お客さまと仲良くなる。リレーションを深める。とても大事なことです。けれど、「仲良くなる」の意味をはき違えると、ビジネス上で守るべきルールが崩されてしまうこともあります。
たとえば、お客さまと一緒に飲みに行って、「本音トーク」で盛り上がったりすると、「リレーションが築けた」と思いがちです。
それは確かにプラスの面もありますが、厄介なことも発生します。壁が取り払われたことで、お客さまにも「甘え」の気持ちが生まれるのか、価格交渉など無理難題をつきつけられることが往々にしてあるのです。
また逆に、こちらも相手に甘えてしまい、本来提供するべきサービスがおろそかになったり、無理なお願いをするようになってしまうと、結果的に信頼が失われることにつながります。
そうした事態にならないよう、私は自分のグループメンバーに対しては「お客さまとの間には、一定の緊張感を持ち続けよう」と伝えてきました。気心知れた関係になっても、ビジネスライクな部分は崩さない。それが、ビジネスパーソンのあるべき姿だと思うのです。
その点でしっかりけじめをつけるために、私の場合は、飲み会が無礼講で盛り上がったりしたとしても、翌日にお礼のメッセージを送る際には「ビジネスモード」に戻って接することを心がけています。「楽しかったですね。また飲みにいきましょう!」だけで済ませず、「楽しかったです、ありがとうございました。さて、ご依頼いただいていた件ですが…」と、ビジネスに関する話題を必ず添えるようにします。
ビジネス相手との関係には、メリハリをつけてこそ、長く信頼関係が保てるものだと思うのです。
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お客様や周囲の人々とよりよい関係を築き、あなたのビジネスがより大きく、喜びに満ちたものとなるよう、人生がキラキラと輝かしいものになるよう、心よりお祈りしています。