推しがいなかったわたしが松村北斗くんとSixTONESに沼落ちするまでの全軌跡

まえがき

推しとは何だろう。
推しがいて推しのことを話す友人たちの目はキラキラと輝いていて、なにか楽しそうだった。
だけどそんな友人を横目にわたしは、実態がイマイチ掴めないまま20数年生きてきた。
そんなわたしがSixTONESに沼落ちし、推しがいる生活を過ごすまでに至った軌跡を、記憶が溶けないうちに書き記すことにした。
人生で推しができるなんて思っていなかったし、もう2度と経験できないかもしれないので。

わたしという人間

  • 松村北斗的言い方をするととんでもない田舎出身、平成1桁生まれ、ごく普通の会社員。

  • 両親の影響でMr.Childrenと70〜90年代のJ-POPとたまに洋楽(浜田省吾・山下達郎・YMO・高橋真梨子・スターダストレビュー・CHAGE&ASKA・マイケルジャクソン・ビートルズ・Queenなど)を聴いて育つ。

  • 小さい頃からインドアで生粋のテレビっ子。故にジャニーズアイドルといえばSMAPな幼少〜思春期。

  • 小5くらいの時に学校へ行こう!の岡田准一に惹かれ出演ドラマと映画を徹底的に見漁る中高大時代を過ごす。(お前の最初の推し、岡田准一じゃね?とのツッコミに答えるのは長くなるので後日書きます)

松村北斗くんを知るきっかけと沼落ちの瞬間

2021年11月、朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の視聴がきっかけ。
カムカムを見ようと思ったのは深津絵里さんが出演すると知ったからだ。
「朝ドラに深津絵里?!これは見るしかない!!2代目ヒロインか~。出てくるのは先だけど面白そうだし見るか」と。
そしてなによりわたしは踊る大捜査線のすみれさんが大好きなのだ。
きっかけは至ってシンプルだった。

視聴を開始してすぐ稔さんは現れた。
が、すぐに特別な感情は湧き上がってこなかった。
これまで朝ドラはたくさん見てきて、ヒロインの相手役のかっこいい青年をたくさん見てきた。無論、この時点では稔さんもその一人に過ぎなかった。

ストーリーが進むにつれ、じわじわと稔さんの存在が気になっていったなか迎えた、忘れもしない2021年11月10日放送の第8話。
安子ちゃんを岡山まで追いかけてきた稔さんが安子ちゃんに一言。

「なんで泣いてるん?」

その時のわたしは完全にカムカムの世界にどっぷりはまっていたこともあり思わず、稔さんありがとおおおおおおおお!!!と心の中で雄叫びをあげた。
じわじわと気になっていた朝ドラによく出てくるかっこいい青年から、この人は一体誰なんだ?!と一気に気になる存在になったのである。
深津さん目当てで見始めたカムカムで稔さんにズドンするまさかの出来事でもあった。

すぐネットで「松村北斗」を検索した。SixTONES。え、ジャニーズ?!アイドル?!
出演歴を見る。「パーフェクトワールド」え…見てたんだけどどこに?!
あ!!!義足の青年か!!!!雰囲気全然違うやんけ!!!!
サブスクや公開中の映画で出演しているものがないかも探すと「劇場版きのう何食べた?」にたどり着く。すぐレイトショーのチケットを取り鑑賞。
大画面で松村北斗を存分に楽しんだ。(もれなくお腹もすいた)

カムカムの視聴を続けていく中で、日に日にわたしの中で「松村北斗」はもう無視できない大きな存在になっていったのである。
カムカム8話の最後、安子ちゃんを真っ直ぐ見つめる視線、どこか悲しそうで安子ちゃんを心底心配している憂いの表情。

カムカム第9話で安子ちゃんの両親と対峙したときに表れた、若さゆえの未熟さと安子ちゃんと人生を共にしたいという強い意志。
これをセリフの言い回しだけでなく、目の表情や纏っている雰囲気でも表した松村北斗くんから目が離せなくなった。
松村北斗くんの中には確かに雉真稔が宿っている、と強く感じた瞬間だった。

役を自らの中に宿し、それを目の表情や纏う雰囲気で表現できる、ものすごく貴重な存在だ。
こんな素晴らしい演技ができる俳優さんは絶対に大切にしなければ、「わたしが」応援しなければ、と沼落ちした瞬間だった。

沼落ちのきっかけとなったもうひとつの出来事

カムカムの視聴を始めた2021年11月、わたしは人生で一番大きなメンタル不調期に陥っていた。
2017年から続いた人生ハードモード期の終盤、到底受け入れられないことに直面し、張り詰めた糸がプツリと切れてしまった。
何をするにもやる気が起きず一日中寝ていたい、趣味に手が付かない、生きていくのが辛くてしょうがないといった日々を過ごしていた。
誰にも「助けて」と声に出して言うことができなかった。

そんな時に視聴していたのがカムカムエヴリバディだった。
カムカムのストーリーは戦中を描くシーンもあり辛い描写も多かったが、それ以上にドラマとしての面白さにハマっていったし、北斗くんが無視できない存在になっていくにつれ、少しずつメンタル不調から抜け出すことができた。

毎朝ちゃんと起きてカムカムを視聴して仕事へ向かう。
オードリー若林さんが著書で「好きなものがあるとそれだけで朝起きる理由になる」と書いているが、この時わたしは初めてこの言葉を実感することができた。

北斗くんはわたしに毎朝起きる理由を授けてくれたのだ。

生きていくのが辛くて辛くて仕方なかったわたしに一筋の光が差し込んできて、北斗くんは暗闇にいたわたしを引っ張りあげてくれた。
沼落ちする以外、そこには選択肢がなかった。

SixTONESに沼落ちするまで

カムカムを毎日視聴するにつれ、松村北斗くんが所属するSixTONESが気になってきた。
SixTONESといえばスクール革命に出ているバカ別館髙地優吾。
スクール革命を見ながらご飯を食べダラダラするのが休日のルーティンだったわたしは、SixTONES→髙地優吾→松村北斗と繋がった瞬間、心底驚いた。

あくる日、嵐ファンの職場の後輩に何となく「わたし最近、松村北斗くんとSixTONESが気になってるんだよね」と話したらYouTubeチャンネルの存在を教えてもらった。
ジャニーズでYouTubeチャンネル持ってるの?!いやいや時代変わりすぎだろ!!!と驚いた。(ネットニュースの画像は白抜きされ、肖像を確認できるのは雑誌新聞ドラマバラエティだけな学生時代を過ごしていたので軽くカルチャーショックだった)

早速YouTubeチャンネルを視聴。確か初めて見たのはスカイツリードライブ企画だった。
ストチューブを見始めた時期、ちょうどカムカムでは稔さんが出征し、戦中期の辛い日々が描かれていた。
稔さんの消息を心配し、安子ちゃんを待ち受ける様々な困難を目の当たりにするのが辛すぎて、カムカムを見た後すぐにストチューブに避難し、「令和の稔さんは生きてる…」と楽しそうなSixTONESを見て安心するのが日課になっていった。

楽曲のMVとSixTONESの曲しばりイントロクイズで聴いたYou&Iが気になり、少しずつ楽曲も聞きはじめた。
手始めに1ST通常盤を購入し聞きまくる日々。
その後しばらくしてマスカラとNAVIGATORも購入し楽曲の沼に落ちる。
このあたりでCITYの発売が決まり、手始めに初回盤Bを予約。
(この時はまだ3形態買うことに抵抗があり厳選していた)
手始めと言いつつ、この時点でもうかなり沼落ちへの道を順調に進んでいった。
ストチューブと楽曲を聴くのと同時進行でSixTONESANNの視聴も開始。
土曜日の深夜にアイドルのラジオを聴いてげらげら笑う。
なんだこの高低差。ギャップ。男子高校生の休み時間を垣間見る感覚。
かっこいいだけのアイドルじゃない彼らにわたしは猛烈に惹かれていったのだ。
いわゆるアイドルっぽい甘い言葉や叶いもしない夢を見させるような発言が彼らにはなかったことも強く惹かれる要因のひとつだった。
あいまいでなくはっきり線引きしている、そんな彼らに信頼を寄せた瞬間かもしれない。

そんなこんなで、ストチューブ・楽曲・ANNが複合的に絡んだ結果、気が付けばカムカム視聴から約2週間ほどでSixTONESにも沼落ちしていった。

ファンクラブに入るか?!どうするわたし?!

楽曲を聴いたり円盤を購入したりYouTubeを見たりラジオを聴いたりする以外に、彼らを物理的に応援する方法はないものか…と思いを巡らせた。

あっ、ファンクラブか!

いやちょっと待て、さすがにアラサーでジャニーズのファンクラブ入るのってどうなんよ?
と勝手に自分で作った年齢の罠にとらわれて、足踏みをしていた。
そんな時、姉にSixTONESが気になっていること、松村北斗くんを応援したいけどファンクラブに入るか迷っていると話すと一言。

「推しは推せるときに推せ」

この一言に背中を押され、思い立ったら吉日!と特に日を気にせず11月末に無事ファンクラブに入会。

ファンクラブに入会する時、わたしはこんなことも考えていた。
それは、ほかの誰でもない、「わたしが」松村北斗とSixTONESを応援したいという気持ち。
好きなことに対して主体性を帯びたときに、わたしは沼に落ちたのだろう。

あとがき

推しとは何だろう。
推しがいなかったわたしに推しができて1年が経った。
推しがいる世界はキラキラと輝いていて、わたしも友人と同じく目を輝かせる日々を過ごしている。
推しができて一番変わったこと。
それは推しのことを好きでいる自分のことが好きになったことだ。
自己肯定感が著しく低く、何かを好きになる感度や自分を認める力も低かったのだが、推しがいることによってそれらを少しは高められている。

推しとは、推しを好きでいることで自分をも好きでいさせてくれる、そんな存在なのだろう。
もっと最適解がありそうな気がするけど、一旦これで落ち着くことにします。

松村北斗さんの日本アカデミー賞新人俳優賞受賞によせて

2023年1月23日。

北斗くんが日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したと発表された。
本当にめでたい。知った瞬間、思わず泣いた。

カムカムでの演技から北斗くんに沼落ちした身からすると、彼の才能や魅力が「賞」という形で認められた、こんなに嬉しいことはない。
できるだけ長く北斗くんの演技仕事を見ていきたいと願っています。
そのためにわたしが出来ることはしていきたい所存です。
わたしが北斗くんの演技に生きる希望を見い出せたように、北斗くんの演技には、見た人に一筋の光を差すことができる、そんな力があると思っているので。

3月10日の授賞式でレッドカーペットを歩く姿をとても楽しみにしてます。
暗闇にいたわたしを明るいところへ引っ張り上げてくれた北斗くんは、これからもずっとわたしの道標で憧れです。
いつもありがとう。

今の君がナンバーワンだし、胸を張って信じた道を突き進んでいってほしい。
わたしも北斗くんを応援するという道を胸を張って突き進んでいきたい。
これからもよろしくお願いします。

ひとりごと

おかげ様で推しができたことで毎日楽しい。今日より明日が楽しい。
しんどいことも何とか乗り越えられる。
そして大人になって初めて職場や地元以外で友達ができた。
確実にわたしの目の前の世界を広げ、色を与えてくれているのは推しの存在だ。
推しを通じて知った世界は想像以上に優しさにあふれている。
ひとりで応援する道もあったけど、好きなことは誰かと分かち合うことでどんどん増幅していくものだと知った。

そういえば、2022年11月頭、FCに入会するときに背中を押してくれてありがとうと姉に連絡したら、「応援したいときがその時だと思ったから背中を押した」と言ってくれた。
この場を借りてありがとう、お姉ちゃん。
好きに年齢なんて関係ないと実感した瞬間だった。
と同時に、わたしは出会えるタイミングで出会うべくして松村北斗くんとSixTONESに出会えたのだと思った。
この境遇がなければ、カムカムを見てなかったら、推しを推すという歯車は回りはじめなかっただろう。
そう思うと、好きになったタイミングとかきっかけとかこれからも優しく抱きしめていきたいな。

team SixTONESというコンセプトが好きだ。
肩肘張らず、いつteamに加入したかなんて関係ない、関わる人みんなが仲間だと言える。
こんな素敵なグループを素敵な人たちと出来るだけ長く応援していきたいな~。

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