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BMWドイツ本社・ダッソーシステムズフランス本社へ訪問!!

製造業の上流を握られる!?欧州の情勢から見えた各社の戦略はいかに…。
欧州視察で収集した情報を精緻にレポートでまとめております!

今回はレポートの内容をチラ見せしちゃいます!
ーーーーーーーーー【レポート】ーーーーーーーーー
 2024年8月27日(火)~9月6(金)の11日間、ドイツ、チェコ、ハンガリー、フランスの欧州内4カ国を訪問した。今回は参議院議員の山田太郎氏に同行し、ドイツでは、SAP(エスエーピー)、SIEMENS(シーメンス)、BMW他、チェコではJTEKT(ジェイテクト)、東海理化、ハンガリーではSUZUKI、BOSCH(ボッシュ)、フランスではSchneider Electric (シュナイダーエレクトリック)、Dassault Systemes (ダッソーシステムズ)他、製造業各社や、VDMA(ドイツ工作機械工業会)、フラウンホーファー研究機構、INA(フランス国立視聴覚研究所)等、全10か所以上の施設や工場を訪問し、実際の目で確認した情報を第一部、第二部に分け報告する。 

第一部 
欧州各国の情勢 

 まずは欧州連合(EU:European Union)について概要を復習する。EUはヨーロッパの27カ国が加盟する政治的・経済的連合体である。経済協力を通じてヨーロッパの平和と繁栄を目指し、加盟国間の政治的・経済的統合を進めるため1957年、ローマ条約に基づいて設立された欧州経済共同体(EEC)がEUの前身として、6カ国から始まった。1993年、マーストリヒト条約によって正式に欧州連合(EU)が発足し、2020年にイギリスがEUを離脱し、現在は27カ国が加盟している。 

EUの目的は加盟国間の自由貿易や共通通貨(ユーロ)の導入により、ヨーロッパ全体の経済発展を促進すること、外交や安全保障、法の支配の強化を図り、ヨーロッパの平和と安定を保つこと、環境保護や消費者保護、社会的平等の向上など、共通の課題に対処することである。 
主な特徴として共通通貨(ユーロ)を加盟国のうち19カ国が採用しており、ユーロ圏内での貿易や旅行に利便性を持たせている。また加盟国の一部では国境検査なしで移動が可能な、シェンゲン協定が導入され、加盟国間での自由な人の移動が可能である。さらに経済政策だけでなく、環境、農業、消費者保護、外交、安全保障など、さまざまな分野で共通の政策が策定されている。 
EUの意思決定機関は主に、政策の執行を担当する行政機関の欧州委員会、EU市民から直接選ばれる議員で構成され、法案の審議や予算の承認を行う欧州議会、各国の首脳(大統領や首相)で構成され、EUの大まかな方向性を決定する欧州理事会がある。 
 
私が感じるEUの特性として、標準化を非常に得意としていると言える。ユーロ圏での共通通貨等の運用はされていても、言語や文化の壁は大きい。言語でいえばEU加盟国でも国によってそれぞれ言語が違う。ある程度のレベルでは英語を話せる方も多いが、特筆して皆英語が得意かというと、日本とそう変わらないレベルかもしれない。しかし、各国間での貿易やデータ通信等は、生活や経済活動に必須であるため、国と国との間には共通言語が必要である。島国の日本や英語がスタンダードな米国にはない「標準化」が進むのは地理的な要素も大きいだろう。 
 
またドイツとかかわりが深い、Industry4.0(インダストリー4.0)についても復習しておく。インダストリー4.0とは、製造業における「第4次産業革命」を指す概念で、デジタル技術や自動化を活用して、製造プロセスを根本的に変革しようとする取り組みであり、2011年のハノーファーメッセでコンセプトが公開され、ドイツを中心として始まった。具体的には、IoTやAI、ビッグデータ、ロボット工学、サイバーフィジカルシステム(CPS)などの先端技術を導入し、工場や機械がネットワークを通じてリアルタイムにデータを共有し、自律的に最適化されるような生産システムを構築することを目指している。 
 
一時期は日本でも、「DX」や「IoT」がバズワード化し、とにかくたくさんのデータを集めるが、集めたデータを活用しきれていない、という話はよく耳にした。インダストリー4.0の本質は、単に工場の情報を見える化し、工場の生産性を上げることではなく、製造業のサービス化だと考えている。 
ドイツではMaaS(Manufacturing as a Service)=製造業のサービス化を目指している。日本で MaaS というとMobility as a Service(自動車や交通に関するサービスの概念)を指す場合が多かったが、最近では少しずつ変化しているように感じる。 
 
ドイツでは「Catena-X(カテナエックス:カーボンニュートラルに向けた EV化に伴う業界サプライチェーンの全体最適を目指すアライアンス)で製造業のサービス化に関するプロジェクトにより、産業全体に大きな軸を設けている。Catena-X に参画している代表的企業として、シーメンスを例にすると、たとえばシーメンスは、NX(製品設計を行うCAD ソフト)の買収を皮切りに、Plant Simulationのように工場の最適化を図るツールや、MES システム、PLMシステム(チームセンター)などの製造業の運営に必要なシステム群のM&Aを15 年ほど前から継続的に続けている。一貫した買収を続けた結果、シーメンスは「工場システム…設計から~製造に至るまで工場に関連するシステムを丸ごと」サブスクで提供できるビジネスモデルを構築した。例えば、新しく建てられる工場は、シーメンスの工場システムを使いながら今後数十年間稼働し続けるため、シーメンスは利益を継続的に手にすることになる。長期間にわたって安定的な収益を望める。一方の日本の製造業では、系列によって各社の工場仕様がバラバラであることが散見され、同じ企業の工場であっても使用されているシステムがバラバラということはよくある。そして、日本企業が提供する工場システムは、シーメンスと比較すると一貫性が無い。個別最適なものばかりである。例えば現在投資が活況なインド等に工場を建てる場合、工場で利用するシステムが標準化されていない日本式のソフトウェアを使うより、ドイツ式の標準化されたシステムを利用したほうが、本国と同じようなシステムをインド現地の工場に一気に展開できる。ドイツのインダストリー4.0の様な標準化戦略やシーメンスのMaaS(Manufacturing as a Service)ビジネスの構築にはこういった狙いがある。これは2023年4月のものづくり太郎チャンネルでもすでに発信している。約1年半で工場のシステム化の実現にどんどん近づいているように感じるが、日本製造業各社はいかがだろう。 

EUの経済大国「ドイツ」 
ドイツは正式名称を、ドイツ連邦共和国といい中央ヨーロッパに位置する。人口は8,282万人ほどでEU最大、面積は35.7㎢と、日本より数パーセント分小さい。連邦共和制を採用し、1990年10月3日に東西両独統一によって、旧西ドイツの10州と旧東ドイツの5州およびベルリン州の16州がドイツ連邦共和国となった。1957年に発足したEUの前身である欧州経済共同体の加盟国であるほか、国際連合、欧州評議会(CoE)、北大西洋条約機構(NATO)、G7、G20、経済協力開発機構(OECD)の主要国であり国際情勢でも重要な立ち位置であることが分かる。 
また、ドイツは周知の通り、世界有数の先進工業国、貿易大国でありGDPは昨年日本が抜かれ世界第3位である。主要な産業は工業で自動車産業を含む機械工業、化学工業、金属産業、電気製品製造業が発達している。自動車では、Mercedes-Benz、Porsche、BMW、Audi他、化学ではBASF(ビーエーエスエフ)、電機ではシーメンスやボッシュ、ソフトウェアではSAP、工作機械のNCではHEIDENHAIN(ハイデンハイン)、制御ではBeckhoff Automation(ベッコフオートメーション)、光学機器ではCarl Zeiss(カールツァイス)など、世界的な大企業を非常に多く有する国である。 

 今回の訪問では、ドイツ内視察3日間のうち2日間、ドイツ在住歴20年の知人に各社の通訳をお願いし、ドイツ内ではレンタカーで一緒に移動したため、車内では彼から生きたドイツの現状を伺うことができた。 

彼には今年4月に訪問したハノーファーメッセでも同行してもらった。彼は通訳も素晴らしいのだが、EUやドイツの政策や市場動態、特にエネルギー戦略に精通しており、当該情報をJETROやシンクタンクにも提供することを生業にしているその道のプロフェッショナルである。もちろん、日本とドイツとの政治的、文化的な差異もよく知っている。また通訳としても仕事を多くこなし、ドイツ語、英語、日本語を巧みに操る。毎年世界各国を視察する山田氏や山田氏の秘書も、彼の通訳としての実力や知識量には驚いていたほどだ。彼が通訳を買って出てくれたおかげで、ドイツでの情報が非常に濃密になった。

ドイツの話に戻そう。前出のようにドイツでは自動車産業が主要産業であり、ドイツ国内でも補助金等を投入し重きを置いているが、EUでほぼ決定されていた2035年全車EV化を断念した背景にはドイツの反対が大きく作用している。この背景を深く洞察するには、すでに確定路線であったEU内での全車EV化の断念は、通常はありえない決定であることを理解いただく必要がある。 

前提として、EU内での意思決定方法がカギを握る。前出のEUにおける3つの意思決定機関(政策の執行を担当する …(続きはレポートにて)
ーーーーー【続きは問い合わせください】ーーーーー

■情報共有の項目■
【第一部】
●欧州各国の情勢
●EUの経済大国「ドイツ」
●EV市場で躍進するBMW
●BMWの進化型工場コンセプトに度肝を抜かれる
●EUと対立するハンガリー
●ボッシュの自動運転への展望は
…その他、EUの動態やindustry4.0、AIに関して、など…。
【第二部】
●製造業の上流を握るダッソー・システムズ
●SAP、2027年問題
●SIEMENSが目指す産業AIの未来
●汎用AIを自社で「開発しない」という選択
●強固なサプライチェーンマネージメントで実行される工場連携
●欧州版TATA(タタ)コンサルタンシーサービシズ、Capgemini
…その他、訪問して分かった日系自動車企業のジレンマ、など…。

■費用詳細■
・講演及びレポート提供 :60万円(税別)
※別途訪問場所までの交通費が発生します。
 (宿泊が必要になる場合は、宿泊費も同様)

・第一部:19万8,000円(税別)
・第二部:19万8,000円(税別)
・第一部・第二部 同時購入:29万8,000円(税別)

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