木のいろいろー桜編ー
今年は、「過去最高の気温」という言葉をよく耳にします。夏の猛暑の気温だけではなく、10月11月も観測史上最高気温を更新というからびっくりです。確かに、もう年末がすぐそこまで迫っている時に、シャツ1枚でも過ごすことができる生活はちょっと異常に思います。
そんな異常な気温は、植物にも影響を与えていて、皆さんもご存知の通り、春先に咲く花の狂い咲きを発生させています。私の実家は、比較的温暖な九州の中でも山間部にあるので、平野部に比べると冷える地域なのですが、そんなところにある桜にも狂い咲きが起こっていたことには驚きました。
桜といえば、春にピンクの花を一斉に咲かせ、多くの人を魅了します。またこの花を見ると、「新しい一年の始まり」と思う人は多いのかもしれません。わずかに咲いているのも綺麗ですし、満開直前も見事、そして何より花びらが風に舞って散っていく様子も、とても風情があっていいものです。
さて、「さくら」と一言で言いますが、その種類は実に多く、皆さんがよく目にするソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラという2種類の桜の交配により生み出されたものです。先日大島に行った際、ソメイヨシノのお父さんと言われている「オオシマザクラ」のサクラ株を見てきました。
夏に訪れたので、花の咲く様子は見ることができませんでしたが、様々な気候環境、自然災害の影響を受けてもなお、逞しく育っている姿は圧巻でした。植物ってすごいですよね。
このような「サクラ」ですが、その花を咲かせる木の部分は、昔から木材として使用されてきました。乾燥するための時間は少し長くかかりますが、耐久性がある上に、加工がしやすいこともあって、家具などにも用いられる材料です。木目や独特の風合いが、高級感を漂わせるため、伝統的な日本建築の家などでは、玄関にサクラの板を用いるところもあったとか。
今は、いろいろなものを自由に手に取ってみて、触って、選べる時代。それでも、住宅を建てる人も、家具を購入する人も、「こんな木材がいい」、「どんな木材が合うんだろう」と自身で選んだ材料はほとんどないのではないかと思います。
木には、それぞれ特徴があって、どう使えば、その木の寿命や特性を最大限活かせるかも異なってきます。
「木目調だから」で終わらせるのはもったいない!もっと「木」にこだわると、あなた自身にも、そして木を大切に使うという環境保全の観点からも、きっといいことありますよ!