オランダ出張報告(森)
トクイテンの森です。
オランダから帰国後体調不良でダウンしておりましたが、今週から本格的に活動再開しています。帰国直後に予定が入っていたため休息もせず仕事をしていましたが熱が出てしまい、病院で検査してもらったところ、新型コロナと診断されました。2週間はほとんど家から出ずに療養していましたが、今週入ってからは体調は回復しています。喉が火傷したように痛くて難儀しましたが、すでに喉の痛みは引いています。今は多少咳がでまずが、すでに陰性になっていますし、大事にならずによかったです。
オランダ出張の報告は大体、トクイテン代表の豊吉のnoteで尽くされていますが、私自身の感想も書いておこうと思います。
大規模トマト農家
見出しとここに載せた写真の農業法人は100haのハウスを所有していて、さまざまな機械を導入していました。ただ、収穫や葉かき(余分な葉を刈り取る作業)などは機械化されておらず、社長さんは非常に大きな課題だとおっしゃっていました。特に収穫より、葉かきの方が重要だと考えているそうで、「収穫ロボットの前に葉かきロボットを作れ、適正な価格なら直ぐに買ってやる」と言っていました。
すでにこのハウスでは1haあたり5人で作業しているそうで、かなりの効率化が進んでいましたが、さらなる効率化を進めたいということでした。
農業コンサルタント
オランダでは農業コンサルタントと契約しないと農場建設などの融資が降りないなど信頼性を落とすことになるそうです。農業コンサルタントと契約すれば、定期的に農場の様子を報告することで適切な助言が得られたり、害虫や病気が出た場合には直ぐに対応するための薬や益虫などを送ってくるのだそうです。頭脳と手足が完全に分離した分業が進んでいて、非常に興味深いと感じたものの、現場でロボット開発をするという観点では進めづらいのかなと感じました。
ワーニンゲン大学
ワーニンゲン大学は農業関係の研究機関と大学が合わさった組織で、農業の研究組織としては世界ランキング一位なのだそうです。農業に関係した技術を持った研究者を世界中から集めていて、自分たちの教育で賄えないような人工知能の研究者も戦略的に採用しているということでした。
研究内容に関してもスポンサーの意向と研究費のバランスを考えて決めているということで、それ以外の自発的な研究はしていないと強調されていました。そこも分業なんだなと感じます。
説明してくれた研究者に「論文を書くことはないのでしょうか?」と聞いたところ、調査依頼をしてきた国や企業などからの依頼があれば書くこともありますとのことでした。
研究者の立場からすると、研究者の自由な発想による自発的な研究のない研究機関の限界もあるかなと感じます。最近よく日本の大学も社会のニーズに応えるべきという風潮がありますが、それだけだと改善はできても破壊的な技術は生まれないんじゃないかなと思ったりはしますがどうでしょうか?
まとめ
オランダは全体として分業が進んだ国家なんだなと気付かされました。研究開発も自社より大学・研究機関に依頼して、研究機関側も自由な学術研究よりもその依頼に集中するといった感じで、社会としての分業体制が確立しているのだなと感じます。あまりにも分業が進んだ弊害があるような気がして、閉塞感はないだろうかとも感じました。ある種のガラパゴスになっているような気もします。
その点も含めてとても興味が湧いたので、今後もオランダの動向を追いかけていきたいです。
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