ハリーポッターのテーマパークへの意見書(その3) 災害時について、周辺交通への影響について 本計画の妥当性について

3 災害時について
 としまえんは、広大な樹林と空地を備える配置で、地域の防災拠点として位置づけられていました。その特性からも、東京都の防災計画上も練馬区地域防災計画上も、重要な土地として位置づけられています。
 仮に首都圏直下型地震等で大規模火災が発生した時には、近隣約6万5千人がとしまえん敷地に避難することが計画されているものです。
 本計画では、としまえんの敷地北側に、東京ドームに匹敵する巨大な建物ができる予定となっています。その結果、発災時に地域住民が避難することができなくなるのではないかという懸念が大きくあります。
 都市計画練馬城址公園は、2011年の東日本大震災を契機に計画が具体化した経緯もあり、令和2年11月30日に開催された東京都公園審議会においても、練馬城址公園の計画コンセプトとして「人々が迅速に避難でき、地域の防災機能の向上につながる拠点づくり」が挙げられています。
 本計画においても、当然地域防災の視点を欠かすことはできず、少なくともとしまえんの時代よりも防災機能が低下することがあってはならないと考えられます。

① 本計画における防災上の役割についての考えをお示しください。
② 本計画における東京都・練馬区並びに近隣自治会(自主防災組織等)との連携計画についての見通しをお示しください。
③ 仮に首都圏直下型地震が発生した際の避難や支援等の対応計画について、営業時間内、営業時間外のそれぞれについてお示しください。未作成である場合は、作成の手順、作成体制等についての見込をお示しください。


4 周辺交通に与える影響について
 としまえんへのアクセスは片側二車線の「豊島園通り」であり、夏季には千川通り、新目白通り方向からの車両集中により路線バスが大きく遅延する状況でした。
 としまえんの利用者はほとんどは個人・グループ客であり、公共交通機関か自家用車での移動がほとんどだったと考えられます。一方、本計画では貸切バス駐車場が相当数用意されるなど、インバウンドも含め多数の団体来場者を見込んでいるとされています。

① としまえん営業時と比較した、来園者の交通手段について検討した経緯をお示しください。
② 本計画営業時における、貸切バスの想定来園台数とその利用時間帯についてお示しください。
③ ②において、路線バスをはじめとする道路交通への影響(たとえば遅延等)についての見込をお示しください。
④ としまえん通りから本計画地への入退場についての安全対策、特に来場車両と歩行者や自転車との事故防止対策について具体的にお示しください。
⑤ 上記①~④について、現在見込が明らかでないものについての調査等の実施予定あるいは実施しない理由についてお示しください。


5 本計画の妥当性について
 ここまで縷々述べたように、本計画に関してはは大小さまざまな疑問がぬぐえません。
 第二種住居地域という、制約が大きな場所に計画されている巨大な開発計画であり、東京都の都市計画においても重要な都市公園用地を長期間占有するのであるから、本計画は多大な社会的責任を有するものです。
 少なくとも、博物館としての体制をはじめとする諸課題が明らかにされない限りは、本計画を進めることは適切ではないと考えます。


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