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20年目の新人バンド

バンドの解散やメンバーの脱退などは、5~6年いろんなバンドを見てきた自分にとってはいい方は悪いが「よくあること」で、その場の別れはとても惜しいものだけど、自分としては「彼らが作った音楽は一生残るので、明日からもそれを愛して生きていこう」と思い、最後のライブではそのメンバーに声援を送る、そんな日々を過ごしていた。

だけど、今回は違った。脱退の報告を受けた自分の心には明らかにダメージが残っていて、正直そのバンドの曲を聞く気すら起きなかった。ほぼ毎日何かしらのシーンで聞いているというのに、まったくモチベーションがわかず、よくわからない気持ちのまま、忘れらんねえよの「忘れらんねえよ」をずっと聞いていた。本当にそのバンドのことが好きなんだなあって思う。

脱退報告の翌日、そのバンドのボーカルがインスタライブをやっていた。仕事終わりでリアタイはできなかったが、奇跡的にアーカイブが残っていたので(SNSの疎さを考えると奇跡的)、むさぼるように視聴した。視聴した後、なんだか気持ちがだいぶ落ち着いたのは、脱退の背景や未来に向けてバンドを続けてくれることが分かったからだろうか。

この落ち着いた気持ちから、なぜかこのバンドのファン歴1年のペーペーがその思い出を書きなぐりたくなった。それはその証。僕とSHANKというバンドの1年に満たない楽しい思い出たち。

きっかけ

初めてSHANKというバンドの存在を知ったのはいつだろう、とふりかえると2022年のJAPAN JAMだった気がする。
その時は確かFOMAREを友達からすすめられて初めて見て、「FOMAREめっちゃかっこいい」と思って蘇我の芝生で寝ころびながら、友達と「次どうしよか~」なんて会話しながら、SKY STAGEのSHANKの音漏れを聞いているか聞いていないかわからない状態だったと思ってる。(多分聞いてない。)
それが僕とSHANKの出逢い。こっからよくはまったな自分。

(Steady久しぶりに聞きたい。)

DEAD POP FESTIVAL 2022

ステージにいるSHANKを始めてみたのは僕の地元川崎で開催されるDEAD POP FESTIVAL 2022。正直、SPARK!! SOUND!! SHOW!! feat. R-指定の『Swinga!』を聞くことができて大満足のまま、『次も見よう~』くらいの感覚でSHANKを見たのはいい思い出。
そこで見た人たちの姿は正直自分には驚きだった。多くの人が腰を低くしながら、曲に合わせてステップを踏んでいる。バンド界隈ではよくあるスカダンスというものだが、正直POPバンドをメインに聞いてきた自分にとってはびっくりの世界だった。ただその音楽がどこか心地よくて、体が勝手に動き出すような音楽であったことだけは覚えている。でも帰りは『Swinga!』聞いて帰った。

(MAN WITH A MISSION心配してたの懐かしい。笑)

COUNT DOWN JAPAN 22/23

次にSHANKを見たのは年末の12/30(金)。このころまでに自分の聞く音楽がものすごく変わっていたんだから、人には何が起きるかわからない。コロナ禍前にはJ-POPを主戦場としていた人間が、気がついたらパンクロックが主戦場になっていた。この道に引きずり込んだのはKUZIRA、Wiennersではあるが。勧めてくれた友達、ライブハウスで出会ったWiennersには感謝しかない。(もちろんこの2つも愛してやまないバンドではある。)
この頃にはすっかりSHANKを見たくて、SHANKのステージに足を運ぶようになった。「キャビンアテンダント」っていう言葉が思いつかず、「スチュワーデス」って言って、CAさんに捧げた「Departure」は忘れられない。

2023年の僕とSHANK

こうして、2022年の中ごろから、僕はSHANKというバンドにのめりこんでいった。バンドにあるような熱い想いがあまり出てこない(自分観測)けど素朴で面白いMC、とにかくおしゃれでかっこいい曲たち、2023年になり、コロナ禍が明け、ライブハウスやフェスでの振る舞いが自由になり、人が人の上を転がるようになっても、だれも落とさないように支えあうあったかいフロア、どれをとってもSHANKというバンドが大好きだった。

日常でSHANKの音楽を聴かない日はなかったし、東京でのライブの予定が合わなかったら、補うように大阪や名古屋に遠征してまでライブに行くようになった。人に勧めるために勝手に入門編のセットリスト作ったりもしていた。そのおかげもあって、SpotifyでSHANKを聞いている人の上位0.05%の再生数だった。まさにこの一年、SHANKと一緒に過ごしてきた。(と言ったら過言かもしれない。)

約3日ぶっ通しで聞いてる計算。一番聞いていたのは『Movie』
  • ※参戦したライブたち(ガチファンからするとおこがましい量ですが)

    • 2023/2/4 BLARE FEST @ポートメッセなごや

    • 2023/3/12 KUZIRA×SHANK @Zepp Nagoya

    • 2023/4/8 YON FES@モリコロパーク

    • 2023/5/20 Zepp Tour 2023 @Zepp Nagoya

    • 2023/6/17 SATANIC CARNIVAL @幕張メッセ

    • 2023/6/24 DEAD POP FESTIVAL@東扇島東公園

    • 2023/6/26 Wienners × SHANK @下北沢SHELTER

    • 2023/8/30 PUNK IN SUMMER @名古屋DIAMOND HALL

    • 2023/10/17 THE HEAVY CLASH 2023 @水戸 LIGHT HOUSE

    • 2023/11/10 HOTSQUALL × SHANK × KUZIRA @恵比寿LIQUID ROOM

    • 2023/11/11 REDLINE TOUR 2023 @ Zepp Osaka Bayside

    • 2023/12/2 BLAZE UP NAGASAKI 2023 @出島メッセ

    • 2023/12/13 SLOW SHANK @Billboard Live Yokohama

(川崎に住んでいるものとは思えないくらいあっちこっちに行ってる)

メンバーの脱退

バンドにおいてメンバーが脱退する、といったことはよくとは言わないまでも起こることではある。「方向性の違い」といったときにバンドマンか!と突っ込まれることもあるのだから、そういったものなのだろう。

しかし、自分はSHANKというバンドに限ってそんなことはないだろうと思っていた。19年も同じメンバー構成でやってきていて、20年目もこの3人でやっていくとばかり思っていた。節目の年にどんなことをしてくれるのかとっても楽しみにしていた。
そんな矢先、2023/12/18(月)のDr. 池本雄季さんの脱退発表。

正直、嘘だと思いたかった。言語化できない感情に襲われて、どうしていいかわからないまま眠りについたことだけ覚えている。幸い起きたら仕事はできるくらいだったし、仕事をしているときはその忙しさで忘れられていた部分もあったから幾分かは楽だったのかもしれない。

好きなことをやるために何かを犠牲にしてほしくない

そんな中、脱退発表の翌日、Ba&Vo. 庵原将平さんがインスタライブを開いて、事情を説明してくださった。脱退の事情をうやむやにせずに、ありのままを話してくれることはとても嬉しかった。

SHANKというバンドが生まれたきっかけ、その中での雄季さんの立ち位置、もともと雄季さんが好きだったこととドラマーとしての存在がどんどん乖離していったこと、そんな雄季さんのドラムをたたいているときの姿が楽しそうには見えなかったこと、そんなところから熟年離婚のような形の脱退だと説明してくれた。

そんなインスタライブで自分が印象に残ったのは「好きなことをやるために何かを犠牲にしてほしくない」というニュアンスの言葉だった。お酒を飲むことが好きで将来バーを開きたい雄季さんの脱退、ドラムが好きでどこかでドラムをたたきたいと思っていたがその場所がなかった新Dr. の早川さんの加入、このいずれもが「好きなことをやるために何かを犠牲にしてほしくない」という想いから出てきている行動だなと自分は思った。
そんな言葉を聞いたら、脱退する雄季さんもこれから未来に続いていくSHANKも応援しないわけにはいかないな、とそんなことを思って心が少し軽くなった。

これから

若干1年のファンでこれくらいの思い入れがあるのだから、歴が長い人にはもっといろいろな思い入れがあるだろうとも思う。
自分もそんな人たちと同じく、これからもきっとSHANKの音楽を聴いて、ライブに行って、楽しかったと思える日々を過ごすのだろう。

そして、ゆくゆくはSHANKがライブハウスを作って、そのバーカウンターに雄季さんがいる、そんな景色もあるかもしれない。
それを見るまではSHANKの音楽を聴き続けたいし一ファンとして守り続けたいなとも思った。

将平さんはメンバーが変わって、1からやっていくつもりと言っていた。
そんな20年目の新人バンド、SHANKのこれからの成功を祈って、僕は明日の会社への旅路の一曲目に『Departure』を選ぶ。

※12/25の最後のライブ行く人、絶対辛気臭い顔するんじゃないよ!!

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